目的:特定被災地域で働く精神科病院の看護師を対象に,アロマテラピー・トリートメント(介入群),キャリアオイルのみのトリートメント(対照群)に分け,Profile of Mood States-Brief Form Japanese Version(以下:POMS短縮版)を用いて気分変化の検証を行った。
方法:POMSはアロマテラピーの直前,直後,1日後,2日後に測定した。採点は6項目ごとに標準化(以下:T得点)に算出し解釈した。気分障害の大まかな指標として,Total Mood Disturbance(以下:TMD得点)を用い,1要因の分散分析で解釈した。
結果:6項目のT得点変化から,両群は抑うつ患者に見られる「谷型」を示し,特に「疲労」が強いことが明らかとなった。TMD得点を見ると,対照群は1回目と2回目に有意差を認めた(p<0.001)のに対して,介入群は1回目と2回目(p=0.029), 1回目と3回目(p=0.047)に有意差を認め,アロマテラピー・トリートメントの効果は3回目(2日後)まで持続したことが認められ,その効果はキャリアオイルのみのトリートメントよりも持続性があることが示唆された。
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