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井上 大輝, 木村 仁星, 中山 浩太郎, 作花 健也, Rahman Abdul, 中島 愛, Patrick Radkohl, 岩井 聡 ...
セッションID: 1H3-J-13-02
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
フリー
深層学習を活用した胸部 X 線写真の自動診断は現在盛んに研究されている.診断精度を改善するためには,異常と疑われる局所画像を抽出し,深層学習ネットワークの入力とするかが重要である.そこで本研究では,「診断時に医師が凝視している領域を異常と疑われる局所画像として抽出できるのではないか」 という仮説を立てた上で,視線データを基に抽出された局所画像を入力とする深層学習モデルを構築した.その結果,視線データを使用しない場合,または医師訓練を受けていない被験者の視線データを使用した場合に比べて,医師の視線データを使用した場合により高い精度が認められ,視線データの有用性を示した.
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中島 道浩, 安野 貴人, 永富 大亮, 野田 一弘, 青柳 聖, 関口 斉治
セッションID: 1H3-J-13-03
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
フリー
土木構造物が老朽化するなかで,効率よい点検と的確な診断が求められている.特に,市町村では,技術職員の不足と維持管理費の予算制約が問題となる.従来の近接目視の5段階判定と対策区分に加え,損傷写真からピクセル単位で損傷検出を自動化できれば,損傷の規模がどの程度か,より柔軟に対策情報を提示しうる.損傷のなかでも,剥離・鉄筋露出は発生頻度が多く,修繕措置の判断を行う機会が多い.本稿では,近接目視点検の損傷画像を用いて,セマンティック・セグメンテーションを可能とする転移学習の3つの損傷検出手法を比較検討する.実際に,目視点検による鉄筋露出の画像を用いて,本手法を適用した結果を示す.
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秋冨 穣, 梶山 征央, 岡島 義, 山口 美峰子
セッションID: 1H3-J-13-04
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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睡眠の問題は社会問題の一つである.睡眠の改善手法の一つとして知られる不眠のための認知行動療法の技法の一つである睡眠日誌の記録を中心とした「睡眠日誌」アプリを試作開発した.これまでにアプリの継続利用者は実際に睡眠習慣が改善されることが示唆される結果を得ている.一方,このようなユーザの行動変容を促す取り組みにおいては,取り組みへの継続率をいかに高くするかが重要な課題として挙げられる.そこで我々は,アプリに蓄積されたデータを元に,ユーザの将来の元気度を予測することを試みた.この機能によれば,アプリの継続利用により睡眠のデータが蓄積されることで,ユーザにとって将来の元気度が分かるというメリットが発生するため,継続を促すための動機付けの手段と成り得ると期待される.ランダムフォレストを用いて,ユーザの一週間分の睡眠データからそのユーザの翌日の元気度の予測をしたところ,およそ80%以上の高い精度で元気度の予測が可能であり,その予測に特に重要な特徴量は直近のデータよりもむしろ7日分の睡眠データの平均や標準偏差であることが示唆された.本研究の成果を基に,有効な動機付けの方法の検討を進めていきたい.
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八重樫 文絵, 荒木 雅弘, 岡 夏樹, 新谷 元司, 吉川 昌孝
セッションID: 1H3-J-13-05
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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本稿では,レセプトデータを用いた生活習慣病の発症予測システムを提案する.近年運送業界では,インターネットの普及に伴うドライバーの過重労働に対する対策として,健康管理対策の見直しを急務としている.発症予測を目的とした関連研究には,医療情報に対して表現学習を用いているものがある.これらの関連研究と同様に,我々は本研究の課題を自然言語処理の分野の文書分類問題として捉え,生活習慣病の発症予測を行うモデルの開発を試みた.我々は文字列として保存されているレセプトデータを固定長ベクトル化し,アンダーサンプリングとバギングの組み合わせによって生活習慣病の発症を予測した.その結果,我々のモデルは正例の再現率が0.75にまで昇り,レセプトデータに対して自然言語処理を施すことの有効性が示された.
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近藤 堅司, 小澤 順, 清野 正樹, 藤本 真一, 田中 雅人, 安達 登志樹, 伊藤 春海, 木村 浩彦
セッションID: 1H4-J-13-01
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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解剖学的構造の正常モデルに基づく胸部X線画像異常検知手法とその評価結果について報告する。本手法は、解剖学的構造に対する領域抽出プロセスと領域抽出結果に対する異常検知プロセスとから構成される。領域抽出にはU-Netを、異常検知にはホテリング理論を用いた。異常検知対象は、解剖学的構造そのものと解剖学的構造間の境界線からなる計9個の構造である。評価実験には、正常684症例と異常13症例を用いた。異常検知の指標として、領域抽出された解剖学的構造の位置とサイズを用いた。Youden指数最大となるカットオフ値において、複数の解剖学的構造に対し、感度は全て1.0、特異度は0.80~1.0という結果が得られた。
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野里 博和, 近藤 堅司, 河内 祐太, 坂無 英徳, 村川正 宏, 小澤 順, 清野 正樹, 藤本 真一, 田中 雅人, 安達 登志樹, ...
