脳血管内治療
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4 巻 , 3 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
症例報告
  • 大塚 崇史, 伊藤 真史, 錦古里 武志, 西井 智哉, 林 重正, 桑山 直人
    2019 年 4 巻 3 号 p. 103-109
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/20
    [早期公開] 公開日: 2019/01/21
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】難治性慢性硬膜下血腫に対する中硬膜動脈塞栓術における,塞栓物質による再発抑制効果の 違いについて検討する.【症例】65 歳男性.難治性再発性の慢性硬膜下血腫に対し,エンボスフィ ア(300–500 μm; 日本化薬,東京)による中硬膜動脈塞栓術を行った.その後,器質化血腫の ため開頭血腫除去術を行ったが,短期間で再発した.病理上,エンボスフィアは血腫被膜に浸透し ていなかった.再発時,対側中硬膜動脈から血腫被膜への血流を認め,n-butyl-2-cyanoacrylate (NBCA)による塞栓術を行ったところ,血腫増大は抑制された.【結論】エンボスフィア(300–500 μm)は,粒子径が大きすぎて血腫被膜に浸透しない可能性があり,再発抑制効果が乏しい.また,対側中硬膜動脈からの側副血行路に注意する必要がある.

  • 荷堂 謙, 淺野 剛, 松田 達磨, 尾崎 航, 久保田 俊介, 三ツ橋 茂雄, 山上 岩男, 景山 雄介, 三原 和平
    2019 年 4 巻 3 号 p. 110-117
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/20
    [早期公開] 公開日: 2019/03/11
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】血管内治療後の穿刺部合併症は,その頻度は少ないものの治療に難渋することも稀ではない.穿刺部仮性瘤の3 例を報告する.【症例】穿刺部仮性瘤はそれぞれ,中大脳動脈閉塞でtissue-plasminogen activator (t-PA)静注療法と併せた血栓回収術後(症例1),内頚動脈瘤のステントアシストコイル塞栓術後(症例2),テント部硬膜動静脈瘻の経動脈的塞栓術後(症例3)に発生した.症例1,2 はエコーガイド下圧迫を施行し,1 例は瘤内血栓化を得たが,1 例は外科的修復を加えた.症例3 は感染性仮性瘤で抗生剤と併せ外科的処置を施行した.【結論】感染性仮性瘤は外科的修復が第一選択であるが,非感染性仮性瘤ではエコーガイド下圧迫など保存的治療で治癒し得ると思われる.

  • 桝田 宏輔, 木本 優希, 伊藤 弘, 井間 博之, 菱川 恭子, 出原 誠, 萩原 靖
    2019 年 4 巻 3 号 p. 118-124
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/20
    [早期公開] 公開日: 2019/04/18
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】茎状突起過長による外傷性内頸動脈狭窄症を経験したので報告する.【症例】49 歳女性.釣りの最中の頸部動作後に痛みを感じ,その後右片麻痺・失語が出現.来院後の頭部MRI では脳梗塞巣はみられず,頸部MRA で瘤状拡張を伴う左内頸動脈狭窄をみとめた.徐々に症状が改善し保存的加療としたが,第6 病日に右麻痺,失語が再度出現した.頭部MRI で梗塞巣の出現,左内頸動脈狭窄の進行をみとめたため頸動脈ステント留置術を施行した.術後2 時間後に過灌流症候群によると思われる巨大な脳出血をみとめた.【結論】短期間に進行する解離性頸部内頸動脈狭窄に対する血管拡張術では,術後過灌流による頭蓋内出血に注意しなければならない.

  • 冨尾 亮介, 植杉 剛, 赤路 和則
    2019 年 4 巻 3 号 p. 125-130
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/20
    [早期公開] 公開日: 2019/04/18
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】脳灌流画像が有用であった急性M2 閉塞血行再建の1 例を報告する.【症例】84 歳男性,発見時構音障害も来院時無症状だった.頭部MRI で島皮質にdiffusion weighted image(DWI)高信号をみとめ,MRA でRt M2 trunk の閉塞をみとめた.CT perfusion study では,delay time 画像で左右差をみとめた.脳灌流画像結果からrecombinant tissue-type plasminogen activator(t-PA)静注後血栓回収の方針とした.血管撮影室入室時から意識障害,左半側空間無視,共同偏視,左脱力をみとめた.thrombolysis in cerebral infarction(TICI)3 の再開通により,症状改善しmodified Rankin Scale(mRS)0 で退院となった.【結論】脳灌流画像での左右差を根拠に血栓回収を行ったことで来院後急激に症状増悪した症例で転帰良好を得た.

