本研究では、児童と高齢者ボランティアとの世代間交流プログラムが児童のソーシャル・サポート(social support:SS)に与える影響について検討した。交流内容は、絵本の読み聞かせを小中学校等で行っている高齢者ボランティアが6年生に絵本の読み聞かせの仕方を実技指導するものであった。対象は神奈川県川崎市内の小学校の6年生79名であり、調査にはソーシャル・サポート尺度(The Scale of Expectancy for Social Support:SESS(岡安ほか 1993))を用いた。その結果、交流授業以前の時点で両親、教師、友人に対するSESS得点が低かった児童において、交流授業後に高齢者ボランティアに対するSESS得点の上昇が見られた。身近な他社と親密なSSを持たない児童に対しては、高齢者ボランティアとの交流授業が新たなSSを提供する機会になる可能性が示唆された。