日本ダニ学会誌
Online ISSN : 1880-2273
Print ISSN : 0918-1067
ISSN-L : 0918-1067
17 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
原著
  • 栗城 源一
    2008 年 17 巻 2 号 p. 75-85
    発行日: 2008/11/25
    公開日: 2008/12/26
    ジャーナル フリー
    福島県谷地平湿原における第2位の優占ササラダニ種であるホソミズコソデダニLimnozetes ciliatus (Schrank, 1803)の生活環を明らかにするため,野外調査および飼育結果から解析した.本種は,単為生殖で少数卵を数日間隔で1個ずつ産卵する卵生である.飼育下の最大産卵数は25℃での11卵であった.後胚子発生において,背毛数は12-15-15-15-10(対),性毛数は0-2-4-6-7(対)と変化した.また,飼育中は1日に最大29個の糞を排出し,150日間の最大糞数1,528個から計算された体積0.195 mm3は,生息地における本種の高密度を考慮すると腐食物の分解に及ぼす貢献度において決して無視できるものではないものと推察した.
  • 大空 鷹介, 矢野 修一
    2008 年 17 巻 2 号 p. 87-92
    発行日: 2008/11/25
    公開日: 2008/12/26
    ジャーナル フリー
    半数倍数性の性決定様式を持つナミハダニ雌成虫は未受精では雄しか産めないため,未受精雌の受精を早めるような適応が見られるかもしれない.母子交配が可能なナミハダニでは,この適応が息子の形質にまで影響している可能性がある.そこで,母親の受精の有無が息子の形質に与える影響について,1)母親を早く受精させるため,未受精雌の長男は(受精雌の長男より)早く成長するか,2)未受精雌の息子と受精雌の息子で雌を獲得する能力に差異があるか,3)未受精雌の息子と受精雌の息子で分散性に差があるか,の3つの仮説を検証した.その結果,母親の受精の有無という産卵前の母性効果も,母親が同居したかどうかという産卵後の母性効果も,認められなかった.一方,未受精雌の息子の方が受精雌の息子よりも先に雌をガードすることが多かった.また,分散性も未受精雌の息子の方が高かった.これは,受精雌の息子に比べて未受精雌の息子の周囲にはより低い雌比が予測されるため,未受精雌の息子が雌の探索やガードにより多くのコストを割いている結果だと考えられる.
  • Mohammad Ali AKRAMI, Luis S. SUBÍAS
    2008 年 17 巻 2 号 p. 93-99
    発行日: 2008/11/25
    公開日: 2008/12/26
    ジャーナル フリー
    Two new species of oribatid mites belonging to subfamily Multioppiinae Balogh, 1983 of the family Oppiidae Sellnick, 1937, Ramusella (Insculptoppia) iranica n. sp. and Ramusella (Rectoppia) damavandica n. sp., are described from Iran.
短報
feedback
Top