日本世代間交流学会誌
Online ISSN : 2758-5905
Print ISSN : 2185-7946
8 巻, 2 号
日本世代間交流学会誌
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 自伝的記憶の構造に着目した検討
    小川 将, 鈴木 宏幸
    2019 年 8 巻 2 号 p. 03-11
    発行日: 2019/03/31
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    イメージ判断を行うにはその判断材料の1つである記憶が関与している。 本研究では祖父母との接触経験が高齢者における言語連想課題の産出語数とイメージ判断を行うまでの反応時間に及ぼす影響を検討した。 大学生 54名 (男性8名、女性46名、平均年齢19.06±0.95歳) を対象とし、パーソナルコンピュータ画面上に呈示される高齢者に対するポジティブな文章と ネガティブな文章に対して自身のイメージに当てはまるかどうかの判断を求めその反応時間を測定した。その結果、男性よりも女性の方が判断に要する時間が短いことが示された。また、 祖父母との接触経験の頻度により高群 (n=27)と低群 (n=27) に分けて、 同様の検討を行ったとこ ろ、ポジティブな文章に対しては低群より高群の反応時間が短い傾向にあった。 他方、接触経験の頻度と語想起課題の産出語数との関連はみられなかった。 祖父母との接触経験の豊富さが画一的なイメージ判断を防ぐことに寄与する可能性が示された。
  • 田渕 恵, 小西 順子
    2019 年 8 巻 2 号 p. 13-19
    発行日: 2019/03/31
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、退職後に地域の子育て支援を行う中・高齢女性の参加開始動機を明らかにすること、そして開始動機によって継続動機や心理発達が異なるのかを明らかにすることを目的とした。地域の子育て支援を行う1グループに所属する女性9名 (61.56±4.16歳)を対象とし、 質問紙を用いて、「子育て支援の参加開始継続動機」、 「世代性」について尋ねた。 開始動機この類似性により対象者を分類したところ、「知り合いから誘われた」 において得点が高い受動型と、「育児中の親の助けになりたい」 「経験を活かしたい」 等において得点が高い能動型に分類された。 また、 能動型は 「社会の役に立っている」、 「親との触れ合いが楽しい」という継続動機や、世代性の「コミュニティや次世代への貢献」 が受動型よりも有意に高い結果となった。 子育て支援への参加開始動機には個人差があり、 それによって継続動機の種類や世代性の高低が異なることが明らかとなった。
  • 高橋 知也, 松永 博子, 南 潮, 相良 友哉, 西中川 まき, 藤原 佳典
    2019 年 8 巻 2 号 p. 21-27
    発行日: 2019/03/31
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    66歳以上の高齢者を新規雇用している、または今後雇用を考えている企業(積極雇用企業) と、新規雇用を考えていない企業(消極雇用企業)のそれぞれが抱える高齢者雇用への課題の認識について検討することを目的とした。 2018年1~3月に、66歳以上の高齢者雇用の実態および意向を把握すべく、 都内の企業を対象に 「66歳以上の高齢者を新規雇用することで生じる 「課題」 などについてのアンケート調査を実施し、 660社 (回収率 22.0%) から回答を得た。結果から、運輸業や医療・介護業では高齢者の新規雇用に積極的であった一方、 情報通信業や金融業では消極的であった。 また消極雇用企業は積極雇用企業に比べ人件費増大や若年者雇用阻害を 高齢者雇用の課題と考えており、積極雇用企業は消極雇用企業に比べ健康管理や体力不安を課題と感じていた。 なお、組織内での世代間摩擦については積極・消極雇用企業のいずれも一部が課題に挙げたが、その数に有意差はみられなかった。
  • 世代間交流における予防接種の意義
    飯塚 あい, 倉岡 正高, 山口 淳, 稲松 孝思, 杉 啓以子, 鈴木 宏幸, 安永 正史, 藤原 佳典
    2019 年 8 巻 2 号 p. 29-35
    発行日: 2019/03/31
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    高齢者はインフルエンザのハイリスク群であり、特にボランティア等で子どもと接する機会の多い者は感染リスクが高いため、予防接種が推奨される。本研究では、世代間で予防接種の重要性を提唱するValuing Vaccinations Across Generations 日本キャンペーンの一環として、絵本読み聞かせボランティアグループである「りぷりんと」に所属する高齢者を対象にアンケート調査を実施し、ワクチンの接種状況と、関連要因を検討した。調査の結果、毎年インフルエンザワクチンを接種している者は半数程度に留まり、接種状況には予防接種の有用性への評価や、安全性への不安、情報の確保状況が有意に関連していた。世代間交流を促進する際には、その意義だけでなく、予防接種といった健康危機管理についての情報も啓発する必要が ある。
  • Uchida Hayato, Mizobe Kazushige, Kusano Atsuko
    2019 年 8 巻 2 号 p. 37-40
    発行日: 2019/03/31
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
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