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クエリ検索: "マルトール"
255件中 1-20の結果を表示しています
  • 姫野 亜里紗, *荻田 信二郎, 加藤 康夫
    日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
    2007年 2007 巻
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/12/13
    会議録・要旨集 フリー
    マルトール
    (3-hydroxy-2-methyl-4-pyrone)は、植物由来の香気成分であり、香料や食品添加物として広く用いられている。最近では、
    マルトール
    -金属錯体が糖尿病の治療薬として有効であることが報告され、医薬の分野で注目されている。しかし、植物内における
    マルトール
    生成のメカニズムや生理学的役割については解明されていない。本研究では、紅葉に伴って葉に大量の
    マルトール
    を生成する、落葉広葉樹であるカツラ(Cercidiphyllum japonicum)を実験材料に用いて、
    マルトール
    生成を制御することを目的とした。
    まず、カツラの紅葉から落葉時期にかけて経時的に葉を採取し、
    マルトールおよび植物内での貯蔵体と推定されるマルトール
    グルコシドの含量をHPLCによって分析した。併せて、糖およびアミノ酸含量についても調べた。次にin vitroでの
    マルトール
    生成系を構築するため、カルス培養法の確立に取り組んだ。カツラの種子を滅菌し、滅菌水を含ませた脱脂綿上で2週間ほど培養することにより、芽生えが得られた。チジアズロンを2μMの濃度で添加した改変1/2MS培地で芽生えを培養することにより、胚軸や子葉からカルスが誘導できた。各種ホルモン、光、温度条件を変化させてカルスを培養し、カルスの緑色化、赤色化および褐色化条件を明らかにすると共に、
    マルトール
    類や糖、アミノ酸含量の変動性を考察した。
  • 伊藤 汎
    日本食品工業学会誌
    1977年 24 巻 9 号 453-458
    発行日: 1977/09/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    前報1)において精糖蜜中に含まれる甘味臭の重要な成分として
    マルトール
    系化合物およびその他の成分の存在を確認し,さらに蔗糖の熱分解により
    マルトールおよびイソマルトール
    の生成することを確認した2)。以上の結果から精糖蜜に含はれる
    マルトール
    系化合物は蔗糖の分解により生成することが考えられるが,精糖工程中における
    マルトール
    系化合物の挙動についてはこれまで研究されていない。
    そこで,精糖工程における甘味奥の変化と
    マルトール
    系化合物の挙動について,原糖および同一原糖由来の各工程リカー,糖蜜,製品および再溶解糖を採取し,官能検査による比較と
    マルトール
    系化合物の工程中における増減の結果から,晶析工程において糖蜜がくり返し加熱されることにより糖が会解し,
    マルトール
    系化合物を生成し,それが糖蜜の甘味臭を増加させていることを確認し,さらにその生成メカ二スムについて,糖蜜工程中で多量に存在する蔗糖,グルコースおよびフラクトースを用いて検討した。
  • *深山 貴文, 森下 智陽, 小南 裕志, 岡野 通明, 吉藤 奈津子
    日本森林学会大会発表データベース
    2020年 131 巻 P1-233
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/07/27
    会議録・要旨集 フリー

    カツラは主に冷温帯の畦畔域などの攪乱跡地に分布する高木で、

    マルトール
    という除草成分を含んだ多くの落葉を周辺に供給する性質を持つ。
    マルトール
    (C6H6O3)は麦芽糖等を熱分解した時に生じる麦芽(Malt)の名に由来するカラメル様の香りの揮発性物質で、この除草効果が草本の被度を低減させ、耐陰性が低い稚樹の更新を助けている可能性がある。カツラの落葉の除草効果が顕著な場合、広葉樹林化施業においてカツラの導入は候補となる。しかし現段階でカツラの詳細な
    マルトール
    放出量は不明であることから、本研究ではこれを評価することとした。はじめにカツラの黄葉を採取して室温に放置し、4日間、24時間間隔で
    マルトール
    放出量を観測した結果、48時間後にピーク放出量が確認された。林床のリターを表層付近の上層と土壌に接する下層に分けて採取し、放出量を比較した結果、下層で前述のピーク放出量と同程度の高い放出量が観測された。さらに同じ樹冠下の斜面上部と下部に各4か所のソイルカラーを設置し、土壌チャンバー法で林床の
    マルトール
    放出量を評価した結果、下部で特に高い放出量が認められ、その放出量に大きな変動特性があることが明らかになった。

