福島県谷地平湿原における第2位の優占ササラダニ種であるホソミズコソデダニ
Limnozetes ciliatus (Schrank, 1803)の生活環を明らかにするため,野外調査および飼育結果から解析した.本種は,単為生殖で少数卵を数日間隔で1個ずつ産卵する卵生である.飼育下の最大産卵数は25℃での11卵であった.後胚子発生において,背毛数は12-15-15-15-10(対),性毛数は0-2-4-6-7(対)と変化した.また,飼育中は1日に最大29個の糞を排出し,150日間の最大糞数1,528個から計算された体積0.195 mm
3は,生息地における本種の高密度を考慮すると腐食物の分解に及ぼす貢献度において決して無視できるものではないものと推察した.
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