埼玉理学療法
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9 巻, 1 号
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講座
研究と報告
  • 佐藤 泰, 田尻 和行, 三輪 磨理子, 大屋 睦子
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2002 年9 巻1 号 p. 14-18
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/27
    ジャーナル フリー
    脳卒中後遺症患者へ歩行訓練をする際、脳卒中前に和服を愛用していた婦人と肉体労働者とでは、ほぼ同じ脳損傷部位をもっていても筋緊張の分布やそれによる歩行パターンが異なることが臨床的に確認されている。これは過去の習慣的パターンや個人差が筋緊張のγ偏倚に影響を与え、個別の人の表現型として現れていることを示す。今回、我々は入院中の脳卒中片麻痺患者を、脳卒中前に野球経験のあった野球経験者群と非スポーツ経験者群の2群に分け、臨床的に確認されるγ偏倚について、肩関節の可動域·筋緊張の統計的データに基づき、検討を行った。結果より、病前の野球という個別の経験が筋緊張のγ偏倚に影響を与えていたことが検証できた。
  • 赤坂 清和, 高倉 保幸, 草野 修輔, 陶山 哲夫, 高橋 邦泰, 石川 雅樹, 五安城 亜希, 菊池 峰子, 武田 賢二, 松永 広枝
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2002 年9 巻1 号 p. 19-24
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/27
    ジャーナル フリー
    平成10年1月から平成11年12月の24ヶ月間に某市立病院にて大腿骨近位部骨折により理学療法を処方された185例に対して、平成12年10月1日現在の介護保険における介護認定状況と利用状況について郵送によるアンケート調査を実施した。アンケート有効回答者は75例であり、男性20例(平均年齢76.2±7.5才)、女性55例(平均年齢81.3±8.2才)であった。要介護認定を受けていた対象者の内訳は、要介護1は4例、要介護2は6例、要介護3は6例、要介護4は8例、要介護5は4例であった。通所サービスを受けていたのは、22例(29.3%)であり、ショートステイ利用者は8例(10.7%)、訪問サービスは14例(18.7%)であった。訪問サービスの内、身体介護が8例、家事援助が2例、訪問看護が4例であった。また訪問リハ利用者は3例であった。サービス利用者は負担と限度額を意識して安価であるサービスを選択していることが示唆された。福祉機器購入をしていたのは20例(26.7%)で、腰掛便座10例、入浴用椅子6例が多く、福祉機器借り入れは23例(30.7%)で、特殊寝台14例、車椅子10例が多かった。このように日常生活活動における低活動状態を改善し介護しやすい環境を整備する目的で福祉機器が選択されていると考えられた。住宅改修を行っていたのは20例(26.7%)で、手摺り15例、洋式便器9例、段差解消8例が多く、再転倒防止に対する意識が高いことが示唆された。
  • 田口 孝行, 柳澤 健, 新田 收, 久保田 章仁, 井上 和久, 西原 賢, 丸岡 弘, 原 和彦, 藤縄 理, 植松 光俊, 中山 彰一 ...
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2002 年9 巻1 号 p. 25-29
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/27
    ジャーナル フリー
    著明な腹直筋の筋力低下を有した患者に対する筋力増強運動は、体幹部を軽度傾斜させた肢位(半背臥位)を負荷強度調節方法の一つとして用いる場合がある。本研究では、半背臥位で体幹屈曲させた際に生じる腹直筋の筋活動を測定し、徒手筋力測定法(以下MMT)の肢位である背臥位での筋活動と比較し、半背臥位における腹直筋の筋力増強運動方法について検討することを目的とした。対象は若年健常男性8名。方法は20°の半背臥位と背臥位で、MMTの段階2∼5の課題と同様の(1)頸部屈曲位保持、(2)上肢を体前伸展位·(3)上肢を胸前·(4)上肢を後頭部に置いた体幹の屈曲を行わせ、その際の腹直筋の筋活動を筋電図にて測定した。その結果、半背臥位における各運動課題の腹直筋の筋活動は、MMTと同様の上肢の位置を変化させた負荷強度設定を用いた場合、MMTの1∼2段階低い運動課題で生じる筋活動に相当することが示された。このことから、半背臥位で腹直筋の筋力増強運動を行う際に負荷強度設定の目安になると考えられた。
症例検討
  • 菊地 恵美子, 高倉 保幸, 赤坂 清和, 刀根 章浩, 高橋 佳恵, 金山 まゆみ, 草野 修輔, 陶山 哲夫, 高橋 高治, 高橋 邦泰 ...
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2002 年9 巻1 号 p. 30-34
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/27
    ジャーナル フリー
  • 仲林 理子, 高篠 瑞穂, 逸見 裕子, 刈田 淳, 長谷川 芳男, 小菅 弘
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2002 年9 巻1 号 p. 35-39
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/27
    ジャーナル フリー
    高齢者の主な疾患である骨粗鬆症の増加に伴い、脊椎圧迫骨折患者が増加している。安静臥床を保持するだけで骨折椎体は再構築するが、長期臥床により合併症を併発する可能性は高くなる。合併症を未然に防ぐためには早期離床が必要である。そのためには骨折椎体にかかる負担を軽減しなければならない。また、軽微な外傷であっても受傷時より比較的大きな損傷を呈していたり、経過中に椎体の圧潰を生じ遅発性神経麻痺を引き起こすことがある。このような複雑な疾患に対し、当院では受傷時のMRI診断による病型分類と治療法に基き、理学療法を施行している。早期より体幹ギプス固定、および体幹筋の筋力強化を行い、脊柱の抗重力能を補うことで早期離床を可能とし、合併症を予防することができた。しかし、早期に退院が可能となっても患者や家族の不安により入院期間が延長してしまうことが多く、退院に向けての指導が今後の課題として残された。
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