日本医真菌学会雑誌
Online ISSN : 2434-5237
Print ISSN : 2434-5229
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総説
  • MALDI-TOF MS, 全自動遺伝子検査装置を用いた菌種同定の現状
    清祐 麻紀子
    2022 年 63 巻 4 号 p. 81-87
    発行日: 2022/10/31
    公開日: 2022/11/30
    ジャーナル フリー
     深在性真菌症の診断のために実施される培養検査や血清を用いた抗原検査は感度が低く,時間がかかり,施設間差や技師の力量差も大きいのが現状である.近年,non-albicans Candida speciesの増加やCandida aurisのアウトブレイク,真菌の薬剤耐性化も懸念されるなか,質量分析装置や遺伝子検査を用いた検査が可能となった.微生物検査室における新しい検査ツールの活用が期待される一方,基本的な培養検査の重要性や最新機器を適切に活用するスキルが求められている.本総説では微生物検査における真菌検査のアップデートとして,従来法と最新機器(質量分析装置,全自動遺伝子検査装置)を用いた真菌同定の現状についてまとめる.
  • 山田 剛
    2022 年 63 巻 4 号 p. 89-92
    発行日: 2022/10/31
    公開日: 2022/11/30
    ジャーナル フリー
     病原微生物の薬剤耐性化が21世紀の問題として世界的にクローズアップされるなか,真菌感染症のなかでも特に罹患者の多い白癬においても,原因菌(皮膚糸状菌,以下,白癬菌)の薬剤耐性問題が顕在化しつつある.2017年に筆者を含む日本とスイスの国際共同研究チームが白癬の中核治療薬の1つであるテルビナフィンへの低感受性(ここでは耐性と同義とする)白癬菌を多数分離したことが契機となり,国内外の臨床現場でテルビナフィン低感受性白癬菌が次々分離されている.また最近,もう1つの中核治療薬であるアゾール系抗真菌薬の低感受性白癬菌も複数分離されている.さらに,2020年に新種の白癬菌として提案されたTrichophyton indotineaeのアゾール系抗真菌薬低感受性株において,アゾール系抗真菌薬の作用標的の1つであるCYP51B(lanosterol 14α-demethylase)が絡む病原真菌の新たな薬剤低感受性機構の存在が明らかとなった.
  • 中嶋 一彦, 植田 貴史, 一木 薫, 石川 かおり, 山田 久美子, 竹末 芳生
    2022 年 63 巻 4 号 p. 93-98
    発行日: 2022/10/31
    公開日: 2022/11/30
    ジャーナル フリー
     カンジダ血症は入院患者の主要な侵襲性真菌感染症であり,高い死亡率をもたらす.Antifungal stewardship(AFS)によりカンジダ血症の予後の改善や抗真菌薬の副作用,耐性化抑制などが期待される.カンジダ血症に対して行うべき事項はバンドルとして示され,遵守により予後改善の効果が期待される.AFSの実際としてACTIONsバンドルを用いたカンジダ血症のマネジメントを行い,カンジダ血症における予後に関与する要因の検討を行った.血液培養の陰性化後2週間の抗真菌薬投与は予後の改善の要因となった.一方,肝硬変を含む肝機能障害,低い予後栄養指数,高Acute Physiology and Chronic Health EvaluationⅡスコアは予後の不良の要因であった.適切な抗真菌薬の選択と用法用量,治療期間は予後の改善する重要な項目である.一方,高齢,腎機能障害,肝機能障害,ステロイドを含む免疫抑制薬の使用などの患者背景もカンジダ血症の発生や予後不良のリスクとなることが知られており,コントロールが困難であることも多い.患者の栄養指標やリンパ球数も予後の予測因子となり,栄養状態の改善はカンジダ血症の予後向上のために行うべき対策である.この総説ではAFS活動とリスク要因となる患者の疾患背景をおもに取り上げ概説する.
委員会報告
シリーズ用語解説
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