日本世代間交流学会誌
Online ISSN : 2758-5905
Print ISSN : 2185-7946
9 巻, 1 号
日本世代間交流学会誌
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 同居世帯の中高年者との比較から
    村山 陽, 長谷部 雅美, 高橋 知也, 小林 江里香
    2019 年 9 巻 1 号 p. 03-11
    発行日: 2019/10/31
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、首都圏に居住する単身世帯の中高年者の近隣との世代間交流の必要性の認識について、同居世帯の中高年者との比較から検討した。50歳から 79歳までのモニタ 1200 人を調査対象者とし、オンライン・アンケート調査を行った。 近隣との世代間交流の必要性を「とても感じる」 「少し感じる」と回答した 600 名の中で、 その理由について得られた自由記述を分類したところ、 18個のカテゴリーが抽出され、その中でも 「災害時や緊急時の助け合い」 が上位に挙げられた。 次いで Fisher の直接確率検定により、近隣との世代間交流の必要性の世帯群差を検討したところ、 単身世帯では同居世帯に比べて「孤立防止」の割合が高いものの、総体的にみると少数であることが示された。この結果から、 中高年単身者のニーズに合致した 「災害時や緊急時の助け合い」をテーマにした世代間交流プログラムをきっかけとして、地域の世代を超えた関係づくりを進めることが有用であると思われる。
  • -保育者養成課程における検討-
    吉津 晶子, 田爪 宏二
    2019 年 9 巻 1 号 p. 13-22
    発行日: 2019/10/31
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、クロス・トレーニング・プログラム(CTP) の参加者に対する量的および質的な分析を通して、 CTP への参加が保育者養成課程の学生の世代間交流に関する認識にどのような影響を及ぼすのかについて検討することを目的とした。 研究の対象は、保育者養成課程に所属する 4年次学生 20名で、 内10名は CTP の参加経験を有している。 研究方法は、 子どもと高齢者および学生の世代間交流活動中の映像を同時に視聴し、その内容について質問紙による回答を求めた。その結果、 量的分析によって、 CTP への参加が学生の世代間交流に関する認識のうち (1) 世代間交流への支援について肯定的な認識、 (2) 高齢者への支援に対する肯定的な認識、 (3) 高齢者に対して親しみやすい印象、の3点を向上させる可能性が導出された。さらに質的分析によって、これらに関する CTPへの参加の有無による学生の具体的な視点の差異が示された。
  • 郷居経験の有無による比較
    呂 暁衛, 森田 久美子, 山本 晴美, 永嶺 仁美
    2019 年 9 巻 1 号 p. 23-30
    発行日: 2019/10/31
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    中国都市部の高齢者と小学生の関係性を親密性・高齢者イメージ 交流希望内容の観点から明らかにし、同居経験の有無で比較を行った。 中国山東省都市部の小学校6年生 87名と老年 大学に通う 60歳以上の高齢者 94名に親密性尺度を用いた質問紙調査を実施、 小学生にはさらに高齢者イメージ尺度および高齢者との交流希望内容についても調査した。 小学生、 高齢者ともに同居経験の有る者のほうが同居経験なしの者よりも親密性得点が有意に高かった。 同居経験の有る小学生は「高齢者の人生経験を聞く」 「園芸」で高齢者との交流を希望する割合が有意に多かった。 一方、小学生が高齢者に対して抱くイメージは、高齢者との同居経験の有無とほとんど関連が認められなかった。
  • 松永 博子, 高橋 知也, 相良 友哉, 西中川 まき, 南 潮, 野中 久美子, 藤原 佳典
    2019 年 9 巻 1 号 p. 31-35
    発行日: 2019/10/31
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本報告の目的は、 高齢者の総合相談施設シニアステーションで行われている就労支援コーナ ー 「ジョブカフェ」の取組を紹介することである。東京都大田区A地区のシニアステーションにおいて、福祉分野への就労支援を行っている担当者を対象としたインタビュー調査を行い、 インタビュー内容を質的に分析した。3名のスタッフにより就労支援が行われており、その支援は、 会員1人1人に寄り添った切れ目のない支援であった。 福祉分野への就労支援を行う目標や意義の概念として、「地域で担う福祉のあり方」、 「仕事は社会参加の1つの形」 「来所の きっかけは趣味・生きがいづくり」という3つの概念が見出され、「地域で担う福祉のあり方の1つとしての就労の実践」 というまとまりが示された。「ジョブカフェ」では、会員と支援担当者との異世代間交流が行われ、信頼関係が築かれていた。 その取組から、就職先での異世代間交流や次世代支援の可能性が示唆された。
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