  • 再び5-オキマルトールの構造について
    寺田 治, 鈴木 静子, 木下 祝郎
    日本農芸化学会誌
    1962年 36 巻 12 号 984-988
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Gluconobacter cerinusおよびその近縁酢酸菌がブラクトーズから生成する3種のγ-パイロン中さきに(1)イソ麹酸(2)と同定,報告し,その後合成的手段によって5-オキシ
    マルトール
    であることを証明,報告(3)したpyrone-1 (仮称)について,バリタ分解法による構造の再検討をこころみ, pyrone-Iが5-オキシ
    マルトール
    であることを再確認した.
    〔補遺〕著者等の得た5-オキシ
    マルトール
    の赤外部吸収(KBr tablet法)(1,3)と相田等(2)のイソ麹酸の赤外部吸収が6.5~7μ領域に多少の差異を有し,これがおそらく測定法の差によるものであろうことはすでに述べたが(3), Nujol法によって得られる5-オキシ
    マルトール
    の赤外部吸収(第3図)は醗酵,合成両試料ともに完全に相田等の記載に一致する.従って既報(1,3)の諸性質の一致と併せ考えれば,イソ麹酸として報告された物質が5-オキシ
    マルトール
    であることは疑問の余地がない.
    第3図 醗酵および合成5-オキシ
    マルトール
    の赤外部吸収(Nujol法) (I)醗酵による試料(II)合成による試料
    本研究を通じて元素分析は東大農学部農芸化学教室分析室,同応用微研第8研究室および薬学部中央分析,赤外部吸収の測定は薬学部中央分析および当研究所湯浅治郎氏によるものである.また研究の進行中東大名誉教授朝井勇宣博士はじめ多数の方々の御教示を得た,以上の方々に深甚の謝意を表する.
  • 斎藤 祥治, 三木 健, 伊藤 汎, 鴨田 稔
    日本食品工業学会誌
    1984年 31 巻 6 号 423-427
    発行日: 1984/06/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    砂糖類中の
    マルトール
    化合物の定量法を検討し,
    マルトール
    化合物が第二鉄イオンと錯体を形成し,シリカゲルに吸着される性質を利用する前処理法を用いた比色定定量法を確立した。
    本法を利用して各種の砂糖中の
    マルトール
    化合物を定量した。
  • 古在
    東京化學會誌
    1894年 15 巻 332-334
    発行日: 1894年
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
  • 馬場 直道, 前田 尚美, 伊藤 あき子, 岸田 靖弘, 中島 修平, 岩佐 順吉, 宮脇 英昭
    油化学
    1995年 44 巻 1 号 23-29
    発行日: 1995/01/20
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    香料である2- (4-メチル-5-チアゾリル) エタノール (スルフロール) のβ-グルコシドを酵素触媒によるグルコシル基転位反応によって合成した。また, スルフロールのグリセロリン脂質誘導体を酵素触媒による2-リノレオイル-3-ステアロイルホスファチジルコリンからのホスファチジル基転位反応によって合成した。同じく香料の一つである3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン (
    マルトール
    ) のβ-グルコシド及びβ-ガラクトシドを
    マルトール
    とテトラ-O-アセチル-α-プロモグルコース及びテトラ-O-アセチル-α-プロモガラクトースの反応によってそれぞれ化学的に合成した。更に
    マルトール
    のグリセロリン脂質誘導体をジステアロイルグリセロホスファチジン酸二塩化物から化学的に合成した。
  • 液糖の風味付与について(第2報)
    伊藤 汎, 出来 三男
    日本食品工業学会誌
    1978年 25 巻 10 号 549-555
