日本各地から得られた多数の標本を検討した結果, 11種の
Neoscona 属クモ類の生息を確認した.
N. theisi (Walckenaer, 1841) ホシスジオニグモ,
Neoscona adianta (Walckenaer, 1802) ドヨウオニグモ,
N. nautica (L. Koch, 1875) イエオニグモ,
N. subpullata (Bösenberg et Strand, 1906) ヘリジロオニグモ,
N. mellotteei (Simon, 1895) ワキグロサツマノミダマシ,
N. scylloides (Bösenberg et Strand, 1906) サツマノミダマシ,
N. scylla (Karsch, 1879) ヤマシロオニグモの7種が現在まで日本産の
Neoscona 属のクモ類として認識されていた. これらの種について再検討の結果, 全て
Neoscona 属に所属させるべきものであることを再確認した.
N. punctigera (Doleschall, 1857) コゲチャオニグモと
N. vigilans (Blackwall, 1865) アカアシオニグモについては,
Afraranea 属として扱われたり,
Araneus 属に残されたりしてきたが, 検討の結果,
Afraranea 属は
Neoscona 属の新参シノニムとして扱うことが妥当であるとの結論に達したので, この2種をあらためて
Neoscona 属として扱った. 対馬から得られた標本は中国から記載された
N. minoriscylla Yin
et al., 1990 ヤスダオニグモ (新称) であることを確認した. また, 奄美大島から得られた1新種を
N. amamiensis アマミオニグモと命名して記載した.
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