土木学会論文集E
Online ISSN : 1880-6066
65 巻 , 4 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
和文論文
  • 伊藤 祐二, 登坂 敏雄, 櫻井 清一, 末永 充弘, 朝倉 俊弘
    2009 年 65 巻 4 号 p. 419-430
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
     高品質吹付けコンクリート(HQSC)は平成9年から整備新幹線トンネル掘削工事に適用され,その使用箇所はH20年7月現在ほぼ130現場に,適用地域は九州から北海道までと全国にわたっている.したがって,骨材,セメントなど吹付けコンクリート特有の現地調達材料も多様であり,特に細骨材はその材質や物理特性値のバラツキが大きく,HQSCの配合特性から現場間および地域間の施工性能変動の影響が考えられる.本論文は,平成16年から18年までの実績を検討し,トンネル工学研究発表会論文に提出した3編の内容に加えて,平成18年末までの約120現場の施工実績を集約・整理して実態を明確化すると同時に,統計的解析手法を加えて実績データを分析することで,配合要因と施工特性との関係について言及し,課題への対応を検討したものである.
  • 檀 康弘, 伊代田 岳史, 大塚 勇介, 佐川 康貴, 濵田 秀則
    2009 年 65 巻 4 号 p. 431-441
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
     コンクリート構造物が所要の強度・耐久性を保持するためには養生が重要であることは周知の事実である.しかし,養生に関する研究データの多くは強度に関する検討であり,耐久性についてはほとんど論じられていない.近年の環境問題を考慮すれば,今後一層混合セメント使用量の増加が予測されることから,ここでは高炉セメントを使用したコンクリートにおける養生条件と耐久性の関係を実験的に整理した.その結果,強度だけでなく耐久性においても高炉セメント(BB)コンクリートが普通セメント(N)コンクリートと比べ養生の影響を受けやすいこと,湿潤養生期間がNで3日程度以上,BBで5日程度以上とすることで,一定の性能を確保できることを確認した.
  • 大下 英吉, 長坂 慎吾, 倉橋 貴彦, 谷口 修
    2009 年 65 巻 4 号 p. 442-458
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,コンクリート中の鉄筋のみを電磁誘導法により加熱し,熱伝導により変動するコンクリート表面の温度履歴から鉄筋の腐食形状を逆解析により評価可能とする手法を構築したものである.一般に,形状最適化問題では,一つの物体表面のみを制御することに対して,本手法ではコンクリートと鉄筋腐食領域の境界面および鉄筋非腐食領域と腐食領域の境界面という二つの物体境界面を同時に制御可能とした.そして,実験結果との対比により,同定値精度の検討を行なうとともに,その適用性の評価を行った.
  • 小澤 良明, 松井 邦人
    2009 年 65 巻 4 号 p. 459-467
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
     舗装はロードローラーで転圧して構築するため,縦方向と横方向の力学特性が異なることが予測される.特に粒状材では実験的に異方性があることが確認され,その機械的性質を測定することも行われている.そこで,本研究では,舗装を水平面内では等方性,直交する面は異方性で,且つ各層はフォークトタイプの粘性を考慮した多層粘弾性構造としてモデル化している.その表面に衝撃的荷重が作用するとき,舗装内部の任意の点の変位,応力,ひずみを決定できる理論解をHankel変換とFourier変換を用いて誘導している.理論解を用いて応答解析を行い,等方性と比較し異方性の力学特性を明らかにしている.
  • 小澤 良明, 松井 邦人
    2009 年 65 巻 4 号 p. 468-476
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
     舗装を理論的に設計するとき,通常静的解析を行なうことになる.しかし,荷重が一定速度で走行するとき,その応答が静的な応答とどの程度異なるのかを明らかにすることは重要である.そこで,本研究では舗装構造の各層をフォークトモデルとして表し,その表面に矩形領域に等分布する大きさ一定の荷重が等速で走行すると考えて,移動座標系で支配方程式を誘導した.空間領域にFourier変換,時間領域にFFTを用いてその理論解を求め,走行速度と応答との関係,密度と減衰係数が応答に及ぼす影響について検討した.解析結果より走行速度と減衰係数が応答に及ぼす影響は無視できないが,密度は応答にほとんど影響しないことが明らかになった.
