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瀬藤 真人, 中村 昭子, 平岡 賢介, 小野瀬 直美, 長谷川 直, パトリック ミッシェル
セッションID: P29
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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小天体の衝突破壊強度への空隙の影響について調べるため、同程度の空隙率で圧縮強度の異なるガラスビーズ焼結体を作成し、低速度衝突実験を行った。その結果を過去の高速度実験結果と比較したところ、同じ圧縮強度でも衝突破壊強度に大きな差が見られた(瀬藤他、2005年秋期講演会)。そこで今回、ターゲットとプロジェクタイルのサイズ比と衝突速度を過去研究に近づけた新たな実験を行った。最大破片から求めた破壊強度は過去研究の結果に近づいた。破片の質量分布から求めた衝突破壊強度についても論じる。
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中村 昭子, 平岡 賢介, 小野瀬 直美, 長谷川 直, 瀬藤 真人, ミッシェル パトリック, ジュズィ マーチン
セッションID: P30
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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高空隙率天体の衝突破壊過程を理解し、かつ、数値シミュレーションへ供するデータを取得するために、二段式軽ガス銃を用いて加速した直径7 mmのナイロン球、3.2 mmのガラス球プロジェクタイルにより、空隙率72%の軽石の衝突破壊実験を行った。衝突速度は、1.5~4.5 km/sとした。軽石の単位質量あたりに与えたエネルギーとともに、破壊の程度が増すこと、プロジェクタイルの違いにより破壊効率が異なることが示された。軽石の各種物性の測定を行い、将来的には数値シミュレーションと比較していく予定である。
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小倉 尚也, 中村 昭子, 平田 成, 三軒 一義, 留岡 和重
セッションID: P31
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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南極マイクロメテオライトの80%は含水鉱物を含んでいる(Engrand and Murette, 1998).しかしながら,地球に落下した隕石の中で含水鉱物を含むものは3%程度しかない.他方,小惑星では30-40%が含水鉱物を含んでいる.このような含水鉱物の相対存在度の違いを説明するために,含水多孔質物質をターゲットとした衝突実験を行い,高速度衝突による含水鉱物の脱水がダスト形成に与える影響を調べることを研究テーマとしている.
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奥平 恭子, 矢野 創, 小野瀬 直美, 長谷川 直
セッションID: P32
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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シリカエアロジェルは、超高速度域での固体微小粒子の優れた捕獲材として用いられている。著者らはこれまでに加速器で鉱物粒子をエアロジェルに撃ち込む模擬実験などを行い、捕獲粒子の鉱物学的変成や粒子体積残存率を評価してきた。今回、直径500μmのアルミナ粒子を撃ったショット(4.25 km/s)などでエアロジェル中での貫入トラック形成の様子を高速度カメラで撮影することに成功した。これまでの研究成果と今回の解析データを合わせ、エアロジェルによる粒子捕獲におけるエネルギー分配について考察する。
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石原 吉明, 山本 真行
セッションID: P33
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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流星衝撃波の振幅データを用いた流星物質サイズ推定の精度向上をはかるため、流星により励起された衝撃波を直接圧力変動として捉えるための観測装置の開発中である。測定性能として、1) 少なくとも0.1Hzから20Hzの周波数領域において、2) 0.001Pa以上の気圧分解能を達成する必要がある。我々は既存のインフラサウンド測定用低周波マイクロフォンを用いた観測システムの開発と、センサーを含めた独自開発の2つのアプローチを同時進行で進めており、現状及び展望について発表する。
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戸田 雅之, 山本 真行, 重野 好彦, 前田 幸治, 春日 敏測, 比嘉 義裕, 渡部 潤一
セッションID: P34
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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高度 90~120kmに出現する流星の出現直後、その軌跡上に見られる流星痕は継続時間によって短痕と永続流星痕に分けられる。私達はshigeno et al.(2003)によって2001年しし座流星群の大出現時に流星軌道決定に主眼を置いた2点同時高感度ビデオ観測データに短痕の撮像例が少なからず含まれていたことを発見した。本発表では上記の2点同時観測映像から解析した短痕の発光高度を報告する。Yamamoto et al.(2005)で明らかになった永続流星痕における母流星光度と出現高度との関連の短痕への応用を考察する。
