近年,水環境をとりまく問題として,水資源および処理水の再利用という観点からその安全性が一層求められるようになってきている。特に,都市河川を含めた水系にあって,下水道の未整備地域からの汚濁排水の流入は,求められる水質の確保には,それ相当の資本の投入と技術を要することを覚悟しなければならない。当木更津市中央を流れ,東京湾に注ぐ中小都市河川は近隣市への水道水源としての重要な役割を担っており,また"水に触れ,水に親しめる"機能をも期待されている。しかし,これらの期待される機能とは逆に,都市化の進行から水質汚濁が一層進んでおり,水質学的な安全性と改善が求められている。また,このような状況の中で水環境にとって,現在微生物学的な安全性の指標とされている大腸菌群について,その適否が改めて議論されるようになってきている。即ち,大腸菌群の水環境における消長等が明らかにされつつあるなかで,今まで行ってきた。中小都市河川の理化学的,生物学的水質調査から,底泥や浮遊物に吸着している大腸菌群の適正な評価が十分され得なかったり,大腸菌群の増殖にとって栄養源ともなる有機物との関連性等を把握することが,指標性という観点からより重要であることがわかった。そこで,本研究では,水系における底泥〜土壌を使って純粋培養した大腸菌 E.coli Bを吸着させ,更に分離試験を行った。
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