セッションID: 1H4-J-13-02
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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胸部X線検査は,胸部全体にX線を照射して得られる平面画像に基づいて胸部臓器の異常検出を行う検査である.しかしながら,胸の中の構造物が重なり合って描写されているため,病変がこれら構造物に重なっていた場合,その病変を直接診断することが困難となる.正常な胸部X線画像には,胸部の臓器やそれらの境界線(解剖学的構造)が,おおよそ決まった位置,大きさ,角度,陰影状態で映っている.胸部に病変が存在した場合,これら解剖学的構造は,その病変の影響により正常な状態から変化する.この変化は,それぞれの解剖学的構造に対し医学的な根拠に基づいており,この変化を検出することで,病変自体が映っていなくても,異常の有無を検出することができる.そこで本稿では,解剖学的構造である右肺底領域の血管影に着目し,この領域の血管影が肺疾患により正常と異なることを利用し,正常な肺の肺血管の状態を学習して,病変を検出する異常検出手法を提案する.正常胸部X線画像697症例,異常胸部X線画像14症例を用いた実験の結果,感度92.9%特異度89.5%と提案手法による病変検出の有効性を確認した.
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岩崎 絢子, 仲山 千佳夫, 藤原 幸一, 角 幸頼, 松尾 雅博, 加納 学, 角谷 寛
セッションID: 1H4-J-13-03
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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睡眠時無呼吸症候群 (SAS) は, 睡眠中に呼吸の停止あるいは呼吸量の減少が頻回に起こる疾患であり, 日中の眠気などの症状を引き起こすほか, 心血管系の合併症のリスクを高める. しかし, 自覚症状に乏しいケースも存在することから, 診断および治療に至っていない患者が多く存在すると考えられている. SAS の診断には終夜睡眠ポリグラフ検査 (PSG) が用いられるが, PSG を実施できる施設が少ないことが問題となっていた. そこで本研究では, 心拍変動解析と長期短期記憶を組み合わせた簡便なスクリーニング手法を提案する. SAS 患者および健常者計 59 名のデータに対して提案法を適用したところ, 感度 100%, 特異度 100% で SAS のスクリーニングが可能であることが判明した.
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山下 和也, 村田 知佐恵, 阪本 雄一郎, 櫻井 瑛一, 本村 陽一
セッションID: 1H4-J-13-04
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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DPCデータの蓄積が進みこれら医療ビッグデータの重要性が認識されその利活用に期待が寄せられている。現状ではDPCを用いた集中治療関連の報告は散見されるが、治療法の効果などを検証した結果が大半であり、新たな治療戦略の選択・比較への応用などの報告は少ない。我々はDPCデータとPLSA(確率的潜在意味解析)を用いて集中治療を要する患者と診療行為の同時クラスタリング及び患者のクラスタ時間遷移パターンを抽出し、医師の治療戦略決定支援アルゴリズムの実現可能性を検証してきた。さらに重み付きPLSAにより注目している「診療行為」や目的変数である死亡率や在院日数、医療費に重みを与える事で、注目変数の違いをより明確に示したクラスタリングが可能であることを確かめてきた。本研究ではこれまで用いていなかった項目も含め全てのDPC項目を変数として取り扱い、各変数の重みを変えることによるクラスタリングの特徴の違いを調べた。その結果見たい現状に応じて各変数の重みをパラメータとして調整することで目的に応じたクラスタを生成出来ることが可能であることが示された。
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村田 知佐恵, 山下 和也, 阪本 雄一郎, 櫻井 瑛一, 本村 陽一
セッションID: 1H4-J-13-05
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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医療ビッグデータの利活用として、これまで診断群包括分類(DPC)データに注目し、治療戦略や医師の意思決定支援への応用の可能性を検証してきた。本研究では、DPCデータ全体から死亡率と関連する要因を探索的に見つけることを目的とした解析を行い、抽出されたクラスタの特徴やクラスタ遷移パターンについて検討した。「死亡の有無」に重みを付けた確率的潜在意味解析(PLSA)によりクラスタリングを行った結果、AIC最小は12となった。12の各クラスタの特徴および各患者の実施日ごとのクラスタ遷移を確認すると、敗血症患者のうち、重症度が高く入院が長引いている患者や緩和ケアを受けている患者の場合は、死亡率が高いことが明らかになった。一方、ICUに入院したケースでは死亡率が低い傾向が示された。その他にも、小児領域は他領域とは区別して検討するほうがよいこと、薬剤や処置について詳細な分析が必要なこと、手術とその後の処置の関係性を診療記録から把握する必要があることなどの示唆を得た。さらに、所属確率が高い主クラスタに関する5つの遷移パターンが得られた。
