柔道選手において6RM法によるベンチプレス・トレーニングを実施した場合の,トレーニング重量からの1RM推定式の作成を試みた。被験者は60kg級,66kg級,73kg級からなる軽量級11名,81kg級,90kg級からなる中量級11名,100kg級,100kg超級からなる重量級11名の計33名とした。本研究のプログラム実施期間中、怪我等のためトレーニングおよび1RM測定が継続できなかった者はデータから除外した。そのため,統計的分析は軽量級6名,中量級7名,重量級5名の計18名のデータについて行った。主な結果は以下の通りである。1.RMおよび1剛重量は,体重の増加に伴って比例的に増加し,両者ともに軽量級<中量級<重量級の順で高かった。2.6RM/BW, 1RM/BWは,体重の増加に伴って比例的に低下し,両者ともに重量級<中量級<軽量級の順で高かった。体重と6RM/BW,体重と1RM/BWの間には,それぞれr=-0,626(p<0.01), r=-0.517 (p<0.05)の関係が認められた。3.6RMと1RM, 6RM/BWと1RM/BWの間には,比例関係がみられ,それぞれr=0.947 (p<0.001), r=0.862 (p<0.001)の正の相関が認められた。4.6脳と1RMの関係から得られた回帰式に基づき,1RM推定値=1.2408×6RM重量(kg)-6.7028の関係式が求められた。また,6RW/BWと1RM/BWの関係から得られた回帰式に基づき,1RM推定値=1.0494×6RM重量(kg)+0.1688×体重(kg)の関係式が求められた。
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