主にダムコンクリートで使用される中庸熱フライアッシュセメントを使用したコンクリートの凍結融解抵抗性を向上させる一手法として,AE剤による空気安定性の影響を検討した。ブリーディング量を異種細骨材の混合によって0.15~0.50cm
3/cm
2に変化させ,成分の異なる3種類のAE剤で練上がり時の空気量を4.5~8.0%の範囲に調整した場合,通常の空気量の調整範囲である6.0%未満では,いずれのAE剤を用いた場合もブリーディング量の増加で気泡間隔係数は大きくなる傾向にあった。ただし,凍結融解抵抗性はAE剤の成分によって大きく異なり,耐久性指数が60を下回るAE剤では,硬化コンクリート中の気泡径0.15mm未満の空気量が少なくなる傾向にあった。ブリーディングの流れによってフレッシュコンクリート中の気泡が合一あるいは破泡し,微細な気泡が減少するために凍結融解抵抗性は低下するが,AE剤の成分によっては抑制可能なことを確認した。
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