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新堂 安孝, 兼村 厚範, 宮尾 祐介
セッションID: 1I2-J-5-01
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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モバイル・インターネットの普及とともにレストラン・レビュー・サイトが広く定着し,消費者が何をどこで食べるかを考える際に強い影響を持っている一方で,同サイトには攻撃的なレビューや飲食そのものとは無関係のレビュー (以降,これらのレビューをまとめて「不適切レビュー」と呼ぶ) が投稿されることが多いが,これらは,レストラン経営者などからの訴訟を招いたり,ユーザーを不快にさせサイトの品質を悪化させる要因となる.このため同サイトを運営する企業は,悪影響が出る前に不適切レビューを削除する必要があるが,その自動化が難しいため,不適切レビューを明確にすべくガイドラインを用意した上で,作業者を雇用して同レビューを人手で除去せざるを得ない.この雇用に関するコストの高さは同サイトの運営の問題となる.そこで本研究では,実レストラン・レビュー・サイトの該当コストを削減すべく,不適切レビューのフィルタリング処理をlogistic regressionと自立語のbag-of-n-gramを用いて開発した.また,食べログの実データを用いて評価し,同処理が実環境で高い性能を発揮することを示した.
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西口 真央, 鳥海 不二夫
セッションID: 1I2-J-5-02
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
フリー
本研究では,様々なソーシャルネットワーク構造を利用して,ソーシャルネットワークサービスにおけるcyber-predatorの検知を行うことで,各ネットワーク構造の説明力を比較分析する.我々はまず,プロフィールの閲覧やコメントに対する反応などから、8つのソーシャルネットワークを定義する.次に,Large-scale Information Network Embedding (LINE)と呼ばれる手法を適用し,これらのネットワーク構造の潜在表現を獲得する.得られた潜在表現を用いて、cyber-predatorを予測するための分類モデルをネットワークごとに作成する.実験の結果,多くのネットワーク構造がcyber-predatorの予測に有用であることが確認できた.また,最も説明力の強いネットワーク構造は,プロフィール情報の閲覧であるといった,いくつかの興味深い知見を得ることに成功した.本研究で得られた知見は,未成年者のサイバー犯罪被害を抑えるために利用される.
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高間 康史, 坂元 陽亮, 小林 賢一郎, 橋本 武彦
セッションID: 1I2-J-5-03
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
フリー
本稿では印象に基づき類似エリアを判定する手法を提案する. ソーシャルメディアは製品や場所などに対する主観的意見が得られる貴重な情報源であり,居住地を探す際にも有益と考えられる.提案手法では駅周辺に対して投稿されたレビューから印象を抽出し,その結果に基づき印象の類似する駅を推定する. 感情表現辞典に対し,類義語やブログデータなどからブートストラップにより抽出した語を追加して感情語辞書を構築し,辞書とレビューとのマッチングによって印象を計算する.ラベル付きレビューを用いた印象抽出精度評価と,クラウドソーシングによる類似度判定精度評価を通じて,提案手法の有効性を検証する.
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園田 亜斗夢, 関 喜史, 鳥海 不二夫
セッションID: 1I2-J-5-04
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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インターネットの登場により新聞社等のメディアの発信するニュースの媒体が新聞からwebサイトに拡大し,記事の速報性の向上や記事数の増加が進んでいる.これに伴い,ユーザが記事を選択する際に必要な時間と労力が増大している.それに対応し,技術の発達によってユーザの選好に応じて提示情報をパーソナライズするタイプの推薦システムの導入が進んでいる.一方で,過度の推薦によってユーザに偏った情報のみを提供するフィルターバブルが発生しているとの指摘もある. 本研究では既存のニュースサイト上でのユーザの行動変容について分析を行い,筆者のこれまでの研究と比較する.これにより,既存の結果と比較し,多様性の減少はメディアが異なっても起きているのかを確認する. そのために,既存研究と同様にユーザの行動を閲覧した記事の多様性によって評価し,現実のデータで時間の経過に伴う多様性の指標が変化していることを確認し,多様性の変化と期間・閲覧数の関係についても考察する.また,多様性が増加するユーザの存在を確認し,そのようなユーザの閲覧数の変化の条件についても確認する.
