グローバリゼーションの進展にともない,日本の産地型集積の縮小・衰退傾向が止まらない中で,従来の地域へのコミットメント重視の視点だけでは対処することが困難となっている。このような状況に対して,「地理的制約を突破する」視点から縮小・衰退期に移行する産業集積地域の持続的発展に着目した研究蓄積がみられるようになった。しかしながら,地理的制約を超える産業集積の持続における主役の実態とそれを中心とする詳細な持続過程を示した研究蓄積は未だに見当たらない。そのために本稿は,産業集積の持続における中核的な役割を担うリンケージ企業に焦点を当て,リンケージ企業に関する代表的研究を概観し,その問題点について検討する。その上で,商業論や最新の社会ネットワーク論の知見を借りて,「商人的コーディネーター」という追い求めるべきリンケージ企業を導出し,地理的制約を超える新しい産業集積の持続のための仮説的プロセスモデルを提示する。
本研究は,ブランドの市場参入順位を考慮した広告の波及効果を検証した。トクホ茶のデータを分析した結果,後発ブランドの広告が先発ブランドの購買意向を高めることが明らかになった。特に,この波及効果は,有職者に対して強く現れる。本研究は,ブランドの参入順位によって非対称の波及効果があることを示した。そして,ブランドの広告活動によって,先発ブランドが競争優位を得る可能性を示した。
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