本研究は, 今後の舞踊教育を発展させる基礎的研究になることをねらいとし, 「表現運動・ダンス」領域の, 特に小学校における「表現」に着目して, その学習内容の課題について検討を試みた。まず, 体育科の「学習内容」について, その定義を明確にし, 続いて, 「表現」の学習内容の検討を行った。
その結果, 「表現」の学習内容は, 体育科の学習内容論と平行して, 戦後から繰り返し議論されており, その議論の核となるのは, 素材となる舞踊文化 (もしくはスポーツ文化) の要素をどのように切り取るかであるかということが明らかとなった。
今後の「表現運動・ダンス」の学習内容の課題として, 学習者の身体と知識を満たす学習内容の検討が必要であり, それには, 「舞踊の教育」と「舞踊による教育」のどちらにも偏らない枠組みが必要であることが示唆された。
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