数学教育学会誌
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55 巻, 3-4 号
数学教育学会誌
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 第5学年・第6学年の児童における水準及び水準内での段階区分に焦点を当てて
    廣瀨 隆司, 坂井 武司, 石内 久次, 齋藤 昇, 松嵜 昭雄, 長谷川 勝久, 清水 翔太
    2014 年 55 巻 3-4 号 p. 77-88
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/04/21
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,児童の「小数×小数, 小数÷小数」の学習理解度尺度を開発することである。そのため,先行研究を基に,調査問題を作成し, 第5学年・第6学年の児童191 名を対象とし, 調査を実施した。調査結果に, Scalogram 分析によるCR・MMR・PPR の算定から, 問題の難易に関する水準区分と水準内での段階区分を行った。調査の信頼性に関するKuder-Richardson の公式KR-20による信頼性係数α20の算定, 調査の妥当性に関して, それぞれの尺度の各児童の総得点と第3学期の算数科の成績との間の相関係数rの算定を行い, 児童の「小数×小数, 小数÷小数」の学習理解度尺度を開発することができた。
  • 数学とプログラミングの成績の相関について
    赤池 由紀子, 愛木 豊彦, 東海林 まゆみ, 藤田 玄
    2014 年 55 巻 3-4 号 p. 89-97
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/04/21
    ジャーナル フリー
    高度情報化社会に対応できる能力をもった学生の育成を目指し,大学における数学教育の情報教育への貢献の在り方について考察することとした。その第一歩として,プログラミングに関する講義と基礎的な数学の講義における成績の相関を調べた。本論文では,その結果を示すとともに,この調査結果に対する考察から生じた今後の研究課題を述べる。
  • 熊倉 啓之
    2014 年 55 巻 3-4 号 p. 99-107
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/04/21
    ジャーナル フリー
    多角形の1 つの内角に対して,外部にできる大きさが(360°-内角)に等しい角を「外周角」と呼ぶことにする。本研究の目的は,外周角の性質を数学的に考察した上で,外周角の性質に関わる教材化を検討し,指導展開例を開発することである。まず,外周角の性質について考察して,「六角形では,(4 つの内角の和)=(他の2 つの外周角の和)が成立する」等をはじめとして,全部で10 個の性質に整理した。次に,外周角の性質に関わる教材化について検討し,3 つの問題で構成する指導展開例を開発した。最後に,開発した教材の有効性について考察を加えた。
  • 中村 好則
    2014 年 55 巻 3-4 号 p. 109-118
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/04/21
    ジャーナル フリー
    小中学校の通常学級に発達障害等の児童生徒が約6.5%在籍している。しかし,実際には6.5% には入らないが学習面等に困難をもつ児童生徒がその周辺にも存在し,算数学習においても彼らへの指導の在り方は喫緊の検討課題である。そこで,本研究では,算数学習におけるつまずきに関する先行研究をもとにつまずきとその支援を分析・整理し,算数学習につまずきのある児童への指導の在り方を検討するための基礎的な資料を得る。分析の結果,算数学習におけるつまずきを,①学習活動に関するつまずきと②学習内容に関するつまずき,③その他のつまずきに整理した。また,数学教育研究でのつまずきは学習内容に関するものが多く,学習活動に関するものが採り上げられていない。一方,特別支援教育研究でのつまずきは学習活動に関するものを含んでおり,学習内容に関するつまずきも数学教育研究のものとは異なるものが少なくない。これらのつまずきの関連を考慮して算数学習におけるつまずきを捉え直して,算数学習につまずきのある児童に対する指導を検討してくことが必要であることが示唆された。
  • 低学年における方程式・不等式の教育実践
    太田 直樹, 守屋 誠司
    2014 年 55 巻 3-4 号 p. 119-131
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/04/21
    ジャーナル フリー
    本研究では,小学校における方程式や不等式を扱う代数カリキュラムの開発を目指している。そこで,小学校1年生を対象に,一元一次方程式に関する認識調査と教育実践を行った。その結果,認識調査においては,方程式を解く際に用いる未知数を表す記号は,□であっても,文字であっても,影響がないことを明らかにした。また,教育実践より,文字の容器性を理解し,逆算により簡単な一元一次方程式の解を求められることを示した。
  • オイラーの多面体定理を題材として
    松崎 和孝
    2014 年 55 巻 3-4 号 p. 133-142
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/04/21
    ジャーナル フリー
    現行の高等学校学習指導要領から,数学A において,オイラーの多面体定理と課題学習が新たに加わった.課題学習の目的に合わせると,生徒が興味を持つ発展的な課題学習用教材を開発することが重要である.このため,オイラーの多面体定理について,生徒の疑問点を想定し,この疑問点をもとに9つの課題学習用教材を開発した.この論文では,これらの教材の模擬授業結果をもとに,費用,興味の度合いおよび難易度の観点から,教材の有用性について述べる.
  • Bakhytkul Kaskatayeva Rahimzhanovna
    2014 年 55 巻 3-4 号 p. 143-149
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/04/21
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,カザフスタンにおける数学教師を育成する方法の現状,及び,今後の展 望を明らかにすることである。 教員養成に関する研究は2009 年から2012 年の期間で行われた。この研究では次のことが行われた。①数学教師を目指す学生の数学のレベルの調査,②カザフスタンにおける数学教授法の教科書の分析,③カザフスタンにおける教育の情報管理システムの分析,④現職教師が行う数学授業の観察調査と評価,「MOODLE」を利用した遠隔教育の導入と評価である。 研究の成果とし,数学教師を目指す学生の指導方法を改善するための方向性が示された。 それは数学教材(教授法コンプレックス,マニュアル,電子教科書),及び,情報化を基盤にすることである。
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