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阿部 新助, 山本 真行, 矢野 創, 海老塚 昇, 渡部 潤一, 向井 正
セッションID: P35
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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流星や隕石が、地球大気突入によりどのような物理化学発光素過程を経ているのかは、未解明な点が多い。特に 炭素や水などのアブレーション過程を理解することは、生命起源物質の地球到来過程を解明する上でも重要である。2006年1月15日、NASAのスターダストは、直径80cmのカプセルを人工物では史上最速の12.9 km/sで地球大気に突入させた。我々は、この人工流星をNASA-DC8観測航空機から超高感度ハイビジョンカメラ(UV-II-HDTV)と500 grooves/mmの反射型対物分光器を用いて300-650nm波長領域の分光観測を行った。
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癸生川 陽子, 中嶋 悟, ゾレンスキー マイケル
セッションID: P36
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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Tagish Lake隕石中の有機物の分布を顕微赤外分光装置下でマッピング測定することにより調べた.その結果,脂肪族C―Hの多く存在する部分と,ほとんど見られない部分とが観測され, 脂肪族C―Hの多い部分には含水ケイ酸塩鉱物のO―Hの吸収帯が多くみられた.また,それぞれの部分をSEM-EDSで元素分析した結果,脂肪族C―Hの多く存在する部分は周りに比べ,Mgが多く,Fe,Sは少ないことがわかった.以上の結果より,脂肪族C―HはMg-richな含水珪酸権鉱物と共存していることが示唆された.
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鈴木 彰子, 癸生川 陽子, 中嶋 悟, 中村 智樹
セッションID: P37
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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宇宙塵の顕微赤外分光分析を行うと、全てのサンプルにOHとCH3・CH2のピークが見られた。これらに注目し、ピーク高さの比を求めると、CH3/CH2 比は0.6~0.9、OH/CH2 比は1~3 となり、炭素質コンドライトを比較すると共に宇宙塵の方が小さかった。また、宇宙塵の加熱の影響を検証するため加熱実験を行ったところ、CH3/CH2 比・OH/CH2 比に変化が見られることがわかり、現在は水質変成の影響も追跡中である。
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星 有哉, 福岡 孝昭, 田澤 雄二, 福士 裕輔
セッションID: P38
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
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39個の南極宇宙塵試料、1粒ずつを機器中性子放射化分析で化学組成を求めた。分析結果より26個の南極宇宙塵は、全鉄の含有量からE、H、L、LLコンドライトに分類された。分類の結果から、隕石が大気圏突入時に宇宙塵を作り出していると考えた。また、全鉄の含有量によるコンドライトの分類に当てはまらないものは、エンスタタイトやフォルステライトの存在に富んでいる。この事実は、試料がμmオーダーと微小である為、コンドライト隕石はそのオーダーまでの均一性が保持できず、コンドライトの全鉄の含有量の分類とは合致しない微小片であると考えた。
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村田 和樹, 野口 高明, 土′山 明, 中野 司, 上杉 健太朗, 岡崎 隆秀, 中村 智樹
セッションID: P39
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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近年、南極の雪の中から無水惑星間塵に類似した微隕石と、極端に炭素の富む微隕石が発見された。これらは彗星起源と考えられ太陽系初期の重要な情報を持っていると思われる。そこで我々は南極の雪の中から採集した微隕石の三次元内部構造を非破壊で研究するためX線CT撮影をSPring-8(BL20XU,BL47XU)で行い、そこで得られた高分解能3次元データをもとに、サンプルの構成鉱物の推定や体積、空隙率を求め、これらの分類を行った。
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岡崎 隆秀, 遠藤 徳孝, 土`山 明, 中野 司, 上杉 健太朗, 野口 高明, 中村 智樹
セッションID: P40
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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近年、赤外線天文観測やシミュレーションを基にして、宇宙塵の形について研究が行われている。宇宙空間に漂うダストの形状と、惑星形成の初期段階における集合メカニズムについて、フラクタル次元を指標とした研究が行われている。そこで、本研究では、南極の雪と氷から採取された微隕石のX線CT撮影をSPring-8 (BL47XU, BL20XU) で行い、そこで得られた定量的で高分解能の3次元画像データに対してマルチフラクタル解析を行うことで、微隕石の形を定量的に評価することを試みた。
