【目的】閉塞血管に未破裂脳動脈瘤を伴った主幹脳動脈急性閉塞に対し,機械的脳血栓回収術を行った症例を報告する.【症例】74歳女性.起床時に構音障害と左半身麻痺を認め,救急搬入された.最終健常確認は起床9時間前.当院搬入時のNational Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)スコアは20点であった.右内頚動脈後交通動脈分岐部に,未破裂脳動脈瘤を伴う右内頚動脈急性閉塞を認め,血管内治療を行った.吸引カテーテルによる血栓回収術を行い,合併症なく再開通が得られた.術後,左半身麻痺が残存したため,発症1カ月後に回復期病院に転院となった.【結論】未破裂脳動脈瘤を伴う主幹脳動脈急性閉塞では,血行再建術中に脳動脈瘤破裂のリスクがあり,適切な治療戦略が必要である.