脳科学とリハビリテーション
Online ISSN : 2432-3489
Print ISSN : 1349-0044
8 巻
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教育講座
  • 山下 俊英
    2008 年 8 巻 p. 1-6
    発行日: 2008年
    公開日: 2018/10/30
    ジャーナル オープンアクセス
    中枢神経損傷による神経症状の治療を目指した基礎研究は, 近年めざましい発展を遂げた. 特に脊髄損傷後の機能回復を高めるさまざまな治療法が動物実験で試みられており, すでに臨床応用されているものもある. 失われた細胞を補充する細胞治療法や, 破壊された神経ネットワークを再生する治療法, あるいは新しいリハビリテーションの方法などである. さらに, なぜ損傷した中枢神経が再生しにくいのかという基礎的な問題もここ数年間で解明が進んだ. しかしながら, 有効性が示された実験的治療法が, どのように神経機能の回復に結びついたのかについての科学的基盤はいまだ脆弱である. 中枢神経回路の修復機構の解明は, 個々の治療法の効果を適切に評価するためにも不可欠のものであると同時に, 新たな研究分野の開拓に繋がることが期待される. またリハビリテーションは中枢神経回路の修復機構に極めて重要な役割を担っていると考えられ, その科学的基盤の確立は臨床医学の発展に大きな貢献を果たすと期待される.
  • 塩瀬 隆之, 川上 浩司, 片井 修
    2008 年 8 巻 p. 7-13
    発行日: 2008年
    公開日: 2018/11/13
    ジャーナル オープンアクセス
    製造業, 伝統産業, 医療現場を問わず, あらゆる局面の最後にその成否を左右するのは, 円熟したベテランがもつ卓越した技である. この熟練の技が, いま失われようとしている. 2007年問題として知られる団塊世代の大量退職や, 構造的な後継者不足, 慢性的な人手不足を背景に, それら熟練の技を次世代に伝える方法の模索が急務である. しかし, 熟練の技は言葉にすることが難しく, また安易な形式化によりその価値が失われることも危惧される. 翻って徒弟制度やOJT(On the Job Training)に対する期待が高まるものの, 無責任に見習いを現場に放り込むこととの明確な差異を見いだせずにいる. 本稿では, 技能を形式化することの功罪, 徒弟制度の功罪を整理し, 技能継承を成功裏に進めるために, 技能を伝える側/受け取る側のそれぞれが意識すべき点を考察する.
報告
  • 武田 湖太郎, 加藤 宏之
    2008 年 8 巻 p. 15-20
    発行日: 2008年
    公開日: 2018/11/13
    ジャーナル オープンアクセス
    NIRS(Near-infrared spectroscopy)研究において, 計測システム上で分析・描画される結果だけでは十分な評価ができるとは言えず, オフライン上で様々な計測結果の描画ができるソフトウェアが必要である. 我々はこれまでの計測システム上で描画されるような結果だけではなく, 有意水準の描画計測チャネル毎に行う詳細分析とその描画を可能としたソフトウェアを開発した. 本ソフトウェアを用いる事で, 様々な計測デザインの分析やNIRS計測によって得られるデータの再現性確認などを行うことが可能となった.
短報
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