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保田 誠司, 中本 泰史, 三浦 均
セッションID: P41
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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コンドライト隕石中のコンドリュールの存在は、原始太陽系星雲内でのダストの溶融を示唆する。衝撃波加熱モデルではダストは片側から溶融し、溶融部は高速のガス流にさらされるため剥ぎ取りや分裂などの力学的現象を引き起こす (Kadono and Arakawa 2005, Kato et al. 2006)。
そこでダストの溶融の様子やその後の力学的振る舞いを詳しく調べるため、固・液・気の三相混合三次元熱流体計算コードの開発に取り組んでいる。その開発状況と今後の展望を報告する。
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中本 泰史, 門野 敏彦, 荒川 政彦
セッションID: P42
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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衝撃波加熱モデルにおいて複合コンドリュールが形成されるかどうかを検討した。 衝撃波加熱過程では、部分溶融したダスト粒子の液層がはぎ取られたり全溶融した液滴が分裂したりする場合がある。このようにして生成された粒子を2次粒子と呼ぶと、2次粒子同士の相対速度は小さいことが予想される。放出2次粒子の速度を評価したところ、ほとんどの衝撃波加熱条件において、十分に小さいものになることがわかった。よって、2次粒子同士あるいは2次粒子と近傍の1次粒子との衝突によって、複合コンドリュールが形成され得ると思われる。
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長嶋 剣, 塚本 勝男
セッションID: P43
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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コンドリュール再現実験は何らかのホルダー等を用いて行われるのが一般的であるため,我々はガスジェット浮遊炉を作製し,非接触浮遊環境下における珪酸塩メルトの結晶化プロセスをその場観察した.
実験結果によると,浮遊珪酸塩メルトの結晶化は接触部無しには非常に困難であり,コスミックダストのような微粒子との付着が結晶化には必要不可欠であることがわかった.その付着温度(結晶化温度)は500-860 Kといった超高過冷却状態であるため,コンドリュールメルトの冷却速度と微粒子との付着確率を元にした新たな形成モデルを提示することができる.
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岡田 靖彦, 野村 英子, 竹内 拓, マン イングリッド, 向井 正
セッションID: P44
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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彗星ダストの赤外観測で見られる10μmのシリケイトフィーチャーおよびブラックボディーContinuumを表すダストモデルに関して、光散乱特性の計算をもとに研究を行う。形状モデルには数ミクロン程度のサイズを持つシリケイトおよびカーボンの構成粒子の混合からなる高空隙率のBCCA粒子を扱う。ダストの光散乱特性の計算はMackowski and Mishchenko(1996)によるcluster T-matrix法にOkada et al.(under review)の改良を加え、より構成粒子の多いBCCA粒子を取扱う。
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向井 苑生, 岸本 真毅, 佐野 到, 保本 正芳
セッションID: P45
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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NASA/AERONETの日本サイトとして,2000年から東大阪,和歌山県白浜にて大気エアロゾルの放射観測を実施している.また,2004年3月から,(東大阪サイトにおいて)浮遊微粒子(SPM)のサンプリング計測も行っている.これら同期観測結果の比較から,両者の線形関係式を導出し,相互変換の可能性を確認した.更に両地上計測データと衛星データの統合解析により,大気粒子の発生から成長,拡散消滅までの一連の流れを捉える.
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柳本 賢一, 佐野 到
セッションID: P46
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
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地球並びに惑星リモートセンシングにおいて,表面構造の解析は主要課題である.特に,可視域データを用いた大気リモートセンシングを行うには,地表面モデルの取り扱いを慎重に行う必要がある.本研究では,地表における二方向反射分布特性を衛星測光偏光データ,地上観測データを用いて導出する.衛星データ及び地上放射計測値を用いて地表面偏光反射特性を考察した.従来より提案されているBPDFモデルでは十分な偏光特性の再現が行えないことから,世界規模で再検討を行う必要がある.
