循環制御
Print ISSN : 0389-1844
42 巻, 2 号
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特集 第42回総会・学術集会シンポジウム「ECMO の多様な用途と合併症回避の工夫」
総説
原著
  • 中森 裕毅
    原稿種別: 原著
    2021 年 42 巻 2 号 p. 92-99
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/24
    ジャーナル フリー
     術後せん妄(POD, postoperative delirium)や術後認知機能障害(POCD, postoperative cognitive dysfunction)を含む周術期神経認知障害(PND, perioperative neurocognitive disorder)は全身麻酔あるいは手術侵襲を契機に発症し、術後入院期間や生存率に負の影響を与える。高齢者の手術適応は拡大しており、PND の予防は医療経済の観点からも周術期管理の喫緊の課題である。本研究ではremote ischemic preconditioning(RIPC)による脳脊髄液(CSF)内Myokine のプロテオーム変化が脳保護作用を与えるという仮説に基づき、sequential window acquisition of all theoretical fragment ion spectra(SWATH)法によるCSF 時系列検体のプロテオームを解析した。結果、代表的なMyokine であるFNDC5 およびSPARC がCSF内でRIPC 施行1 時間後に有意に増加することが示された。これらMyokine によるmuscle-braincrosstalk がRIPC による脳保護機序の核をなしている可能性がある。
  • 柴田 伊津子, 横山 明弘, 横山 陽香, 一ノ宮 大雅, 吉富 修, 三浦 崇, 江石 清行, 原 哲也
    原稿種別: 原著
    2021 年 42 巻 2 号 p. 100-105
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/24
    ジャーナル フリー
     低侵襲心臓手術(MICS)では内頚静脈や大腿動静脈にカテーテルを挿入するため下肢虚血や静脈うっ血等の合併症の危険性がある。当院では下肢血流異常を早期発見する目的で近赤外分光法を用いて左右腓腹筋の局所酸素飽和度(rSO2)とblood volume index(BVI)を測定している。本研究ではカテーテルを右大腿動静脈と右内頚静脈から挿入して人工心肺(CPB)を確立した17症例について左右腓腹筋のrSO2とBVIを後方視的に調査した。腓腹筋rSO2はカテーテル挿入中に低下したが抜去後には回復した。腓腹筋rSO2は非侵襲的かつ持続的にCPBやカテーテル挿入の影響を鋭敏に捉え下肢血流異常を疑うのに有用であると思われた。腓腹筋BVIは数値にばらつきが大きく、臨床活用には更なる症例の積み重ねと検討が必要と思われた。
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