  • 島 弘, 市川 大介
    2009 年 65 巻 4 号 p. 477-489
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
     コンクリート構造物の設計や施工において,コンクリートの収縮が拘束されることによるひび割れの発生の有無および発生時期を予測することが重要である.この予測のためには,コンクリートの若材齢における拘束応力下での応力-ひずみ関係を明らかにする必要がある.そこで,本研究では,若材齢でも収縮が拘束できる円環状のコンクリートを内側の鋼管で拘束する試験体を用いて応力-ひずみ関係を測定することを試みた.その結果から,自由収縮ひずみと円環状試験体の鋼管のひずみ変化を測定することによって若材齢において収縮が拘束される応力履歴下での応力-ひずみ関係を求めることができることを明らかにした.また,その時の引張クリープ係数は,拘束度や乾燥開始材齢によらず1∼2となる結果となった.
  • 仁平 達也, 渡辺 忠朋, 滝本 和志, 笹谷 輝勝, 土屋 智史, 原 夏生, 谷村 幸裕, 岡本 大
    2009 年 65 巻 4 号 p. 490-507
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/20
    ジャーナル フリー
     近年の技術基準において,地震時に対する要求性能として,機能の回復を目的とした復旧性が求められている.本研究では,復旧性に対する照査方法の確立を目的として,地震時に損傷したRC部材の修復後の性能評価法に対する検討を,既往の実験結果をもとに実施し,かつ解析的に修復後の部材の性能評価を行なった.その結果,修復後の変形性能は,初期損傷の程度や修復工法によって異なり,かつ,軸方向鉄筋の座屈の有無が重要な閾値となることを明らかにした.また,修復後のRC部材の性能評価法の検討を行い,初期損傷の影響を考慮した修復工法に応じた修復部材の耐力,変形性能の評価方法の提案を行なった.
  • 戸田 勝哉, 星野 富夫, 伊藤 学, 魚本 健人
    2009 年 65 巻 4 号 p. 508-521
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/20
    ジャーナル フリー
     電気化学的測定は,コンクリート内部にある鉄筋の腐食状況を推定する非破壊検査として一般に使われている.しかし,電気化学的測定結果と実際の腐食状況を比較し,その測定精度を検証した事例はまだ多いとはいえない.本論文では,海洋および内陸環境下に暴露した補修を模擬した鉄筋コンクリートの腐食状況を調べ,自然電位,コンクリート比抵抗,分極抵抗などの電気化学的測定結果の精度を確認した.また,鉄筋の腐食面積率および腐食量から推定した腐食速度式と分極抵抗の測定結果から算出した腐食速度の値を比較し,その妥当性を確認した.その結果,腐食が進行している環境では腐食速度の傾向が一致することを確認できた.また,補修後の再劣化のメカニズムを電気化学的測定結果から推定出来ることが確認され,本手法が有効であることが示された.
  • 田所 裕, 佃 有射, 山路 徹, 丸屋 剛, 二羽 淳一郎
    2009 年 65 巻 4 号 p. 522-529
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/20
    ジャーナル フリー
     ステンレス鉄筋のJIS規格鋼種(SUS304-SD,SUS316-SD,SUS410-SD)それぞれの腐食発生限界塩化物イオン濃度を調査する目的で塩害を想定したコンクリート中腐食環境における腐食促進試験を行った.定電位保持による腐食促進によって腐食が発生する場合のモルタル試験体の内在塩化物イオン濃度,および外来塩分の浸透を促進することによってコンクリート中の鉄筋に腐食が発生する場合の塩化物イオン濃度について検討した結果,いずれの試験においても各鋼種の腐食発生限界塩化物イオン濃度は,普通鉄筋の濃度(1.2∼2.5kg/m3)よりかなり高いことが判明し,既往の研究成果とも合わせて,腐食発生限界塩化物イオン濃度を示した.
