蘚苔類研究
Online ISSN : 2424-2624
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7 巻, 12 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 長谷川 二郎
    原稿種別: 本文
    2001 年 7 巻 12 号 p. 373-377
    発行日: 2001年
    公開日: 2018/07/03
    ジャーナル フリー
    中南米に分布するPhaeoceros fimbriatusと非常によく似たニワツノゴケ属の植物を東南アジア産の新種Phaeoceros foveatusとして記載した.この新種は,P.fimbriatusとともに,胞子の遠心極面が規則的に配置された凹部の存在によって網目状になるという顕著な特徴を有しているが,P.fimbriatusからはその凹部の数が異なることによって区別することができる.P.foveatusは,フィリピン,ボルネオ,スマトラに分布することが確認されたが,これらのいずれの産地においても低地ではなく,標高1100mから3100mの山地で見つかっている.このことは,P.foveatusは生育地の特徴においても,中南米の標高の高い場所に生育しているP.fimbriatusと類似していることを示している.これらの事実から判断して,P.foveatusとP.fimbriatusはそれぞれ,東南アジアと中南米の熱帯地域の高地に隔離された近縁の種であると考えられる.なお,P.fimbriatusはこれまでコロンビアとコスタリカからしか知られていなかったが,今回,エクアドルにも分布していることを確認したので,併せて報告する.
  • ミューラー フランク, アーツ テオ, 山田 耕作
    原稿種別: 本文
    2001 年 7 巻 12 号 p. 378-380
    発行日: 2001年
    公開日: 2018/07/03
    ジャーナル フリー
    Radula fulvifoliaはHooker f. and TaylorによってSt.Helena島から得た資料に基づいて記載されて以来,St.Helena島以外から150年以上も記録されたことがなかった.T.Artsは南アフリカとレユニオン島で,F.Mullerはアフリカ西海岸のコートジュボアールで共に本種を発見したので新産地として発表する.また,本種にはCastle(1966)によって記載文と図が与えられているが十分とは云えないため,1995年にSt.Helena島で採集された標本に基づいて,その特徴を記載・図示した.
  • 古木 達郎, 太田 正文
    原稿種別: 本文
    2001 年 7 巻 12 号 p. 381-384
    発行日: 2001年
    公開日: 2018/07/03
    ジャーナル フリー
    フソウツキヌキゴケCalypogeia japonica Steph.はFaurieの標本に基づき,1924年にStephaniによって新種として記載された.しかし,その後長い間,この種について言及した論文はなかった.井上(1966)は,本種の正基準標本が見当たらないとして,Uematsuが採集したStephaniの同定による標本を新基準標本として指定した.しかし,その分類学的な検討を十分には行っておらず,現在まで不明種として扱われてきた.そこで,本種を分類学的に検討した.まず,基準標本からは以下のことが判明した.1.ジュネーブ市立植物資料館(G)においてStephaniの採集品を再検討したが,正基準標本は見つからなかった.2.正基準標本の採集産地はStephaniのイコネスにDakeと書かれており(Stephani 1985),Faurieの足跡から青森県岩木山の麓にある岳(または嶽)である.3.Uematsu(植松栄治郎)の採集による新基準標本(G-9720)の採集産地は不明である.しかし,土の上に生育していたもので,アカウロコゴケNardia assamicaが混生していることから低地で採集されたものであろうと推論できる.4.新基準標本の植物体の形態は以下の特徴を持つ:(1)無性芽を豊富につけている.(2)葉は円頭である.(3)葉の細胞は中央部で35-50×27-32μm,薄壁である.(4)腹葉は逆U字形に茎につく.(5)腹葉は2裂し,側縁は全縁である.(6)腹葉基部は長く沿下し,その細胞は細長くなる.(7)土の上に生育していた.5.新基準標本の特徴はStephaniによる記載や図と一致し,井上(1966)の新基準標本の指定は支持できる.次にフソウツキヌキゴケの分類学的な正体を探るために,上記の基準標本の内,最も産地が限定できる正基準標本の採集地である岳において調査した.岳で生育が確認された種は次の通りである:チャボホラゴケモドキC.arguta,タカネツキヌキゴケC.neesiana subsp. subalpina,トサホラゴケモドキC.tosana,ツクシホラゴケモドキC.tsukushiensis.これら4種の中で,ツクシホラゴケモドキは,C.japonicaの基準標本と特徴が一致することが判った.ツクシホラゴケモドキはAmakawa(1958)によって九州から記載された.井上(1966)はツクシホラゴケモドキの腹葉は沿下しないとしているが,基準標本を調べた結果,これは誤りであることが判明した.また,葉の細胞の形や大きさに違いがあるとしているが,これについても差がないことが判った.すなわちフソウツキヌキゴケとツクシホラゴケモドキの特徴は一致し,同種であるとの結論に達した.従って,C.tsukushiensis AmakawaをC.japonica Steph.の同種異名にすることを提唱する.なお,和名は飯柴(1930)によって命名されており,昔,中国で日本を指す言葉であった「扶桑」を意味し,学名の種小名であるjaponicaに由来している.
  • 古木 達郎
    原稿種別: 本文
    2001 年 7 巻 12 号 p. 385-387
    発行日: 2001年
    公開日: 2018/07/03
    ジャーナル フリー
    Microlejeunea ponapensis Horik.はカロリン諸島から新種記載されたクサリゴケ科の苔類である(Horikawa 1936).本種はその後,Miller et al.(1963)によってサンカクゴケ属Drepanolejeuneaに移され,現在に至っている.今回,本種の基準標本を見出すことはできなかったが,Horikawa(1936)の記載や図33によく一致する標本を再検討することができた.その結果,花被の直下から出るinnovation(新枝)の葉序から,本種はクサリゴケ属Lejeuneaであることが分かった.また,葉が鋭頭になり,腹葉が舌状になる特徴はジャワ島から記載されているサンカクゴケモドキLejeunea exilis(Reinw., Blume et Nees) Grolleとよく一致し,この2種は同一種であることを確認した.よって,M.ponapensisをサンカクゴケモドキL,exilis(Reinw., Blume et Nees) Grolleの異名とした.
  • 水谷 正美
    原稿種別: 本文
    2001 年 7 巻 12 号 p. 388-391
    発行日: 2001年
    公開日: 2018/07/03
    ジャーナル フリー
  • 湯澤 宏惠, 樋口 正信
    原稿種別: 本文
    2001 年 7 巻 12 号 p. 391-392
    発行日: 2001年
    公開日: 2018/07/03
    ジャーナル フリー
  • 山口 富美夫
    原稿種別: 本文
    2001 年 7 巻 12 号 p. 392-394
    発行日: 2001年
    公開日: 2018/07/03
    ジャーナル フリー
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