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丸山 陽子, 岡田 達明, 加藤 學
セッションID: P47
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
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多くの惑星は、表層がレゴリスと呼ばれる平均粒径が数10ミクロンから100ミクロン程度の砂礫層に覆われている。しかし、蛍光X線観測において、その観測される強度は表面の凹凸状態によって影響を受けるため、このような惑星表層は計測に理想的ではない。Kuwada et al.,1997 では、位相角が大きいほど岩石タイプの決定に深刻な影響を与えることを示した。本研究では、室内実験とモデル計算により、蛍光X線観測における惑星表面の粒子サイズ効果を調べることを目的とする。
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保井 みなみ, 荒川 政彦
セッションID: P48
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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氷の力学的特性に対するシリカ粒子の効果を調べるため、氷・シリカガラスビーズ混合物の変形実験を行った。ガラスビーズサイズ・粒子濃度・試料作成方法を系統的に変えて変形実験を行い、それぞれの試料の流動則を調べた。その結果、ガラスビーズが小さい場合(1μm)、粒子含有率と流動則に特に強い関連性が見られた。一方ガラスビーズが大きい場合(1mm)、歪速度が10
-4s
-1以下において、純氷の流動則とほぼ一致することが分かった。また、過去に行われた実験結果と比較したところ、我々の実験結果と定性的に一致することが分かった。
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毛利 織絵, 渡部 直樹, 長岡 明宏, 香内 晃
セッションID: P49
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
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分子雲における星間塵表面反応で主要なプロセスとして光化学反応と水素原子付加反応が考えられる.この二つの反応によるCO分子の進化を実験的に調べた.光化学反応と水素原子付加反応の反応効率が,分子雲の温度や星間塵氷マントルの構造によりどのように変化するかを明らかにし,また分子雲におけるそれぞれの反応の有効性を検証する.
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長岡 明宏, 渡部 直樹, 香内 晃
セッションID: P50
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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分子雲に存在するメタノール(CH3OH)に高度の重水素濃集が観測されている.われわれは重水素メタノール(e.g., CH2DOH)の生成起源を星間塵表面反応に求め,シミュレーション実験を行った.CH3OH固体にD原子を照射したところ,CH2DOH, CHD2OH, CD3OHが効率良く生成された.本発表では,それら重水素体の生成速度および生成プロセスを報告する.
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川口 和剛, 小川 佳子, 中村 昭子
セッションID: P51
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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小惑星帯やカイパーベルト天体にあるとされる集積天体は、自己重力などにより粒子が集まっただけのものなので、強度が非常に弱いものであると考えられている。ところが、その内部では焼結過程によって粒子同士が物理的に結合して、強度を獲得している可能性がある。低温下ではネックは主に表面拡散過程と蒸発凝縮過程により成長する。本研究では小天体内部での温度分布を求め、その温度に依存して起こるネックの成長の時間発展を追い、形成領域(太陽からの距離)と天体サイズの違いが強度獲得にどのように影響するかを調べた。
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城野 信一
セッションID: P52
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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惑星形成の第一ステップである微惑星の形成過程においては,ダストアグリゲイトが衝突の際に付着するか否かが決定的に重要となる.そこで本研究では珪酸塩鉱物と有機物の混合物を作成し,それらの衝突実験を行った.混合物に含まれる珪酸塩鉱物のサイズが付着性にどのような影響を与えるのかを明らかにすることが目標である. 実験の結果, ガラスビーズの粒径が小さい方が. シリコンオイルがより少ない量でも付着することが示された. これは, 粒径の小さい方が, 混合物表面の凹凸がより小さくなるためであると考えられる.
