ササラダニ類の完可折群前幼生に関する形態学的調査をツルギイレコダニ
Phthiracarus clemens clemens AOKI, 1980について行った。イレコダニ科は, 完可折群の中で最も多くその前幼生が報告されているが, 詳細な形態学的知見は少ない。本研究で, イレコダニ科の前幼生は属レベルにあってもあまり差異のないことがわかった。これは, それだけこの科における均質性を裏づけるものである。完可折群内の他の前幼生について通覧してみると, その形態学的特徴を基礎に3つの異なるタイプに分割でき, しかもこれが成体を基礎にした従来の分類と対応していることがわかった。つまり, それぞれの科, 特にイレコダニ科, タテイレコダニ科, ヘソイレコダニ科の標徴そのものと考えられる。
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