日本口腔内科学会雑誌
Online ISSN : 2186-6155
Print ISSN : 2186-6147
ISSN-L : 2186-6147
21 巻, 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
原著
  • 赤垣 俊輔, 竹内 憲民, 高須 彩子, 桝井 敦史, 岩井 聡一, 由良 義明
    2015 年 21 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/04/23
    ジャーナル フリー
    皮膚における遅延型過敏反応(DTH)はマウス耳介皮膚にハプテンを塗布して反応を惹起し,耳介の腫脹で評価されている。口腔内で近似した実験系は存在しない。本研究ではマウス舌の厚径でDTHを評価する実験系の作製を目的とした。ハプテンとして2, 4-dinitrochlorobenzene (DNCB)を背部皮膚に塗布して感作し,その後舌表面にDNCBを塗布して反応を惹起した。感作動物ではDNCBの舌塗布後の舌腫脹がより顕著であった。舌粘膜ではCD4T細胞,CD8T細胞,CD25T細胞の浸潤がみられた。mRNAでは,IL-1β,IL-2,IL-6,IL-10,IL-12,TNF-α,granzyme Bの発現が増大したが,IL-4,IFN-γでは増大はみられなかった。この実験系はDTHに特徴的な舌腫脹,T細胞の浸潤様式,サイトカインの発現がみられる系と考えられた。
  • —MOS 36-Item Short-Form Health Survey Version 2日本語版を用いて—
    桃田 幸弘, 高野 栄之, 可児 耕一, 松本 文博, 青田 桂子, 山ノ井 朋子, 近藤 智香, 高瀬 奈緒, 宮本 由貴, 東 雅之
    2015 年 21 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/04/23
    ジャーナル フリー
    一次性舌痛症は舌痛を訴えるものの確たる要因を見出せず,未だ十分な理解には達していない。MOS 36-Item Short-Form Health Survey Version 2 (SF-36v2)日本語版は健康関連QOL(Health-Related Quality of Life)の尺度である。今般,われわれはSF-36v2日本語版を用いて本疾患に関する健康関連QOLを調査した。2007年1月から2014年12月までに徳島大学病院口腔内科を受診した一次性舌痛症患者26名を対象とした。女性は男性と比較して,総じてSF-36v2下位尺度のスコアが低下し,高齢者では顕著であった。本疾患の病態は加齢によって複雑化し,高齢者に対する治療目標は疼痛だけに固執せず,心理・社会的問題に対する配慮も要すると考えられた。SF-36v2日本語版による健康関連QOLの調査は本疾患の理解と治療目標の設定において有意義であった。
  • —安全性と薬剤耐性の検討—
    岩渕 博史, 石田 孝文, 佐藤 真理子, 岩渕 絵美, 内山 公男, 藤林 孝司, 久保田 英朗
    2015 年 21 巻 1 号 p. 15-20
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/04/23
    ジャーナル フリー
    シェーグレン症候群に伴う口腔乾燥症の治療薬のピロカルピン水和物の超長期投与に伴う安全性および効果の減弱の有無について検討した。対象は2007年10月~2009年3月までに本剤の投与を開始した症例中,投与開始2年後以降の評価が行えた62例である。投与開始2年後以降新たに多汗が3件発生したが,症状は軽度で継続投与は可能であった。また,投与開始2年以前に発生した副作用が投与開始2年後以降に悪化した症例は認められなかった。血液生化学検査値異常は71.0%に68件にみられたが,いずれも軽微な変化で全例継続投与可能で,継続投与に伴い悪化することはなかった。投与開始5年後まで評価が行えた27例では明らかな唾液分泌量の減少や自覚症状スコアの増加はみられなかった。
症例報告
feedback
Top