近年,多自然型川づくりが行われてきており,多くの試みにより河川環境あるいは景観に配慮した川づくりが実施されている.本研究は河川の周囲の景観を考慮して,水面下に水制構造物を挿入することで,湾曲部を通過する流線に方向変化を生じさせ,湾曲による流れの影響を緩和することを目的に実験を重ねている. 同一曲率内に水制構造物を挿入して実験を行った結果,河川湾曲部に水制構造物を挿入する場合,singleで挿入するよりもdouble で挿入する方が流線の方向変化に対し有効に作用する.また,挿入する水制構造物の間隔は,長いほうが有効であり,水制構造物のおよそ5倍程度である.しかし,挿入による流線の乱れも大きくなることが判明した.なお,水制構造物の挿入位置は湾曲部の下流およそ63%程度である.本研究は同一曲率内で行った実験結果を踏まえ,河川湾曲部の曲率を変えて実験を行い,同一曲率で行った実験結果と同様に,水制構造物挿入による有効性が得られるか検討した結果を報告する.
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