国語科教育
Online ISSN : 2189-9533
Print ISSN : 0287-0479
93 巻
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Ⅰ シンポジウム(要旨)
秋季大会(第143回 千葉大会)
Ⅱ 実践論文
  • 久田 義純
    2023 年 93 巻 p. 14-22
    発行日: 2023/03/30
    公開日: 2023/04/21
    ジャーナル フリー

    近年、国語科における文学的文章の読みにおいて、「語り」に着目することへの関心が高まっている。

    また実践研究においては、学習者の教材の読みにとって、「語り」に着目することにどのような意義があるのか提唱されてきている。しかし一方で、どのように「語り」概念を指導することができるのかについては研究が重ねられていない。

    そのため本実践研究では、中学校1年生を対象に、虚構の「日記創作」と「ごんぎつね」の語りに着目するという学習活動を通して、「語り」概念を指導することを試み、学習者が概念を習得し、活用できるのか検証を行った。学習者の実践前後の「ごんぎつね」の感想を比較することによって、学習者は「語り」概念を理解した上で、作品の読みに活用できることが分かった。したがって、本実践における「語り」概念の指導方法に有効性を見出すことができた。

    ただし、本実践研究は導入として「語り」概念の指導を試みたものであり、今後も実践研究を通して指導方法の検討が重ねられる必要がある。

Ⅲ 資料
  • 堀江 祐爾
    2023 年 93 巻 p. 23-31
    発行日: 2023/03/30
    公開日: 2023/04/21
    ジャーナル フリー

    本資料の目的は、アメリカ合衆国における入門期(Beginning Reading)の読むことの学習指導、とりわけ「guided reading(教師が導く読みの指導)」について、記録と考察をおこなうことである。Albert J. Harrisの著書How to Increase Reading Ability: A Guide to Developmental and Remedial Methods(1975年発刊の第6版からはEdward R. Sipayとの共著)に記述された入門期の学習指導について取り上げる。本書によると、1950年代から1990年代にかけてguided readingは次第により多様な学習活動によって構成されるようになった。1996年には、「質問を定式化する」ことを実現した次の研究書が出版された。Fountas, I. C., & Pinnell, G. S., (1996) Guided Reading: Good First Teaching for All Children. NH: Heinemann.である。その「定式化された質問」についての考察を通して、guided readingの目標はあくまで「自己修正」しながら読み進める力を身につけさせることであることを明らかにした。さらに、論者自身が参観した2001年にウィスコンシン州において実践されたguided readingの授業を具体的に示し、考察をおこなった。

Ⅳ 書評
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