世代間交流学の概念の一つである「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」は、米国の政治学者である PUTNAM, Rにより、「信頼・規範・ネットワーク」の概念として提唱された。 この概念は、世代間交流プログラムの実践を進める上で、世代間交流の持つ水平的互恵的な人間関係構築の基礎理論と言える。 本研究は、この世代間交流プログラムの実践的広がりの一部を担う学校教育について、その可能性を学校の教科活動との関連性から探った。
学習指導要領に世代間交流にかかわる直接的な記述は見られないが、 多くの学校は何らかの形で、地域や地域に住む多世代、 特に高齢者との結びつきを深める授業を行っている。 その活動の一つに、近年、ユネスコスクールと呼ばれる ESD 教育が取り入れられるようになった。 この活動は国連の主導で進められている。 その活動は「地球規模の問題」「人権」・「異文化理解」・「環境教育」 の基本分野で構成され、 参加者は人と人のつながりの実践によりソーシャル・ キャピタルを学ぶことができる。本研究では、このユネスコスクールに世代間交流プログラムとしての可能性があることを探った。
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