1982年8月23-27日ハンガリイのブダペストで第22回国際錯体化学会議(International Conference on Coordination Chemistry, 略称ICCC)が開かれたとき, 第1日, 23日の午後"大学教育カリキュラムにおける錯体化学"という小さなシンポジウムが行われた。これはこのICCCの常任幹事であるアメリカデトロイトのWayne州立大学のカーシュナー(S. Kirschner)教授が世話人となって開いたもので, アメリカ, ブラジル, オーストラリア, インド, 日本, オランダ, 中国, ソビエトの代表がそれぞれ自国の現状を紹介した。もちろん各国とも大学の数は多く, 発言者は自分の大学の状況を主として話したのであるが, 日本にはあまりよく知られていないことも多いのでここに簡単に紹介することにする。ほぼ発言の順に説明するが, プリントをつくってきて詳しく話をした人もあれば, 簡単な話をしただけの人もあり, 筆者の理解の程度もいろいろである。
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