ここでは, おもに, きわめて精度(静的な)がよいと思われているディジタル測定器の限界を見究めようとする。そして, 結局, 本質的には, それがアナログ測定と同じであることをつきとめる。むしろ, おそいと思われていた応答(それは動的な精度を与える)が, 最近のスイッチの高速化で, アナログ測定よりもすぐれていることにも注意したい。ディジタル測定の第一の特長は, 精度よりもその信号表現法にある。つまり, シンボリックな表現, 符号による信号の表現である。この特長を正当に位置づけるために, ここで, われわれの知識の表現法には三つの手段があるということ(信号表現の三分法)を述べる。われわれそれを計測技術の歴史的な変遷や, 最近の傾向のなかにみる。
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