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関 喜史, 吉田 光男
セッションID: 1I2-J-5-05
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
フリー
我々はフィルターバブルやエコーチェンバーのようなユーザのニュース記事の閲覧時に発生するとされる選択的接触行動をユーザ行動ログから定量的に評価することを目指している. この目的のために,これまでに,ユーザ属性ごと行動の違いについて,カテゴリとキーワードを用いて議論してきた. ニュース配信サービスにおいて,政治ニュース記事に対するユーザ属性ごと行動の違いを分析する際に,本稿ではニュース記事のクラスタに着目する. クラスタにおけるクラスタにおけるクリックとLike行動との相関係数および比率を比較し,ニュースの内容によるユーザ行動の違いを詳細に捉えられることを実験的に示した.
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渡部 雅也, 楊 坤, Dinesh Malla, 坂本 克好, 山口 浩一, 曽我部 東馬
セッションID: 1I3-J-2-01
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
フリー
ディープラーニングと強化ラーニングは近年急速に発展しています。ゲームやロボット制御などの分野にディープラーニングを適用する多くの研究が大きな成功を収めています。本論文では、強化学習アルゴリズムであるAlphaZeroをゲームAIのためのこれまでにないレベルの多用途性を最適制御問題に適用する可能性を検証する。従来の制御メカニズムを使用することによって処理することが困難であると考えられているノイズの多い環境下で動作を制御するその能力についての洞察を得ることを目指している。
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木村 友彰, 渡部 雅也, 坂本 克好, 山口 浩一, Malla Dinesh, 曽我部 東馬
セッションID: 1I3-J-2-02
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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多目的強化学習では、状態だけでなく入力に対しても目標をとるユニバーサルバリュー関数近似(UVFA)が使用されます。我々は7DOFロボットアームのエンドエフェクタをUVFAベースの多目的強化学習を使用して目標に到達させることによってタスクを設計した。一方、我々は目標の数を変更することによって同等のタスクを実行した。 UVFAを用いて目標到達可能度をマッピングすることで優れた予測能力を確認した。
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内部 英治
セッションID: 1I3-J-2-03
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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本稿では,強化学習と逆強化学習を組み合わせたエントロピ正則化された模倣学習ERILを提案する.ERILは報酬関数が学習方策のエントロピと学習方策とベースライン方策の間のKullback-Leiblerダイバージェンスで正則化された場合に導出されるソフトベルマン最適方程式を利用する.逆強化学習は二つの方策の密度比を推定する問題に帰着され,ロジスティック回帰を用いた二値分類によって効率的に報酬と状態価値を推定できる.強化学習は方策オフ型の動的方策勾配法などの拡張に相当し,学習方策と推定されたエキスパート方策の間のKLダイバージェンスの最小化問題になる.MuJoCoを用いたシミュレーション環境を用いた実験結果より,提案手法ERILは従来法よりもデータ効率が良いことを示す.
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本武 陽一
セッションID: 1I4-J-2-01
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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近年発達を続けるDeep Neural Networks(以下,DNN)が, 与えられたタスクを達成するために必要なデータセットの情報を, その分布を多様体としてモデル化することで 抽出する機能を持つことが示唆されている. また,DNN技術の有用性の確認とともに, 多数の研究者・技術者が各種のDNNアルゴリズムの開発や パラメータチューニングを行なっている. この状況は,各種データセットに対する 多様体構造についての莫大な知見が 蓄積されつつあることを意味する. 本研究の目的は, その取り出された複雑な形状を持つ 多様体構造を,解釈可能な形で抽出する 手法を提案することである. 具体的には,物理学においてネーターの定理として知られる, 系の対称性と系の保存量を結びつける技術をヒントとして, 多様体の座標変換に対する対称性とその意味づけを行う手法を 提案する. 提案手法を中心力ポテンシャルにしたがって運動する物体の 時系列データに適用した結果, 角運動量保存則に従う対称性を抽出可能なことが確認された.
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岩澤 有祐, 阿久澤 圭, 松尾 豊
セッションID: 1I4-J-2-02
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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観測に含まれる特定の因子に対して不変な表現を学習する不変表現学習は,ドメイン汎化や公平性配慮など広範な応用範囲を持つ基礎技術である.本稿は不変表現学習の問題に対して次の3つの貢献をする.第1に,State-of-the-artな不変表現学習手法である敵対的特徴学習は理論的には条件付きエントロピーの最大化という妥当な解釈ができる一方で実際的には不安定な挙動をする場合があることを実験的に示す.第2に,敵対的特徴学習が目的とする条件付きエントロピーの最大化はペアワイズな分布間距離の最小化問題として再定式化可能であることを示し,ペアワイズな分布間距離を最小化する手法としてWasserstein距離にもとづく新たな手法を導出した.最後に,ペアワイズな分布間距離の最小化という解釈によって引き起こされる計算論的な困難性に対して,パラメータ共有による解決策を提示した.実験では,提案手法が既存手法と比較してより短い更新回数で不変な表現に到達すること,また不変表現学習の応用例の1つであるドメイン汎化で良い性能を達成することを示す.
