【目的】L-カルニチンは長鎖脂肪酸の代謝と脂肪酸分解によるエネルギー産生に重要な役割を果たしている。一方、静脈・経腸栄養患者では L-カルニチン血清濃度の低下が報告されており、補充の必要性が指摘されている。今回、長期経腸栄養施行患者に対し L-カルニチン配合流動食サンエット
®-SAの投与を行い、血清カルニチン分画の改善と脂質代謝に与える影響について検討した。【対象と方法】長期経腸栄養管理患者11例を対象とし、サンエット
®-SAの投与を行った。サンエット
®-SA投与1ヶ月後、6ヶ月後に血清カルニチン分画(総カルニチン濃度、遊離カルニチン濃度、アシルカルニチン濃度)の分析、身体計測、及び血液生化学検査を実施した。【結果】サンエット
®-SA投与により血清カルニチン濃度(総カルニチン濃度、遊離カルニチン濃度、アシルカルニチン濃度)の有意な上昇とアシルカルニチン /遊離カルニチン濃度比の適正な比率が認められた。また、アルブミン値の増加傾向、及び %上腕三頭筋皮下脂肪厚、AST、ALTの減少傾向が認められた。【結論】長期経腸栄養患者における血清カルニチン分画の改善と L-カルニチン欠乏予防にサンエット
®-SAは有用であることが示唆された。
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