日本世代間交流学会誌
Online ISSN : 2758-5905
Print ISSN : 2185-7946
10 巻
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  • 村山 陽, 山崎 幸子, 長谷部 雅美, 高橋 知也, 山口 淳, 小林 江里香
    2021 年 10 巻 p. 03-13
    発行日: 2021/03/20
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    中高年単身者のメールやSNSを介した多世代関係が、孤立感に及ぼす影響について検討した。オンライン・アンケート調査を行い、50歳から7歳までの単身世帯者 900人を分析対象者とした。年代(50代/60代/70代)ごとに多重ロジスティック回帰分析を行った結果、 多世代との対 面およびメールやSNSの双方に基づく関係 (50代では70代以上との関係、 60代では50~60 代との関係、70代では20~40代との関係) は孤立感と負の関連が示された。こうしたことから、 多世代との対面でのコミュニケーションと併用してメールやSNSの活用することが、 中高年単身者の孤立を軽減する上で有用である可能性が示唆された。
  • 糸井 和佳
    2021 年 10 巻 p. 15-24
    発行日: 2021/03/20
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は、大学を拠点とした多世代交流水引講座における地域の子育て世代と中高年世代の体験について記述し、居場所としての機能や世代性への関心が醸成されたかを検討することである。初回、6ヵ月、12カ月の3時点のデータが得られた子育て世代10名、中高年世 代9名を対象とした。参加者の行動から世代間交流は、 同世代の会話から世代を超えた会話、 子どもの存在や成長を喜ぶという内容の深化がみられ、中高年世代の世代性関心尺度の下位尺度である「創造性」 が有意に上昇した (F=3.637,p=0.031)。これらから多世代交流水引講座は両世代の居場所を提供し、互いの世代への関心を育む可能性があることが示唆された。
  • ‐世代間交流型ボランティアを行う高齢者を対象として‐
    相良 友哉, 高橋 知也, 西中川 まき, 村山 洋史, 藤原 佳典
    2021 年 10 巻 p. 25-32
    発行日: 2021/03/20
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、社会貢献性が高く、世代間交流を伴うボランティア活動を行っている首都圏地域在住高齢者を対象に、 活動頻度が高い高齢者がどのような心理・身体・社会的状況であるか検 討することを目的としている。 2019年10月から11月にかけて、 首都圏で絵本の読み聞かせ活動を行っている9団体の会員へ自記式のアンケート調査を実施し、 295名から有効回答を得 た(回収率:78.9%)。 分析の結果、 多くの会員は、女性、70 歳代、 高等学校卒業までの教育状況、 就労していない人であった。 週に1回以上の高頻度で活動している会員は3割程度であった。 絵本読み聞かせ活動の参加頻度と心身の健康状態との関連性は確認されなかった。 一方 で、絵本読み聞かせ活動の頻度が高いほど地域活動への積極的な参加が見られ、 さらに、 絵本 読み聞かせ活動に対しての責任や使命感を感じている傾向も見られた。
  • ‐高齢者の病と死を子どもたちはどう受け止めたか‐
    百瀬 志麻, 鈴木 仁美, 山口 靖代
    2021 年 10 巻 p. 33-37
    発行日: 2021/03/20
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究ノートでは、幼稚園型認定こども園において、開始から2年以上経過した世代間交流プロジェクトにおける高齢者の病や死という事実について、 高齢者自身や保育現場がどう向き合ったのか報告し、今後の課題を考察する。 一例目は、子どもたちと運動遊びを中心に活動していたサポーター男性の病による一時的な活動中止である。 活動をコーディネートする教師の 定期的な電話サポートによって、自信を取り戻し、また世代間交流に参加することができた。 二例目は、動物について子どもたちと学ぶ活動をしていたサポーター男性の死である。 他界する3か月前まで来園し、積極的に活動していた男性の死をどのように子どもたちに伝え、子どもたちがどのように受け止めたのか、 世代間交流の教育的役割を考察する。
  • ‐乳幼児と中学生のふれ合い体験の実践に着目して‐
    叶内 茜
    2021 年 10 巻 p. 39-47
    発行日: 2021/03/20
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、 中学生と乳幼児の世代間交流である「ふれ合い体験」 について、 企画・実施者の立場である中学校家庭科教員が抱えるふれ合い体験実施上の課題を明らかにすること、および既存のふれ合い体験がどのような内容で行われているのか、 その実態を明らかにすることを目的とした。 若手教員へのヒアリング調査からは、教員自身が幼い子どもとかかわる機会があまりないことや、ふれ合い体験を含む保育学習に関する情報が少ないこと、 教員になった後に保育領域に関する研修等の学習の場が少ないこと、ふれ合い体験先の新規開拓の難しさ等が課題として挙げられた。 Web 上の公開情報を中心に分析した実態調査からは、ふれ合い体験が 「乳幼児施設訪問型」 「地域交流拠点訪問型」 「園児来校型」 「親子来校型」 の4つのパターンに分けられること、それぞれのパターンにみられる具体的な活動内容を明らかにすることができた。
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