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中塚 祐喜, 白山 晋
セッションID: 1I4-J-2-03
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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多くの分野・領域において,外生変数を伴う時系列データに対する長期予測が行われている.長期予測モデルにおいては,モデルの解釈性の問題と外生変数に含まれるノイズの問題がある.近年,注意機構は解釈性の高いモデルとして注目されている.Dual-stage Attention-based Recurrent Neural Network (DA-RNN)もその一種である.DA-RNNは注目する特徴を自動的に決定する構造を持つが,短期予測しか行うことができず,強いノイズに対しては脆弱である.本稿では,部分時系列クラスタリングを利用することでDA-RNNを拡張し,よりノイズに頑健なモデルを提案する.そして,長期予測に拡張する方法を提案する.また,注意機構の重みの可視化を用いて,外生変数における主要因子の推定法を提案する.SML2010と呼ばれるデータセットに対する提案手法の結果は,従来手法と同等以上の予測能力を持ち,ノイズに対して頑健であることを示している.また,主要因子の推定が可能になることを示唆している.
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青木 達哉, 南坂 雅人, 長井 隆行
セッションID: 1I4-J-2-04
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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本研究では,実世界のマルチモーダルなセンサデータの学習をより効率的にすることを目的とし,マルチモーダル学習のための新しい階層型ニューラルトピックモデルを提案する.提案モデルでは階層ベイズモデルのパラメータ推論にニューラルネットワークを活用することでモデルのスケーラビリティと表現力を向上させる.具体的なモデルとして,多層マルチモーダルLDA(mMLDA)をニューラルネットワークにより実現したモデルである「Deep-mMLDA」とDeep-mMLDAをノンパラメトリックに拡張し,データに応じたトピック数の調整を可能にしたモデルである「RSB-mMLDA」の2つを説明する. 提案手法を評価するために,スマートハウス内での人の活動に関するマルチモーダルデータを対象とし,2つの提案モデルを用いた学習実験を行った.学習結果を用いたデータの分類結果と分類結果の一致度を先行研究のモデルと比較すると同等の性能を示し,提案手法の有効性が確認された.
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真矢 滋, 山口 晃広, 稲木 達哉, 植野 研
セッションID: 1I4-J-2-05
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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IoTの発展に伴い、大量の時系列データが取得可能になりつつある。このような時系列データから有用な知見を発見するために、多変量時系列データを特徴的なパターンに分割するセグメンテーション方法が注目を集めている。しかしながら、既存手法では分割位置が変数に関わらず同一であり、変数間の特徴を捉えることが困難であった。この問題に対応するために、各変数で適切な分割位置を求める手法を提案する。そして、人工データと実データを用いて提案手法の有効性を検証する。
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笹川 天斗, 河合 新, 延原 肇
セッションID: 1J2-J-6-01
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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新しいユーザやアイテムを効果的に推薦するためにGraph Convolutional Generative Adversarial Network(GCGAN)を提案する。スケーラビリティを維持するために、ミニバッチサイズ2部グラフからのグラフ畳み込みを用いてユーザとアイテムの潜在的特徴を捕捉するように識別器を改良した。MovieLensデータセットを用いた実験により、従来の方法と比較して提案したGCGANの有効性を確認した。
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橋本 大輝, 堀 浩一
セッションID: 1J2-J-6-02
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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航空宇宙工学などの技術及び学問分野は、様々な分野の成果とその複雑な関係の元成り立っている。 よって特に初めてその分野を学ぶ人にとって、その全体像を把握するのが難しいことが多い。さらにその分野の中で研究をし未解決の問題に取り組もうとした場合にはその問題にかかわる要素がとてつもなく多いため、何に着目して研究を進めるべきかを判断するのは困難を極めるかもしれない。 本論文ではこういった分野の理解に役立つようにその分野に関わる論文群をその意味によりPoincare Embeddingに基づき双曲空間上に埋め込むことで論文の内容とその抽象度に従って木構造状に整理し可視化し、分野全体を俯瞰できるような仕組みを提案する。 さらに可視化された構造をWasserstein Distanceなどを用いて分析することで、今後その分野に取り組む際にどのような点に着目うるかを考える補助になる情報を視覚的に提供する仕組みを提案する。 これにより文章間の関係を大まかに捉えた可視化を作成することができ、それを分析することによりその分野に関する新たな知見を得ることに役立った。