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千秋 博紀, 松井 孝典
セッションID: P53
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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我々は、数~数百キロメートルサイズの小天体の初期熱史の数値モデルをつくり、サイズ、組成、形成時間が小天体の熱進化に与える影響を調べている。様々な条件の下でのシミュレーションを行ったところ、小天体が金属核を持つためには、天体半径は10km以上、小天体を構成するシリケイト粒子のサイズは0.1mm以上で、小天体はCAI形成後200万年いないに形成される必要がある。この条件は、現在考えられている隕鉄の母天体の条件にほぼ等しい
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樋口 有理可, 小久保 英一郎, 向井 正
セッションID: P54
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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微惑星円盤から惑星の散乱と銀河潮汐力で形成される彗星雲の構造の進化と、そこから惑星領域内部に戻ってくる彗星(new comet)の軌道要素について議論する。銀河潮汐力(鉛直成分のみ)に由来する古在機構の解析解を用いて微惑星の軌道進化を理解し、それをオールト雲の構造とその時間進化に応用した。その結果、軌道長半径が~1000AU以上の微惑星には近日点距離が惑星領域から効果的に引き上げられオールト雲彗星となるものが存在した。また観測から予測される長周期彗星の軌道傾斜角分布を再現しないことがわかった。
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寺居 剛, 伊藤 洋一
セッションID: P55
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
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太陽系小天体の空間分布やサイズ分布は,太陽系形成過程を探るうえで重要である.それらは地球に近いため,天球上を移動して見える.通常,移動天体の検出には3枚以上の画像が使用されるが,本研究では2枚の画像を用いることで小天体探査以外の観測のデータを活用する.解析を高速化するため,独自に自動検出プログラムを開発した.今回,すばる望遠鏡Suprime-camのr'バンド画像1.9平方度を解析し,限界等級24.4等を達成,移動天体287個を検出した.得られた累積サイズ分布の傾斜は過去の研究とよく一致した.
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吉田 二美, 八木 雅史, 伊藤 孝士, 中村 士, デルマワン ブディ, 柳沢 俊史, 黒崎 裕久, 中島 厚
セッションID: P56
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
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近地球小惑星(NEAs)のグループには自転周期が2.2時間以下の高速自転小惑星(FRAs)が存在するが、NEAsの起源と言われるメインベルトにFRAsは発見されていない。これは今までメインベルト領域でNEAsサイズの微小小惑星の検出が難しかったためと思われる。そこで我々は口径8.2mのすばる望遠鏡を使い、見かけ等級が17-25等という微小メインベルト小惑星(MBAs)の光度曲線を調べ、MBAsに高速自転小惑星探しを行った。その結果二割以上の小惑星が高速自転している可能性が得られた。
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伊藤 孝士, 吉田 二美, デルマワン ブディ
セッションID: P57
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
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Karin族は約580万年前の衝突破壊現象で生成した若い小惑星族である。 私達はKarin族全構成員の光度曲線を収集する観測を推進しているが、 今回の講演ではこれまでの観測結果のまとめの他に、2006年2月に 実施したこの族の最大構成員(832) Karinの近赤外三色同時測光の 結果について検討する。ここでの目標はこの小惑星が衝突前の母天体 表面の名残りとされる赤化した表面を本当に持つかどうかである。
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西田 麻衣子, 藤田 健太, 伊藤 洋一, 向井 正
セッションID: P58
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
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天体の偏光度を求めるにはストークスパラメーターQとUを測定する必要がある。既存の偏光撮像装置では、Q、Uパラメーターを別々に測定するため、観測で得られる精度は望遠鏡のトラッキングエラーや大気の変化に影響されやすく、観測効率も悪い。そこで、本研究ではQ、Uパラメーターを同時に測定できる同時偏光撮像装置を開発し、精度の向上と観測の効率化を目指した。この装置は駆動部分なく、時間分解能がよいという特徴を持つ。2006年1月、西はりま天文台60cm望遠鏡に装置を取り付け、試験観測を行った。
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関口 朋彦
セッションID: P59
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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ALMA (Atacama Large Millimter/Submillimter Array) は日本、北米、ヨーロッパの国際協力による電波干渉計国際プロジェクトである。南米チリのアタカマ砂漠高地(標高5000m) に80 台の高精度アンテナを並べ、サブミリ波ミリ波での観測を可能にする。ALMAのフラックス較正要求精度は5%以内であるが、従来の較正法では10%の精度に達していない。現在我々は天王星と新たに小惑星セレスを第一較正天体としたACA (Atacama Compact Array)を用いたキャリブレーション法の構築を検討している。
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浦川 聖太郎, 石隈 慎一郎
セッションID: P60
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