    発行日: 1978/10/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    液糖に香味を付与するにあたり,加熱時間と温度が香味に影響を与えることを明かにした。加熱時間が長くなるにつれて
    マルトール
    化合物量は増加したが,液糖の風味は悪化した。この原因を明かにするために,好ましい香りを生成する最適の条件と最も悪い条件において処理した液糖について,その香り成分の組成と主要成分の含有量との相関を検討した。
    その結果,甘味香に寄与している
    マルトール
    化合物は加熱処理のごく初期の段階から生成しており,いっぽう,不快なこげ臭や苦味を呈する成分の生成は,加熱処理の比較的後期から始まっている。そのために,不快臭の生成が始まる段階においては,すでに
    マルトール
    化合物は十分に香りを感ずる量にまで達していることがわかった。さらに,不快臭の生成は5-ヒドロキシメチルフルフラールの相対量比の減少と関連していることが認められた。そこで,加熱処理液糖の
    マルトール
    化合物量を測定すること,およびカルボニル化合物区分のガスクロマトグラムのピークが5-ヒドロキシメチルフルフラール以外にほとんど存在しないことをチェックすることにより,こげ臭や刺戟臭および苦味などを含まない,風味のよい液糖をつくることができることを認めた。
  • 新γ-パイロン化合物, 5-オキシマルトールの生成
    寺田 治, 鈴木 静子, 木下 祝郎
    日本農芸化学会誌
    1962年 36 巻 7 号 623-628
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Gluconobacter cerinusがフラクトーズから生成する3種のγ-パイロン中さぎに(4)イソ麹酸として報告したものが,新γ-パイロン, 5-オキシ
    マルトール
    (3,5-dioxy-2-methyl-pyrone-1,4)であることを証明した.これに基づぎさきに提案したフラクトーズからのγ-パイロン化合物の生成経路を一部訂正,完成した.
  • 斎藤 祥治, 伊藤 汎
    日本農芸化学会誌
    1977年 51 巻 11 号 639-641
    発行日: 1977年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    γ-パイロン化合物がFe3+イオンと錯体を形成し,赤黄色を呈することを利用して,
    マルトール
    による鉄の比色定量法を確立した.本法はO-フェナントロリン法,原子吸光法と比較して感度は若干低いが,還元剤を使用しないので,操作は簡単であり,工場の日常管理分析に十分使用できる.
    本研究に際し,種々の御助言を賜った当研究所安藤孝尚氏,鴨田稔博士,ならびに三木健氏に謝意を表します.
  • 高石 清和, 河原 有三, 池辺 克彦
    YAKUGAKU ZASSHI
    1973年 93 巻 11 号 1538-1542
    発行日: 1973/11/25
    公開日: 2008/05/30
    ジャーナル フリー
    Maltol and sugars in the leaves of Cercidiphyllum japonicum were examined and the presence of maltol (1.8-2.3%), fructose (2.6%), glucose (3.0%), and sorbitol (1.1%) was confirmed. The high amount of sugars was correlated to the amount of maltol all the year. This correlation is interesting from biosynthetic point of view, since it has been expected that maltol is synthesized from a sugar.
  • 安達 祐介, 吉田 治郎, 小寺 幸広, 加藤 明良, 桜井 弘
    微量栄養素研究
    2003年 20 巻 101-104
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2022/07/20
    ジャーナル フリー