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児島 一郁, 谷 真宏
セッションID: 1J2-J-6-03
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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複数のソーシャルメディアアカウントから,友人の位置情報に基づき,同じユーザーが所有するアカウントを集約する手法(ユーザーの同一性判定手法)を提案する.ユーザーの同一性判定手法の一つとして,アカウントの表示名の類似性に基づく手法が提案されている.この従来手法では,ユーザーが複数のアカウントで異なる表示名を設定している場合,判定精度が低下する問題がある.この問題に取り組むため,判定対象アカウントではなく,友人のアカウントの情報,特に位置情報を用いてユーザーの同一性を判定する手法を提案する.提案手法では,(1)ソーシャルメディアから抽出した地名を予め定めた粒度(国,州,市等)に変換,(2)2つのアカウントの地名間の距離が遠い場合,その2つのアカウントは友人として出現し難いという仮定のもと,距離が遠い地名ペアの出現頻度を地名間の距離に基づいて重み付け,(3)重み付け地名ペアの出現頻度を粒度毎に比較する.292ユーザーが所有するTwitter-Foursquareのアカウントペアを用いた評価実験により,従来手法に比べ,判定精度が8.2ポイント向上することを確認した(精度82.7%→90.9%).
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柴田 祐樹, 高間 康史
セッションID: 1J2-J-6-04
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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観光経路推薦問題を扱う多くの手法が Selective Traveling Saleman Problem の定式化を利用している.しかしながら,この定式化では地点間の最短経路負荷をグラフの辺の重みとして割り当てることから,地点間の経路に多様性がない.ユーザは時間に余裕がある場合に最短経路よりも,例えば川沿い,森の中,海沿い等の経路を好むことも考えられるため,この問題に対し,本稿では,移動時間とスポットへの滞在時間を同時に考慮可能な手法を提案する.辺ベクトルを用いた定式化を拡張し,提案手法ではスポット内に配置された経路の負荷として滞在時間を表現する.人工データセットを用いた評価実験により,滞在時間と移動時間を同時に最適化可能なことを示す.
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白石 竜也, 山田 誠, 鹿島 久嗣
セッションID: 1J3-J-2-01
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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グラフ構造最適化は最適な性質を持つグラフ構造を探索するタスクであり、グラフ構造データ分析の中でも重要なタスクの一つである。グラフ構造最適化における目的関数は、評価コストの高いブラックボックス関数であることが多い。ベイズ最適化は、このような目的関数の最適化によく利用される最適化手法の一つである。しかし、ベイズ最適化でグラフ構造を扱うためには、データの幾何学的な特徴を情報をうまく抽出して類似性を測る必要がある。 本研究では、近年機械学習において注目されている位相的データ解析(TDA)によって得られるトポロジカルな情報を利用する。 実験を通して、TDAによって得られる情報を用いることで、ランダムに探索する場合と比べて効率的に探索できるようになることを示す。
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伊藤 秀剛, 松林 達史, 倉島 健, 戸田 浩之
セッションID: 1J3-J-2-02
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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ベイズ最適化はブラックボックス関数をできる限り少ない評価回数で大域的に最適化する方法である.これは,ガウス過程を用いて次に評価するパラメータを選択することを繰り返す手法である.しかし,ガウス過程の計算量は学習するデータ量の3 乗に比例するため,ベイズ最適化は繰り返し回数を増やすことが困難である.そこで本論文では,繰り返し回数を増やしても所要時間の増加を抑えることができる手法を提案する.提案手法は過去の繰り返しにおいて使用したモデルの予測結果を再利用することで,学習するデータ量を抑えることができる.そして実験にて,提案手法が繰り返し回数が増加しても所要時間の増加を抑えることができ,通常のベイズ最適化より高い精度で最適化を行えることを示す.
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太田 真人, 花房 諒, 岡留 剛
セッションID: 1J3-J-2-03
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
会議録・要旨集
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低精度センサーが多数配置され,高精度センサーが少数(またはゼロ)配置されている複数の地理的領域における物理量の空間分布の推定手法を提案する.本研究は,ドリフトを含む低精度センサーの観測値は誤差が大きく,疑似教師データとし,正確な物理量の空間分布は未知なため教師なし学習になる. 提案手法により,高精度センサーを少数有する領域に対して,高精度センサーの観測値に基づき,領域内に配置された低精度センサーのバイアスを補正し,物理量の空間分布を推定する.また,高精度センサーが存在しない領域は,同じクラスタ内の情報を共有するマルチタスク学習方法により,領域内の物理量の空間分布を高精度に推定する. いくつかの実験で,提案手法が物理量の空間分布を正確に推定することを示す.