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木曽シュミット望遠鏡で行ったトランジット法による系外惑星探索を報告する。観測は、銀径=40°、銀緯=16°付近の約9000個の星を探索した。その結果、400個を超える星が測光精度1%の精密さを達成した。これは、トランジット法による系外惑星検出が可能であることを示している。さらに木曽観測所では2008年度より2度×1.5度の視野をもった新広視野カメラが運用される予定であり、より多くの恒星を一度に撮像できるようになる。新広視野カメラが実現された場合の系外惑星の検出確率についても議論する。
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石隈 慎一郎, 伊藤 洋一, 向井 正
セッションID: P61
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
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系外惑星のトランジットとは中心星の前を惑星が横切る現象である。トランジットを検出すると、個々の惑星の質量や密度などを知ることができる。しかしトランジットが検出されている系外惑星は、現在までに12例しかない。我々のグループでは、トランジットを検出するため神戸大学内に30cm望遠鏡を設置した。これを用いてホットジュピター探査計画 N2Kコンソーシアム(Fischer et al. 2005)のドップラー法による観測で、視線速度に変化が見られる恒星について測光観測を行っている。本講演では、このトランジット観測の成果について報告する。
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大石 尊久, 渡部 重十, 佐野 康男
セッションID: P62
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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我々は恒星の前を惑星が通過することで生じる等級の変化から系外惑星を観測するトランジット法という手法で観測を行っている.現状の観測方法でトランジットの現象を捉えられたが,等級変化曲線の誤差が大きく,そこから軌道パラメータといった系外惑星の情報を求めることはできなかった.本発表では誤差が大きい理由を解明し,誤差を減らす新たな方法を報告する.
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大朝 由美子, 菊地 信弘
セッションID: P63
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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地球が生命体の出現及び進化に伴って、その観測スペクトルや光度をどのように変化させたのかについて調べるために、大気化学反応及び放射対流平衡計算に基づいた数値シミュレーションを行い、系外地球型惑星における生命存在の兆候となる大気微量成分の観測可能性について検討した。
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村多 大輔, 伊藤 洋一, 佐藤 文衛, 竹田 洋一
セッションID: P64
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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我々は、国立天文台岡山天体物理観測所の高分散分光器(HIDES)を用いて、G型巨星の周囲を回る惑星の探査プロジェクトを行っている。そして惑星候補天体を持つ天体数個を見つけるに至った。主星の化学的性質は惑星形成を理解する上で重要であるが、G型巨星についてはこれまでにあまり調べられていない。そのため、本プロジェクトでは、G型巨星の化学組成を調べるための高分散分光データも取得している。今回我々は、惑星候補天体を持つ数個を含む20のG型巨星の大気パラメータを求めた。本講演では、その特徴について議論する。
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金井 徹, 伊藤 洋一, 藤田 健太, 向井 正
セッションID: P65
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
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Lindroos天体を用いて、Post T Tauri型星(PTTSs)を検出することを試みた。Lindroos天体とは年齢が約1億年の連星系で、主星は質量が重く既に主系列星に達しているが、伴星の50%以上は太陽程度の質量を持ち、PTTSs段階であると考えられている。我々は、2MASSやPOSS等の画像を用いて星の位置を測定し、主星の近傍にある天体の固有運動を0”.5-0”.8/20yrの精度で決定した。その結果、主星と同じ固有運動を持つLindroos cluster候補天体を2天体発見した。
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日置 智紀
セッションID: P66
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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我々は、すばる望遠鏡のステラーコロナグラフCIAOを用いて、Tタウリ型連星UY Aurの近赤外画像を取得した。UY Aurはおうし座ぎょしゃ座分子雲に属している。主星の等級は安定している一方で、伴星の等級はHバンドで約1.5等の変化が見られた。また、UY Aurに付随する周連星円盤を検出した。この円盤は内側部分にギャップがあり、円盤内に明るい塊(clump)を持っていることがわかった。このclumpがUY Aurの散乱光で光っているとすると、このclumpの最小質量は約6地球質量と計算された。
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伊藤 洋一, 大朝 由美子, 日置 智紀
セッションID: P67
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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古典的Tタウリ型星は、原始惑星系円盤を伴うものが多い。しかし円盤は明るい中心星のごく近傍にあるため、可視赤外域で検出するためには、高い空間分解能と大きなダイナミックレンジを持った観測が必要である。我々は、古典的Tタウリ型星であるDO Tauの近赤外コロナグラフ観測を行ない、中心天体のから北東160AU程度の所に、非常に淡い構造を検出した。形態などから、この構造は原始惑星系円盤であると考えられる。
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