NIRAオピニオンペーパー
Online ISSN : 2436-2212
73 巻
選択された号の論文の1件中1~1を表示しています
  • 就業者実態調査から見る現状と課題
    大久保 敏弘
    2023 年 73 巻 p. 1-8
    発行日: 2023/10/24
    公開日: 2023/11/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
    先進各国では地球温暖化・気候変動への対策が活発化しており、カーボンニュートラル、脱炭素社会実現への対策を講じている。多くの諸外国はグリーン産業への投資、税制優遇措置等を通じてグリーン経済の拡大を目指すが、同時に、グリーンジョブのスキルを持った労働者の育成にも取り組んでいる。日本も、従来型の「マクロ政策としての公共投資」だけでなく、「ミクロ政策としての人への投資」を進めることで、環境と働き方の好循環を起こす必要がある。就業者実態調査の結果からは、日本の就業者の31%がグリーンジョブをしていることがわかった。また、グリーンジョブに従事している就業者の労働時間に占めるグリーンジョブの時間は25%であった。グリーンジョブへの就業者割合が高い欧州の国と比べると、日本の同割合は低く、伸びしろは大きい。グリーンジョブは賃金が高く、働く人の満足度も高くはあるが、グリーンジョブに求められるスキルは高度である。グリーンジョブを推進するためには、グリーンジョブに求められる訓練メニューを明らかにし、グリーンジョブへの転換を希望する就業者が、適切な訓練を受け、必要なスキルを修得する支援が不可欠だ。政府には、就業者にリスキルの機会とインセンティブを与えることが求められる。
feedback
Top