  • 佐々木 秀幸, 小山田 哲也, 藤原 忠司
    2009 年 65 巻 4 号 p. 530-547
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/20
    ジャーナル フリー
     岩手・青森県境の不法投棄物の一部は,焼却・溶融処理によりスラグ化される.本研究では,不法投棄物を2つの方式で溶融して,スラグ自体の有害性と物性を調べた.その結果,スラグへの金属アルミニウムの残存およびフッ素の溶出等,通常の骨材では見られない問題が確認されたが,適切な溶融条件の見直し等により解決できることが分かった.また,細骨材をスラグで置換したコンクリートの諸性質を調べたところ,徐冷スラグについては,格別の問題が見当たらず,コンクリート用細骨材としての適用性は高いと考えられた.一方,水砕スラグについては,置換による凝結遅延,強度の低下および耐凍害性の低下の問題がみられたが,それぞれの原因を考察し,使用材料や配合等に格別の留意点を設けることで,それらを解決する方法を提案した.
  • 秋山 充良, 内藤 英樹, 小野 潔, 白濱 永才, 松本 大輔, 鈴木 基行
    2009 年 65 巻 4 号 p. 548-563
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/20
    ジャーナル フリー
     電縫鋼管とスパイラル鋼管を用いたコンクリート充填鋼管柱の一軸圧縮実験を行い,らせん状に配置される溶接部 (シーム) が充填鋼管柱の力学的特性に及ぼす影響を検討した.その結果,コンクリートを充填しない無充填鋼管柱では,シームの影響によって最大荷重後の鋼管の局部座屈性状は変化するが,コンクリートを充填したスパイラル鋼管柱では,荷重-変位関係や鋼管の応力状態,コンクリートの圧縮軟化挙動などにシームの影響は見られなかった.また,これらの実験結果に基づき,鋼管からコンクリートに作用する横拘束圧を定式化し,鋼管種別,鋼管の径厚比(=鋼管の外径 /鋼管厚さ)やコンクリート強度の大きさに関わらず,広範な諸元に適用可能なコンファインドコンクリートの平均化応力-ひずみ関係を提案した.
  • 藤倉 規雄, 岩崎 英樹, 福手 勤, 柴田 智, 鈴木 崇伸
    2009 年 65 巻 4 号 p. 564-576
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
     本研究では,地中コンクリート構造物の中性化進行特性について,通信土木構造物を例に評価した.その結果,地中コンクリート構造物は季節変化に伴う緩やかな乾湿繰り返しを受け,その含水状態は表面含水率で把握することができ,乾燥によって地中構造物は一般構造物と同様に中性化が進むことがわかった.この事象を供試体による透気性試験を行い,表面含水率によって大きく変化することを確認した.
  • 林 和彦, 椿 龍哉, 細田 暁
    2009 年 65 巻 4 号 p. 577-588
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
     曲げひび割れは鉄筋コンクリート部材のかぶりの物質移動に悪影響を及ぼす.しかし,表面ひび割れ幅以外の鋼材近傍のひび割れ幅や付着剥離部分などの曲げひび割れの内部構造については十分に把握されておらず,物質移動や鋼材腐食に及ぼす影響も明らかにされていない.また,耐久性の向上を目的としたかぶりの増加がひび割れの内部構造に与える影響も不明確な点が多い.
     本研究では,繰返し荷重とかぶり厚さに着目し,腐食促進実験およびひび割れ損傷の可視化手法を用い,曲げひび割れの内部構造の変化が鋼材腐食へ及ぼす影響を調べた.その結果,荷重の繰返し作用によりひび割れ内部の幅と付着剥離長さが増加し鋼材腐食の開始が早まること,かぶりの増加により内部ひび割れの発生状況が変わり鋼材近傍のひび割れ幅が増加する場合があることがわかった.
  • 青山 敏幸, 関 博, 福手 勤
    2009 年 65 巻 4 号 p. 589-606
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
     外部電源方式による電気防食工法を適用後の鋼材や陽極材の電気化学的特性,陽極材や周辺コンクリートの材料特性,鋼材の機械的特性およびはりの力学的特性の変化について検討することを目的として,室内試験および約10年間にわたるプレテンション方式PC桁の暴露試験を行った.鋼材の電気化学的特性は,腐食した鋼材ほど鋼材界面の環境の改善により変化が大きい傾向にあること,陽極材に過大電流が印加された場合には,陽極材の電位は貴方向に変化し,周辺のコンクリートの材料特性が変化する傾向が認められた.また,暴露期間中の電気化学的測定により防食効果が認められたPC桁は,通電に伴うPC鋼材の機械的特性およびPC桁の力学的特性に変化は認められなかった.
feedback
Top