  • 篠原 禎雄, 山下 亮太郎, 小山 主夫, 福山 龍太郎, 久保田 純一, 向原 茂雄
    2019 年 4 巻 3 号 p. 131-135
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/20
    [早期公開] 公開日: 2019/04/12
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】椎骨動脈解離血管を経由して脳底動脈閉塞に血栓回収療法を行った.【症例】32 歳女性.体動困難で前医精査中に重度意識障害および四肢麻痺となり,造影CT で脳底動脈内血栓をみとめ当院へ搬送された.脳血管撮影では左椎骨動脈解離をみとめ,脳底動脈が閉塞していた.右椎骨動脈は低形成であり,解離側から引き続きペナンブラによる血栓回収療法を行い,前医で意識障害をきたしてから約5 時間で完全再開通を得られた.解離腔から真腔へとデバイスが通過して治療されたが,治療後は解離の悪化なく推移した.リハビリを経て独歩自宅退院された.【結論】解離した椎骨動脈を越えて脳底動脈の血栓を回収した.結果的に解離腔を通過しての治療となったが,幸いに良好な転帰を得られた.

  • 金城 雄太, 三橋 豊, 川上 太一郎, 中西 勇太
    2019 年 4 巻 3 号 p. 136-143
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/20
    [早期公開] 公開日: 2019/04/12
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】椎骨動脈起始部狭窄にopen-cell type のself-expanding stent(SES)を留置した2 例を経験したので報告する.【症例】症候性椎骨動脈起始部高度狭窄2 例にステント留置を行った.動脈蛇行が強くステント遠位端での動脈の屈曲閉塞が懸念され,またプラークが鎖骨下動脈に伸びていたためSES を椎骨動脈起始部から近位鎖骨下動脈に留置した.周術期合併症はなくその後も治療部の開存は良好で脳梗塞の発症はみとめていない.【結論】椎骨動脈起始部狭窄に対するステント留置術においてSES は蛇行血管への追従性,動脈壁への密着性,鎖骨下動脈に伸展するプラークのカバーという観点から有用な選択肢と考えた.

  • 舘 林太郎, 荒川 秀樹, 小田 彩加, 佐野 透, 松本 賢芳, 磯島 晃, 村山 雄一
    2019 年 4 巻 3 号 p. 144-150
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/20
    [早期公開] 公開日: 2019/05/09
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】くしゃみを契機に症候化した中硬膜動静脈瘻の1 例を経験したので報告する.【症例】38 歳男性.くしゃみをした直後の左側頭部痛と,それに引き続く耳鳴で発症し,精査にて左中硬膜動静脈瘻と診断した.CT では流出静脈が頭蓋外へ貫通する部位に側頭骨の菲薄化と骨破壊像がみられた.経動脈的塞栓術を施行したところ,術中所見ではfistula は2 箇所あり,いずれもコイルでの塞栓を行いshunt の完全消失を得た.【結論】経過からはくしゃみで発症した動静脈瘻が疑われたが,画像所見ならびに手術所見からは,もともと存在した動静脈瘻が今回のくしゃみによって症候性となった可能性があると考えられた.

  • 冨尾 亮介, 赤路 和則
    2019 年 4 巻 3 号 p. 151-156
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/20
    [早期公開] 公開日: 2019/05/09
    ジャーナル オープンアクセス
    電子付録

    【目的】コイル塞栓術後再治療時における,3D printer にて作成した血管モデルの有用性を検証する.【症例】45 歳女性.1 年前に大型傍鞍部内頸動脈瘤に対して初回塞栓術を施行した.その後再開通を認めたため,Neuroform Atlas stent を使用して再塞栓術を予定した.すでに留置されているcoil により,stent 留置のための適切なworking angle での内頸動脈の走行の把握が困難であった.そのため,3D printer で作成した血管モデルに,stent 留置予定の近位端と遠位端をmarking し,解剖学的位置関係の把握に用いた.本手法により,正確にstent 留置を行うことが可能であった.合計10 本のcoil を用いて追加塞栓を施行した.【結論】脳動脈瘤塞栓術後の再開通症例に対するstent 留置には3D printer による血管モデルが有用であった.

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