NIRAオピニオンペーパー
Online ISSN : 2436-2212
67 巻
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  • 人々と政府の意識をつなぐ政策共創
    NIRA総合研究開発機構
    2023 年 67 巻 p. 1-6
    発行日: 2023/06/12
    公開日: 2023/06/19
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    NIRA総研は、2023年2月4日にNIRAフォーラム2023「なぜ、人々の声は政府に届かないのか-人々と政府の意識をつなぐ政策共創-」を開催した。人口減少が進行しており、社会全体のパイが増えない中、今の政治には痛みを分かち合う厳しい決定が求められる。政治は、苦い薬ではあっても、将来を含めた人々の幸せを最大化する真の利益を示す必要がある。それは、人々の利害や思いに対してレスポンシブ(反応的)である以上に、自らを含む将来の人々や社会に対してレスポンシブルな(責任ある)方策を共に見出していくことだ。そのためには、政府には、時々の状況に対応して、柔軟に方向性を変えられるアジャイル型の政策形成の仕組みを根付かせ、変革を促すための結集力を高めていくことが求められる。また、行政データのオープン化を一層進め、多様なデータを使って、ロジカルな議論を積み上げていかなければならない。さらに、人々と政治が非公式かつ自由な討議を通じて、社会に対して責任ある方策を共に見出すための政策共創の場が重要となる。すなわち、話し合い中心の「熟議民主主義」を根付かせ、自分の意見は反映されたという実感を持てるよう民主主義の議論のプロセスを見直す一方、政治も熟議の成果に基づき複数の課題解決の方策を巡って政党間で競争し、意思決定の透明性と説明責任を高める。この2つの方向の仕組みづくりを同時に行っていくことこそが、民主主義のサステイナビリティーを保つための道である。
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