日本地球化学会年会要旨集
2015年度日本地球化学会第62回年会講演要旨集
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G10 水圏や土壌圏の環境地球化学
  • 後藤 啓
    原稿種別: ポスター講演
    専門分野: G10 水圏や土壌圏の環境地球化学
    セッションID: 3P20
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/03
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    地下水のヒ素汚染は,東南アジアやバングラディッシュ,ネパール,インドなどの国々で深刻な問題となっている.こうしたヒ素汚染の対策として,溶存ヒ素を沈殿させたり,担体に吸着させたりするなど,様々な水中ヒ素の除去方法が開発されてきた.しかし,自然素材を用いた除去方法についての研究例は少ない.そこで本研究では,リンとヒ素の化学的性質が類似している事に着目し,リン吸着容量の大きい鹿沼土がヒ素の吸着材としても適応し得るのではないかと考え,鹿沼土を用いた水中ヒ素の除去法を検討した.鹿沼土は約5万年前の群馬県赤城山における噴火によって,群馬,茨城,栃木の3県に広く堆積した火山灰土壌で,園芸用土として栃木県鹿沼市において採掘されており,土壌中のリンの固定力が強いことから,リンの吸着材としての研究にも使用されている.しかし,採掘過程で大量の商品価値のない粒径の小さな鹿沼土粉末が生じ廃棄されているため,ヒ素吸着材としての検討は価値があると考えられる.
  • 前野 真実子, 島田 雄樹, 能登 征美
    原稿種別: ポスター講演
    専門分野: G10 水圏や土壌圏の環境地球化学
    セッションID: 3P21
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/03
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     別府市野田の血の池地獄で採取した熱泥および温泉水について、希土類元素の定量分析と、硫黄同位体比分析を行った。その結果、熱泥試料の希土類パターンはほぼ平坦で、軽希土類に富むパターンを示した。EuとCeのいずれも正あるいは負の異常は観察されなかった。一方、温泉水試料は重希土類に富むパターンが得られた。EuとCeいずれも顕著な異常は観察されなかった。

     また、熱泥と温泉水中の硫酸の硫黄同位体比分析の結果が、熱泥(21.6‰)と温泉水(21.7‰)の結果が同程度の値を示していることから、血の池沈殿物のジャロサイトは血の池温泉水から直接沈殿した可能性が高いと考えられる。
  • 井下 喜美華, 上間 美穂, 兒山 和子, 山本 修一
    原稿種別: ポスター講演
    専門分野: G10 水圏や土壌圏の環境地球化学
    セッションID: 3P22
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/03
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    河川水中の有機物は、溶存態有機物 (DOM)、懸濁態有機物 (POM) に分けられ、このうちPOM画分の陸起源有機物の大部分は河口および沿岸域で沈殿することが報告されているが、DOM画分の陸起源有機物は沿岸域や遠洋域へ輸送されていると考えられている。しかしながら、河川を通じて輸送される有機物の起源や動態について十分明らかにされていない。そこで本研究では、相模川を中心として、河川水中DOMとPOMを構成する有機物の分析により、各画分の由来や有機物構成の時空間的な変動を明らかにすることを目的とした。分析された有機物の平均相対組成から、DOMでは全地点で藻類に由来する脂質が主成分であること、高等植物に由来する有機物中では、主に木質物に由来するリグニンフェノールが主要な成分であることが示された。一方、POMでは、河川上流域で高等植物の葉に由来する有機物の寄与が大きく、他の地点と比べてより新鮮な有機物から構成されていることが示唆された。
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