本研究の目的は,算数における形成的アセスメントの実践において機能するクライテリアを見いだすとともに,それらを用いた活動を行うことで,児童が,何ができるようになるのかを明らかにすることである.そのため,算数におけるネーミング活動に着目し,第5 学年の算数授業45回を観察するとともに,児童42名に対する質問紙調査を行った.その結果,「名前」はファジーなクライテリアであり,児童は,算数の授業中に,自らが数学的な考え方や態度に対する価値づけをすることや,他者の考え方を解釈したり,そのよさを評価したりする場面で使用することができるようになることが明らかになった.