本研究では超臨界CO
2 中に溶解したp-nitroaniline(PNA)が示すソルバトクロミズムを、フラグメント化の手法を基とした量子化学および第一原理分子動力学計算により、理論的に調査した。従来、PNA に対する CO
2の効果は、PNA の π-π* 遷移を長波長シフトさせるのみであると考えられてきた。だが、CO
2 の配向によっては、短波長シフトさせる効果もあり、各 CO
2 が PNA に与える効果は加算的であることが分かった。また、MD の結果からトラジェクトリーを詳細に調査したところ、CO
2 分子が四極子を持ちながら、分子が小さいため容易に回転することができ、時々刻々とPNA に対しCO2 が様々な配向をとる様子がうかがえた。
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