酸化物燃料の高燃焼度化やプルサーマルの推進により、燃料中のTRU元素の生成量は増加する。これらの酸化物燃料の特性変化を定量的に評価するためには、TRU酸化物の熱膨張、比熱、熱伝導率等の基本的な熱物性を取得していくことが重要であると考える。そこで、TRU酸化物の一つであるAm酸化物の焼結体を調製し、レーザフラッシュ法により熱拡散率を測定した。Am酸化物の熱拡散率は温度の上昇と共に減少し、1173 Kと1273 Kの間で熱拡散率の不連続な減少が観察された。この不連続な減少は相変態による影響と推察される。測定後の試料のO/Am比は1.73であった。一方、AmO
2とAm
2O
3の比熱の推測値を用いて熱伝導率を算出し、Schulzの式を用いて理論密度におけるAm酸化物の熱伝導率を評価した。理論密度におけるAm酸化物の熱伝導率の評価値は1173 Kまでの温度領域において、温度と共に減少する傾向を示し、UO
2及び(U
0.8Pu
0.2)O
2の値よりも小さい値であることがわかった。したがって、燃料中のAmの増加は、燃料の熱伝導率を低下させる方向に作用することが本結果により明らかとなった。
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