    Since the finding of insulinomimetic effect of zinc(II) ions, several insulinomimetic zinc(II) complexes have been proposed. Previous studies reported an extremely high inulinomimetic activities of zinc(II) complex with maltol ligand in in vitro and in vivo evaluations. Then we estimated insulinomimetic activities of zinc(II) complexes using several types of maltol ligand. In vitro insulinomimetic activity of zinc(II) complexes was estimated by inhibitory effect on free fatty acid (FFA)-release from the isolated rat adipocytes treated with epinephrine (adrenaline). Insulinomimetic activity of zinc(II) complex with allixin, [Zn(alx)2]. was higher than those of ZnSO4 and other complexes. Moreover, Zn(alx)2 complex reduced the high blood glucose levels of type 2 diabetic KK-Ay mice. Based on these results, Zn(alx)2 complex is proposed to be a potent therapeutic agent to treat type 2 diabetes mellitus.

  • 久保田 和彦, 加来 天民
    YAKUGAKU ZASSHI
    1962年 82 巻 10 号 1456-1457
    発行日: 1962/10/25
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
    From the putrified urine of rabbits, needle crystals, m.p. 160-161° has been isolated and it was identified to be maltol.
  • 小林 彰夫, 王 冬梅, 山崎 美保, 巽 規子, 久保田 紀久枝
    日本食品科学工学会誌
    2000年 47 巻 8 号 613-618
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    (1) 豆腐香気成分の捕集法として,ポーラスポリマービーズ充填カラムによる吸着とエーテルによる脱着が有効であった.
    (2) 国産大豆3種,米国産大豆1種から同様な条件で豆腐を調製しその香気組成と官能評価を比較した結果,エンレイ,フクユタカの高い評価には
    マルトール
    の増加による甘い風味が関連すると考えられる.
    (3) 豆腐製造中の加熱温度条件として,磨砕時の温度および磨砕後の温度上昇速度について検討した.前者についてはっきりした違いは認められなかったが,後者では緩慢な上昇が風味の増加に寄与しており香気成分としては,ヘキサノール,
    マルトール
    が増加していたことから,これら2成分が風味の向上に寄与しているものと思われる.
  • 麦茶の揮発性モノカルボニル化合物について
    清水 康夫, 松任 茂樹, 伊東 保之, 岡田 郁之助
    日本農芸化学会誌
    1969年 43 巻 4 号 217-223
    発行日: 1969年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    麦茶香気抽出物に,2,4-dinitrophenylhydrazine塩酸溶液を加えると特徴ある香気の一部が消失し,香気の変化することを知った.麦茶香気のカルボニル化合物を2,4-DNPHとして捕集し,ガスクロマトグラフで検索を行ない,14個のピークを認めた.このピークを指標として,カラムおよび薄層クロマトグラフィーによりこれら誘導体の単離を行ない, methanal, ethanal, 2-methylpropanal, propanone, 2-methylbixtanal, 2-butanone, 3-pentanone, 2-methyl-3-pentanoneの2,4-DNPHおrよびfurfural, 5-methyifurfuralのsyn型およびanti型2,4-DNPHを合せ12個の成分を単離同定した.
    2-Methyl-3-pentanoneはmentholようの香りをもち,うすいときには甘い香りと味をもち,麦茶の香味を特徴づける物質の1つと思われる.furfuralおよび5-methylfurfuralは桂皮アルデヒドようの香りをもち,その他のalkanalとともに麦茶香気に関与し,さきに報告した酸性部香気である
    マルトール
    ,イソ
    マルトール
    ,バニリン,およびフェノール類縁物質などとともに麦茶の香気を構成するものと思われる.
  • 有馬 啓, 桜井 勇平, 伊崎 和夫
    日本農芸化学会誌
    1968年 42 巻 3 号 103-108
    発行日: 1968年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) No. 189株はPseudomonasに属する1菌株と考えられる.
    (2) No. 189株を37°Cで好気的に培養を行なったところ,2種類のγ-pyrone化合物を培地中に蓄積することを認めた.
    (3) No. 189株が培地中に蓄積する2種類のγ-pyrone化合物はぺ-パークロマトグラム,薄層クロマトグラム,赤外部吸収スペクトラム,紫外部吸収スペクトラム,および混融試験等の結果から,Compound-Iはコメン酸,Compound-IIは5-オキシ
    マルトール
    と同定した.
    (4) No. 189株によって培地中に生成する有機酸はペーパークロマトグラムより2-ケトグルコン酸であることを認めた.
  • 田澤 英二郎, 加野 博之, 松本 苗緒, 村上 正人
    日本食生活学会誌
    2018年 29 巻 1 号 45-52
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー

     “Adzuki Ann” prepared from Adzuki beans is a popular paste (Ann), which is generally used in Japanese confectionery. In product development and quality control, it is necessary to perform quantitative evaluations using sensory evaluation and chemical analyses. However, few studies have examined the most appropriate methods for assessing the flavor of Adzuki Ann. Therefore, in this study, we focused on the flavor of Adzuki Ann, defined “deliciousness” of Adzuki Ann (Tsubu Ann type; paste with remaining grains), then optimized the method for sensory evaluation, and identified aroma compounds contributing to the flavor.

     As a result of sensory evaluation of Adzuki Ann used for preparing Dorayaki sweets available in commercial markets, we clarified that Adzuki Ann, which is recognized as “delicious” popularly, has “moderate sweetness and rich Adzuki flavor”. This accorded with the definition of delicious Adzuki Ann flavor. Additionally, sensory evaluation scores of Adzuki flavor showed a strong correlation with maltol and cyclotene content which are important aroma compounds contributing to Adzuki flavor. In particular, as a result of the addition of cyclotene to Adzuki Ann, sensory evaluation scores of Adzuki flavor decreased significantly. This suggests that cyclotene may be an inhibitor of Adzuki flavor.

  • *人見 将也, 秋澤 文香, 藤原 咲春, 土岸 広治, 近藤 聡志, 山下 八洋, 木本 浩貴, 諸木 孝泰, 井上 裕基
    日本毒性学会学術年会
    2022年 49.1 巻 P-176
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/25
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】亜鉛は生体にとって必須な微量元素であり,亜鉛不足により味覚障害等の影響が生じる。この対処法として,亜鉛錯体による亜鉛補給が利用されている。また,亜鉛錯体は亜鉛補給だけでなく,抗酸化作用及び肝臓保護作用などの薬理学的作用も有することが報告されている。一方で,亜鉛は過剰摂取により膵毒性等が生じることが知られており,亜鉛錯体による過剰な亜鉛補給により,毒性が生じる可能性が考えられる。しかし,亜鉛錯体の毒性情報は殆どなく,詳細は不明である。そこで本研究では,代表的な亜鉛錯体であるジンク

