本研究の目的は、大学を拠点とした多世代交流水引講座における地域の子育て世代と中高年世代の体験について記述し、居場所としての機能や世代性への関心が醸成されたかを検討することである。初回、6ヵ月、12カ月の3時点のデータが得られた子育て世代10名、中高年世 代9名を対象とした。参加者の行動から世代間交流は、 同世代の会話から世代を超えた会話、 子どもの存在や成長を喜ぶという内容の深化がみられ、中高年世代の世代性関心尺度の下位尺度である「創造性」 が有意に上昇した (F=3.637,p=0.031)。これらから多世代交流水引講座は両世代の居場所を提供し、互いの世代への関心を育む可能性があることが示唆された。
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