日本口腔内科学会雑誌
Online ISSN : 2186-6155
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ISSN-L : 2186-6147
27 巻, 1 号
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原著
  • 田所 壯一朗, 野間 昇, 高根沢 大樹, 小笹 佳奈, 岡田 明子, 篠崎 貴弘, 青野 楓, 今村 佳樹
    2021 年 27 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/30
    ジャーナル フリー
    国際口腔顔面痛分類第1版(以下ICOP-1)では,三叉神経痛(ICOP-1:4.1.1)は典型的三叉神経痛(4.1.1.1),二次性三叉神経痛(4.1.1.2)および特発性三叉神経痛(4.1.1.3)の小項目に分類された。2005年11月から2016年12月の間に当科を受診し三叉神経痛と診断された105名の患者の臨床統計を行い治療経過,予後について検討したので報告する。診断では典型的三叉神経痛が97例で最も多く,純粋発作性が86例,持続性顔面痛を伴う典型的三叉神経痛が11例であった。二次性三叉神経痛は7例,特発性三叉神経痛では1例認めた。4.1.1.2の全症例において下位分類である「占拠性病変による三叉神経痛(4.1.1.2.2)」であったが,内2例は陽性徴候または陰性徴候を呈しており,経時的に二次性三叉神経痛の特徴的な発作痛へ移行した。カルバマゼピンに対する治療反応性は純粋発作性においては良好であったが,持続性顔面痛を伴う典型的三叉神経痛および特発性三叉神経痛では有効性は低かった。三叉神経痛の病態の分類やステージ,経過を考慮し薬物療法,微小血管減圧術,高周波熱凝固法などの有効な治療法を選択する必要があると考えられた。
  • 柏崎 明子, 神部 芳則, 山崎 裕子, 平野 萌香, 山本 亜紀, 森 良之
    2021 年 27 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/30
    ジャーナル フリー
    超高齢化の現在味覚障害は増加しつつあり,その中で最頻の薬剤性味覚障害は,無視できない問題となっている。したがって,薬剤性味覚障害の周知および対応策の構築が急務となる。今回われわれはアムロジピンベシル酸,トピラマート,テガフール,プレドニゾロンが原因の薬剤性味覚障害4症例について若干の文献的考察を加えてその概要を報告する。
  • 山本 裕義, 西山 明宏, 杉浦 慧, 田中 斉, 山﨑 梓, 有泉 高晴, 村山 雅人, 笠原 清弘, 髙野 正行, 片倉 朗
    2021 年 27 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/30
    ジャーナル フリー
    2011年5月から2019年3月31日までに本学急性期神経機能修復外来を受診した下歯槽神経障害あるいは舌神経障害の患者421例(重複症例3例を含む)を対象とし,性別,患者数の年次推移,当院受診までの期間,障害神経の内訳,原因,障害神経の年次推移,受診経路などについて検討を行った。症例数は年次的に増加傾向にあった。知覚障害発現から受診までの期間は,最短で1日,最長で40年22日で発症から2か月未満と12か月以降に受診患者数のピークを認めた。障害がみられた神経は下歯槽神経が282例,舌神経が142例で,原因は抜歯が最も多く認められた。受診症例のうちで神経修復術など外科的治療を施行したのは47例であった。舌神経損傷では下歯槽神経と比較して症状が重症化し外科的治療を要する割合が高い傾向があった。今後,臨床歯科医師に対して,神経障害の周知とともに,舌神経の走行部位や損傷時の症状などの啓発を行っていく必要があると考える。
症例報告
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