    マルトール
    (ZM)を雄ラットに4週間反復経口投与し,毒性評価を行った。【方法】雄性SDラットにZMを0,200,600及び1000 mg/kg/dayの用量(各群5例)で4週間反復経口投与し,全身毒性を評価した。【結果・考察】1000 mg/kg/dayにおいて,膵炎様の病理所見(腺房細胞萎縮,間質の線維化,単核細胞の浸潤,単細胞壊死),白血球パラメータの増加(白血球数,好中球,リンパ球)及びクレアチンキナーゼの増加が認められた。さらに,赤血球パラメータの減少(赤血球数,ヘモグロビン,ヘマトクリット,平均赤血球容積,平均赤血球ヘモグロビン)が認められ,貧血への適応反応と考えられる脾臓の髄外造血の病理所見及び網状赤血球の増加傾向が認められた。また,血漿中鉄及び銅濃度が減少した。以上より,ZMの4週間反復経口投与により,1000 mg/kg/dayの用量で膵炎及び貧血が認められ,雄ラットにおけるZMの無毒性量(NOAEL)は600mg/kg/dayと考えられた。

  • (第4報)加熱に伴う揮発性カルボニル化合物の生成における味噌成分の役割
    岩渕 せつ子, 佐藤 光子, 柴崎 一雄
    日本食品工業学会誌
    1977年 24 巻 2 号 65-71
    発行日: 1977/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 仙台味噌浸出液を限外濾過,イオン交換樹脂により吸着区分と非吸着区分に分画し,これらのフラクションの揮発性カルボニル生成に対する役割について検討した。
    (2) 吸着区分と非吸着区分を単独で加熱した場合, (i)生成されるカルボニル量は吸着区分/非吸着区分=約3/2の比率であった, (ii)定性的に,吸着区分からアミノ酸由来のアルデヒドが,非吸着区分(AbおよびAb′)から糖由来のフルフラールが検串された, (iii)吸着区分からアルデヒドの生成する反応は長時間にわたって進行したが,非吸着区分からフルフラールの生成する反応は短時間で停止した, (iv)吸着区分から肉汁様香気が,非吸着区分のうちAbから
    マルトール
    様の甘い香気が生成した。さらにAbとAb′の挙動の相違から,
    マルトール
    様香気の前駆物質が3-DG区分(Ac)に存在していると考えられた。
    (3) 吸着区分と非吸着区分を再混合した系を用い,AbとAb′の役割を比較検討した結果, (i)揮発性カルボニル生成量,着色,加熱香気の生成などの点でAbがAb′を上回ったことから3-DG区分(Ac)の役割が重要であること,また(ii)3-DGの消長とフルフラール生成との相関から味噌の加熱に伴う現象を把握する上で3-DGを指標とすることが有効であることを示唆した。
  • 松下 洋一, 菅本 和寛, 日高 健一, 松井 隆尚
    日本化学会誌(化学と工業化学)
    2002年 2002 巻 3 号 385-391
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/03/05
    ジャーナル フリー
    スギ(Cryptomeria japonic D. Don)辺材木粉からKlasonリグニン,α-セルロースおよびヘミセルロースをそれぞれ分離した.スギ辺材と分離した構成成分の熱重量分析(TG)と示差熱測定(DTA)を行い,熱分解開始温度が辺材で258 °C,Klasonリグニンで342 °C,α-セルロースで280 °C,ヘミセルロースで153 °Cとなることがわかった.スギ辺材と分離した構成成分を400 °Cで炭化して得られた木酢液を毛管GC分析した結果は,メタノール,ピロカテコールおよびグアイアコール類がリグニンから,シクロテンおよび
    マルトール
    がセルロースから,フラン類がセルロースとヘミセルロースから,および酢酸が3種の構成成分から由来することを示唆する.スギ辺材を炭化温度と保持時間を変えて炭化して得られた木酢液の成分組成の分析から,250 °C · 保持6時間でフラン類と
    マルトール
    の生成が終結し,300 °Cでピロカテコールやグアイアコール類の生成が活発になることがわかった.この結果は,スギ辺材では,ヘミセルロースやセルロースの熱分解が250 °Cで活発になり,リグニンの熱分解は300 °C付近になってから活発になることを示唆する.
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