歩道橋は歩行者が歩行中に支障を感じないように通過できる機能が必要である.この機能に対して,設計時においてはたわみ制限や振動数制限などで歩行者が振動を感じて不快にならない対策が必要である.また,供用中の維持管理に対しては実験や解析的な検討から振動使用性の実態を検証する必要がある.しかしながら,従来から鋼製やコンクリート製の歩道橋に対する多くの研究はあるが,木製歩道橋の振動使用性に関する研究は未だ少ないのが現状である.特に,経年による振動使用性の検討は皆無に近い.
本研究では架設後17年が経過した木製アーチ歩道橋を対象に,実橋での振動実験を実施して振動使用性の実態を検討した.また,過去に3回の振動実験から経年による振動の変化から振動使用性に検討を加えた.さらに,経年による振動使用性と健全度の関係にも考察を加えた.
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