日本医真菌学会では,これまでに代表的な深在性真菌症の診断・治療ガイドライン〔侵襲性カンジダ症(2013年),侵襲性カンジダ症に対するマネジメントのための臨床実践ガイドライン(2021年に改定),アスペルギルス症(2015年),クリプトコックス症(2019年)〕を発刊してきた.今回,澁谷和俊理事長を委員長に,発症頻度はまれであるが臨床的に重要な真菌症であるムーコル症,トリコスポロン症,フサリウム症,スケドスポリウム症,マラセジア症,および輸入真菌症(ヒストプラスマ症,コクシジオイデス症,パラコクシジオイデス症,ブラストミセス症,マルネッフェイ型ペニシリウム症),さらに注目されている
Candida auris等を対象として,それらの眼病変や病理像の解説を加えた「希少深在性真菌症の診断・治療ガイドライン」を作成中である.また今回,設定した複数のクリニカルクエスチョンに対して有志によるワーキンググループがシステマティック・レビューを行い,新たなエビデンスの創出にも挑戦している.
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