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矢船 僚一朗, 西郷 浩人
セッションID: 1J3-J-2-04
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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スパースベイズ学習は、線形分類/回帰問題に対してスパース解を学習することができる。 それは非ベイジアンな手法よりも多くの利点を持っているが、それを非線形に拡張すること一般的ではない。 本稿では、アイテムセットマイニングを採用し、アイテムの出現を表す2値行列にスパースベイズモデルを構築することを検討した。 全体が列挙されないように非線形な特徴を効率的に抽出できる反復アルゴリズムを提案する。 人工データによる計算実験において、このアプローチはデータセットにおける非線形性を正しく識別することができた。 またHIVデータセットを用いた実験で、予測の分散が大きいサンプルを棄却することによってベイジアンアプローチの有効性を示した。
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森下 壮一郎
セッションID: 1J4-J-3-01
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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本稿では,動画配信サービスなどのインターネットを介したサービスにおけるユーザの継続のモデリングを行う.メディアサービスのユーザの来訪間隔は冪分布に従う.これに基づき来訪間隔のモデリングを行い,さらに残差を復帰と継続とのそれぞれの要素に分離する手続きを示す.そしてインターネットテレビ局「AbemaTV」へのアクセスログを例にして分離の結果を示す.
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菊田 俊平, 鳥海 不二夫, 西口 真央
セッションID: 1J4-J-3-02
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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本研究の目的は,ネットワークにおけるリンクを類似した構造を持つリンク群に分割し,リンク群の役割を探索することで,リンクの性質を理解することである.手法として,リンクの役割発見を行うための汎用的なフレームワークを提案する.提案フレームワークは,リンクをノードとして扱う辺双対グラフ及び構造に注目した表現学習であるstruc2vecを用いる.ベンチマークネットワークを可視化することで,類似した関係性を持つリンク群が近い表現を持つことを確認し,クラスタリングによって,類似リンクに役割をラベリングすることで,リンクの性質が理解できることを示す.今後の課題は,クラスター数を自動的に定めるアルゴリズムの導入と,現実世界のデータセットに対して本手法を適用し,情報をマイニングすることである.
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高橋 慧, 坂本 克好, 山口 浩一, 沼尻 匠, 曽我部 完, 曽我部 東馬
セッションID: 1J4-J-3-03
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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本論文では、多数のサンプルと特徴を持つ交通データセットのための密度球に基づく高次元空間におけるデータクラスタリングを研究し、密度球GraphCNNで特徴から距離行列を作成することによって交通渋滞を予測する。密度球は、高次元空間でデータをクラスタリングするための基準となる密度を表し、データの相関と距離の両方を考慮することでデータの関係を調べることができます。渋滞を再現し、密度球の体積を変えて予測精度を比較する交通シミュレーションモデルを組み合わせて渋滞度を予測した結果に基づいて、高精度な渋滞予測を実現するための仕組みを検討する。
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河村 郁江, 白松 俊
セッションID: 1K2-J-4-01
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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郷土食に関して地域で伝えられている話は,地域の食の特性を理解する上で非常に重要である.本研究では,地域ごとの郷土食の違い等を含む詳細なストーリーを構造化・オープンデータ化し,分析や可視化などの応用に繋げることを目指す.そのために,郷土食に関する領域オントロジーと,郷土食のストーリーに関する領域オントロジーを設計した.その結果,特に郷土食のストーリーに関する領域オントロジーには,素材関連や食べ方等の独自プロパティが必要であるという知見を得た.今後は,各地で収集した様々な事例を用いて本稿のオントロジーを拡張しつつ,これまで開発してきた「もちマップ」に適用する予定である.
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山崎 朋哉, 真壁 拓也, 西 賢太郎, 西本 智浩, 岩澤 宏希
セッションID: 1K2-J-4-02
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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ナレッジベースは検索エンジンや応答システムといった幅広い情報システムにおいて重要な役割を担っている. 日々変化するユーザーの要求に答えるため, 我々は様々なデータから巨大なマルチドメインのナレッジベースを構築することを目的としている. 本稿では, 企業でのナレッジベース構築における課題点を挙げ, 我々の提案するナレッジベース構築システムがどのようにその課題点に対応しているかについて説明する. 我々のシステムで構築するナレッジベースは既に実際のサービスに適用されており, その規模も日々増加し続けている.
