【目的】母血管に高度狭窄を伴う未破裂椎骨動脈瘤のコイル塞栓術で,Marathonが有用であった症例を報告する.【症例】59歳男性は,偶発的に長径10 mmの右椎骨動脈後下小脳動脈(VA-PICA)分岐部動脈瘤を指摘された.右VAはPICA end, ネックから近位VAに高度狭窄を認め,以前の経過よりVA解離後の解離性動脈瘤と推測された.塞栓術中SL-10を瘤内に誘導すると狭窄部で血流停滞し,瘤とPICAが描出されず,SL-10をMarathonに変更後,いずれも描出され手技を完遂し得た.【結論】Marathonについて,主幹動脈瘤のコイル塞栓術で母血管の狭窄を理由に用いた報告はこれまでなく,有用な選択肢と成り得る.
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