研究目的:外科系看護師の疼痛体験や学習経験が,看護師の術後疼痛管理の実践に及ぼす影響を明らかにする.
研究方法:49施設の外科系看護師1253名にアンケートを行った.術後疼痛管理の実践スコアを目的変数,施設背景,臨床経験年数,最終学歴,過去の疼痛体験と,疼痛関連の学習経験を説明変数とするマルチレベル分析を実施した.
結果:術後疼痛管理に関する施設背景を考慮しても,看護師自身の「強い疼痛体験(β=0.617, p=0.005)」や「術後疼痛に関連した学生時代の授業(β=1.593, p<0.001),および卒後の研修会受講等の学習経験(β=1.771, p<0.001)」が, 看護師の術後疼痛管理の実践に強く影響していた.
結論:術後疼痛管理における看護師教育には, 患者の主観的感覚をより客観的に理解できるような学習内容と,術後疼痛に焦点を絞った基礎教育からの継続的な学習が必要である.
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