日本口腔内科学会雑誌
Online ISSN : 2186-6155
Print ISSN : 2186-6147
ISSN-L : 2186-6147
26 巻, 2 号
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総説
原著
  • 西牟田 文香, 矢田 直美, 吉賀 大午, 國領 真也, 大谷 泰志, 鶴島 弘基, 坂口 修, 田中 純平, 吉岡 泉
    2020 年 26 巻 2 号 p. 70-76
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル フリー
    口腔粘膜疾患に対する擦過細胞診の有用性について評価するために,臨床検討を行った。対象は,2018年4月から2019年3月に本学附属病院口腔内科で細胞診を行った211症例225検体を対象とした。それらの症例の年齢,性別,検体採取部位,臨床診断,細胞診の判定結果,カンジダの併発の有無と病理組織学的診断について検討した。今回の検討で,疑陽性・陽性での口腔上皮性腫瘍の検出率は83.3%と高く,口腔癌に対するスクリーニングとして,擦過細胞診が有用であることが示された。その一方で,背景の炎症や,異型細胞の量が少ないことにより,偽陰性症例が4例認められた。
  • 坂本 瑞樹, 森山 雅文, 清水 真弓, 前原 隆, 緒方 謙一, 石黒 乃理子, 鎮守 晃, 太田 美穂, 中村 誠司
    2020 年 26 巻 2 号 p. 77-83
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル フリー
    シェーグレン症候群(SS)患者におけるM3Rアゴニストの長期的な唾液分泌促進効果を明らかにするために,当科にて8年以上経過をみたSS患者62例を対象として唾液分泌量の経時的変化,および臨床所見と治療効果との関連について検討を行った。
    内服継続した症例では服開始半年までは有意な唾液分泌量の増加を認め,8年経過しても唾液分泌量は治療開始前に比べ減少せず,維持されていた。一方,内服しなかった症例では7年経過以降に有意な減少を認めた。さらに多変量解析の結果,初診時唾液分泌量1g/2min以上あるいは耳下腺超音波検査での組織異常が顕著でない症例で治療効果(唾液分泌量の増加率)が有意に認められた。
    以上より,M3Rアゴニストの長期内服により唾液分泌量は8年経過後も維持され,特に病態初期と考えられる症例では唾液分泌量の増加が顕著であったことから,M3Rアゴニストの早期内服と継続が重要であることが示唆された。
症例報告
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