別府市野田の血の池地獄で採取した熱泥および温泉水について、希土類元素の定量分析と、硫黄同位体比分析を行った。その結果、熱泥試料の希土類パターンはほぼ平坦で、軽希土類に富むパターンを示した。EuとCeのいずれも正あるいは負の異常は観察されなかった。一方、温泉水試料は重希土類に富むパターンが得られた。EuとCeいずれも顕著な異常は観察されなかった。
また、熱泥と温泉水中の硫酸の硫黄同位体比分析の結果が、熱泥(21.6‰)と温泉水(21.7‰)の結果が同程度の値を示していることから、血の池沈殿物のジャロサイトは血の池温泉水から直接沈殿した可能性が高いと考えられる。
抄録全体を表示