日本世代間交流学会誌
Online ISSN : 2758-5905
Print ISSN : 2185-7946
12 巻, 1 号
日本世代間交流学会誌
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 川崎 一平, 永井 邦明, 原田 瞬, 森本 誠司, 佐川 佳南枝, 吉田 健, 小川 敬之
    2022 年 12 巻 1 号 p. 3-12
    発行日: 2022/08/20
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、異世代ホームシェアを実践する当事者たちへのインタビュー調査を通じて、日本の異世代ホームシェアの実態とそれぞれの世代に与える影響について明らかにすることを目的とした、研究対象は、京都府が推進する異世代ホームシェア事業である「京都ソリデール」を利用する当事者21名(高齢者13名、若者8名)であった。得られたデータをBERELSONの内容分析の手法を用いて分析した結果、294の記録単位から、異世代ホームシェアが高齢者に与える影響として【活動・交流の機会が生まれる:32.1%】や【心理的な安定が得られる:20.1%】など8つのカテゴリと、若者に与える影響として【新しい学びの機会が得られる40.7%】や【活動・交流の機会が生まれる:17.8%】など6つのカテゴリが抽出された。本研究の結果、当事者たちの多様な同居形態などが明らかとなり、また、異世代ホームシェアが高齢者の社会的孤立を解消または和らげ、世代継承性を育むことなどが示唆された。
  • 谷口 友子, 安齋 ひとみ
    2022 年 12 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 2022/08/20
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、世代間交流活動に参加している育児中の母親の語りから、母親の世代間交流への思いを明らかにすることを目的としている。2019年10月から2020年2月に、関東近郊で世代間交流に参加している母親に半構造化インタビューガイドを用いてデータ収集を行い、質的記述的方法を用いて分析し、101コード、25小テーマから9テーマが生成された。世代間交流に参加する母親の高齢者への変化する思いが明らかとなり、母親は世代間交流の中で、「母親として」「個として」支えられ、House(1981)の示す「情報的」「評価的」「情緒的」「手段的」4つのサポートを得ている可能性が示された。また、人々の中で子育てできる地域への願いが明らかとなった。地域の高齢者と継続的に関わることのできる世代間交流は、乳幼児を持つ母親を支える重要な活動であることが示唆された。
  • 絵本読み聞かせ活動REPRINTSと長野県須坂市調査からの知見
    稲葉 陽二
    2022 年 12 巻 1 号 p. 21-33
    発行日: 2022/08/20
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は社会関係資本と世代間交流との関連について、シニアによる学童への絵本読み聞かせ活動と長野県須坂市における質的および量的調査の知見に基づき、世代間交流活動が長期にわたり持続する条件を考察する。社会関係資本の定義とその潜在的付加価値に鑑みると世代間交流は社会関係資本が存在する地域でより長続きする可能性があること、若年層と中高年層の間の世代間交流は両社の間に交流から生じる限界効用に差があり、かつ世代間交流から生じる生に依拠して発生・継続させることは難しい。これを克服するには、従来から地域に存在している社会関係資本を活用する介入(何らかの組織・制度)が必要である。
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