日本女子体育連盟学術研究
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2005 巻, 22 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 幼児から高齢者までを視野に入れたダンス指導の実際
    村田 芳子, 高橋 和子
    2005 年 2005 巻 22 号 p. 1-16
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本研究では, 研究テーマである「バリアフリーなこころとからだを求めて」について, 障害者教育, 生涯教育, 身体論の知見からバリアフリーなダンス学習の視点を明確にするとともに, ダンス指導事例 (第3分科会の実践) を対象にその実践成果を検証してきた。
    その結果, 対象としたダンス指導は, その実践内容と参加者の受け取りから「いつでも・どこでも・だれでも」「自己表現・自他肯定」「身体意識・コミュニケーション・共有」「心と体が一体・楽しく・ふれあい・かかわる」というダンス学習の視点を重視した実践展開であり, 本研究テーマを具体化するダンス指導が実現していたことが明らかとなった。そこには「理論一実践」「こころ-からだ」「教える一教わる」「学校-地域」の4つの対置間のバリアをフリーにする様々な配慮と工夫がなされており, このような「バリアフリーな場」を創出することによって, 双方向の学びの場としての「ユニバーサルデザイン・ワーク」が成立することを示唆するものであった。さらに分科会当日の発表における展開では, 指導者は「いま・ここ」で展開されている様相を自身の「からだ」で感じとりながら, 即興的に内容と方法を選別し組み立て直す作業をしていたことが明らかとなり, 今後のダンス指導につながる示唆を得ることが出来た。
  • 魂をゆさぶる物語素材
    花輪 千秋, 高橋 芳子, 高橋 和子
    2005 年 2005 巻 22 号 p. 17-28
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本研究は山形大学附属小学校中学年39名を対象に, 魂をゆさぶる「表現」の学習を成立させるための2年間の試みである。
    魂をゆさぶるためには, 価値とエネルギーを持つ教材が必要であり, 筆者らは国語で取り扱う名作の物語にそれを求めた。3年生時は『つり橋わたれ』, 4年生時は『花さき山』(共に8時間扱い) を素材として「表現」の指導を行った。国語では心情の読み取りを平行して行った。
    その成果として (1) 表現課題の設定により, 児童たちは主人公に自分の心情を重ねて表現することができた。(2) 感性に働きかける「音・ことば・物」でイメージを豊かにしたことによって「表現」が多様になり, 深くなった。(3) 物語の主人公を媒体に指導者と児童, 児童と児童が互いの心情に触れ, 魂をゆさぶる表現を生み出すことができた。
  • 特に小学校における「表現」に着目して
    寺山 由美
    2005 年 2005 巻 22 号 p. 29-38
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本研究は, 今後の舞踊教育を発展させる基礎的研究になることをねらいとし, 「表現運動・ダンス」領域の, 特に小学校における「表現」に着目して, その学習内容の課題について検討を試みた。まず, 体育科の「学習内容」について, その定義を明確にし, 続いて, 「表現」の学習内容の検討を行った。
    その結果, 「表現」の学習内容は, 体育科の学習内容論と平行して, 戦後から繰り返し議論されており, その議論の核となるのは, 素材となる舞踊文化 (もしくはスポーツ文化) の要素をどのように切り取るかであるかということが明らかとなった。
    今後の「表現運動・ダンス」の学習内容の課題として, 学習者の身体と知識を満たす学習内容の検討が必要であり, それには, 「舞踊の教育」と「舞踊による教育」のどちらにも偏らない枠組みが必要であることが示唆された。
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