日本口腔内科学会雑誌
Online ISSN : 2186-6155
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20 巻, 2 号
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原著
  • 新井 伸作, 笹栗 正明, 川野 真太郎, 豊嶋 健史, 田中 秀明, 大部 一成, 中村 誠司
    2014 年 20 巻 2 号 p. 25-30
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/09/06
    ジャーナル フリー
    全身炎症反応症候群(Systemic Inflammatory Response Syndrome:SIRS)は,術後合併症や臓器不全に移行する危険信号として解釈されている。本研究では口腔悪性腫瘍術後におけるSIRS評価の有用性を確認するため,術後早期のSIRS評価と術後合併症との関連を検討した。
    対象は2008年1月から2012年3月までに当科の口腔癌患者で遊離皮弁移植による一次再建術を施行した55例である。術後2日目までにSIRS診断基準を満たしたものをSIRS群とし,非SIRS群と臨床評価項目について比較検討した。
    SIRS群は45例,非SIRS群は10例であり,術後合併症発症率はSIRS群で有意に高かった。SIRS群で術後合併症を認めなかった症例の73.7%は術後3日以内にSIRSから回復していた。
    術後早期のSIRS評価は,口腔外科領域においても術後合併症の予測に有用と考えられた。
  • ―長期投与に伴う副作用発現状況と唾液分泌量および自覚症状スコアの変化―
    石田 孝文, 岩渕 博史, 岩渕 絵美, 内山 公男, 久保田 英朗
    2014 年 20 巻 2 号 p. 31-37
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/09/06
    ジャーナル フリー
    シェーグレン症候群(以下SS)に伴う口腔乾燥症治療薬のピロカルピン水和物の投与効果および副作用について検討した。対象は2007年10月~2009年3月までに本剤を投与した症例中,セビメリン塩酸塩水和物やアネトールトリチオンによる治療歴がなく投与4週後の評価を行うことができた64例である。唾液分泌量と自覚症状スコアは投与開始52週後まで調査できた42例を検討した。唾液分泌量は投与前に比べ投与開始24週後以降では有意に増加した。自覚症状スコアは投与前に比べ投与開始12週後以降では有意に減少した。長期投与に伴う唾液分泌促進効果の低下はみられなかった。副作用は81.3%の症例にみられた。最も多かったのは多汗で次に嘔気,頻尿の順であった。15.6%の症例では多汗,嘔気などの理由で投与を中止していた。副作用の97.9%が投与開始4週以内に発現していた。また,嘔気は投与開始12週後までに38.5%の症例で消失していた。長期投与による副作用発生率の上昇はみられなかった。
症例報告
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