NIRAオピニオンペーパー
Online ISSN : 2436-2212
70 巻
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  • 政労使による議論を経て
    翁 百合, 水島 治郎
    2023 年 70 巻 p. 1-6
    発行日: 2023/07/25
    公開日: 2023/10/12
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    経済社会が大きく変革する中、労働者が企業・産業の枠を超えて成長産業に移動し、能力や志向を活かして就労できる仕組みが求められている。しかし日本は、グローバル時代にふさわしい活力ある雇用社会への転換が遅れている。NIRAフォーラム2023「テーマ3:活力ある雇用社会のビジョン─『失業なき労働移動』をめざして─」では、この課題に対し、多面的な視点から検討を進めるべく、政労使の関係者および専門家を集め、雇用政策のみならず、社会資本の整備や国土政策、地域産業政策などを横断的に議論した。切り札となるのは、「失業なき労働移動」である。リスキリング教育を伴うことによって賃金を上げる方向で移動できるという視点を持ち、労働移動を積極的にとらえることが必要だ。労働者が主体的に希望する仕事を選べる環境を実現するためにも、自主的な転職のハードルを下げる必要がある。こうした問題意識は、経営者側と労働者側の双方で共有された。一方で、ジョブ型雇用については、成長分野を慎重に見極め、さまざまな影響を見ながら進めるべきであるという意見もあった。望む人が労働移動できる社会の実現に向けて、何をすべきか、産官学に加えて、地域の関係者も含めて、共通のビジョンを描くことが大切だ。
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