肩甲骨関節窩前縁骨折に対して,DAFF法を用いた関節鏡視下骨接合術を行なっている.本研究の目的は治療による臨床成績,CT画像による評価をすることである.
対象は2017年4月から2020年11月までに肩甲骨関節窩前縁骨折に対してDAFF法を用いた関節鏡下骨接合術を行い,術後6か月以上経過した10例. 臨床成績, 術直後と最終時のCT像で骨片の頭側と尾側のstep off, gapの変化,最終時の骨癒合状況を評価した.
JOAスコアは平均91.6点で術後脱臼例や合併症はなかった.CT像での関節窩gapは頭側が有意に減少していた.術直後から最終時にstep offが1mm以上の変化を認めたものは3例であった.
gapの減少は, 骨片の位置の変化や骨増生の影響の可能性がある,1mm以上の矯正損失は,粉砕や骨質不良による固定力低下が原因である可能性がある.
肩甲骨関節窩前縁骨折に対するDAFF法を用いた関節鏡下骨接合術は,良好な臨床成績と全例に骨癒合が得られていた.
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