近年,多自然型川づくりが行われてきており,河岸ではコンクリート護岸の換わりに,柳技工や蛇籠等を組み合わせて河川環境にも配慮するようになってきている.また,多くの試みにより景観に配慮した川づくりが実施されている.本研究は河川の周囲の景観を考慮して,水面下に水制構造物を挿入することで,湾曲部を通過する流線に方向変化を生じさせ,湾曲による流れの影響を緩和することを目的に実験を重ねている.model実験の結果より,湾曲部に水制構造物を挿入することで,湾曲部を通過する流線の方向変化に対して有効に作用することが判明している.また,model実験の結果を踏まえ,実河川についても実験を行い,流線の方向変化について有効に作用する水制構造物の大きさ,挿入位置など幾つかの実証ができた.今回,さらに流線の方向変化が有効に作用するよう,水制構造物をdoubleにして実験を行い,過去2年間にわたって得られた結果を踏まえ,調査対象区域に挿入した水制構造物の有効性についてまとめた.
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