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山本 泰智, 山口 敦子
セッションID: 1K2-J-4-03
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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我々はUmaka-Yummy Dataという生命科学分野のLinked Dataを提供するSPARQLエンドポイントの評価システムを構築し、結果を公開している。その目的は、より良いLinked Data利用基盤を構築することであり、そのためには、Linked Data提供者と利用者の相互理解を促すことが必要と考えているからである。SPARQLエンドポイントの評価は稼働率など6つの観点から行い、100点満点の数値化したUmaka Scoreとしている。これまで3年間の運用を経験し、Linked Data提供者から様々な意見や質問を得ている。本論文ではこれらの意見や質問を議論し、上述のより良いLinked Data利用基盤を構築するために必要な事項をまとめた。その結果、Linked Data提供者と利用者の間の相互理解を促すのに先立ち、信頼できる評価を提供するために、Linked Data提供者と我々の間の信頼関係の構築が重要であることが分かった。
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~説明性のある人工知能システムを目指して~
○川村 隆浩, 江上 周作, 田村 光太郎, 外園 康智, 鵜飼 孝典, 小柳 佑介, 西野 文人, 岡嶋 成司, 村上 勝彦, 高松 邦彦 ...
セッションID: 1K2-J-4-04
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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本発表では,2018年よりスタートしたナレッジグラフ推論チャレンジについて報告する.近年,機械学習技術の進展によりさまざまな社会システムにAI技術が組み込まれつつある.今後,そうしたシステムを安心・安全に使っていくためにはAIによる判断・動作を適切に説明する技術が重要になってくるだろう.そこで,本会セマンティックWebとオントロジー研究会では,データセットとしてシャーロック・ホームズの小説を題材としたナレッジグラフを構築,公開し,説明付きで犯人を当てる(推論または推定する)技術を募集するチャレンジを企画・開催した.発表では,第1回となった2018年のチャレンジの概要と共に,ナレッジグラフの構築手法,SATや推論,文書ベクトルなどを用いた4つのアプローチ,およびそれらの評価方法・結果等について述べる.また最後に,2019年に予定している次回チャレンジの計画について紹介してまとめとする.
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中川 嵩教, 小板橋 佳晃, 吉岡 真治
セッションID: 1K2-J-4-05
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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Wikipediaカテゴリを分析する研究から、カテゴリには概念分類を表すものだけでなく、人名や組織名といったインスタンスを表すものやその組み合わせが存在しているために、知識工学的観点から利用するためには、そのカテゴリ間の関係について検討することが必要であることが提案された。また、この考え方に基づき、カテゴリの種類、カテゴリの親子関係の種類を整理したデータの構築を行った。本稿では、この構築したデータに基づき、特定の親子関係のみを利用して(あるいは、排除して)できあがるカテゴリ階層構造の性質を議論することで、これまでに提案してきたWikipediaカテゴリに関する分類の枠組の有用性について議論する。
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飯野 なみ, 西村 拓一, 福田 賢一郎, 武田 英明
セッションID: 1K3-J-4-01
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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本稿では,ギター奏法知識におけるオントロジーと手続き的知識の併用による知識の構造化について考察する.我々はこれまで,社会活動一つである楽器演奏に着目し現場の知識を収集・体系化してきた.中でも奏法の種類が多いクラシックギターを取り上げて,ギター奏法オントロジーを構築した.しかし,複雑な記述形式を持っているために分野の専門家にとって理解し難いという課題がある,本研究では,ギター奏法オントロジーと手続き的知識の併用による知識の構造化プロセスを設計し,オントロジー専門家と分野の専門家が取り組むための要件や技術などを明確にした.さらに分野の専門家に対するアンケート調査から,本プロセスの有用性を確認することができた.
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斎藤 奨, Chiang Chun-Wei, Savage Saiph, 中野 鐵兵, 小林 哲則, Bigham Jeffrey
セッションID: 1K3-J-4-02
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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クラウドソーシングにおいて、ワーカーの多くが十分な賃金を獲得できていないことが問題視されている。原因の一つとして、まだ取り組んだことのないマイクロタスクの「割の良さ」を正確に見積もることの難しさが挙げられる。本研究では、他のワーカーによる過去のタスク作業履歴をもとに、新たに発行された未知のタスクに必要な作業時間と時給を推定する手法を提案する。Amazon Mechanical Turkのワーカー84人に独自に開発したウェブブラウザ拡張機能をインストールさせて9,155件のタスクデータを抽出し、異なる方法で計測した4パターンの時間の候補からワーカー自身に一つ選ばせることで作業時間のラベルを付与した。さらにGradient Boosting Decision Treeのモデルから作業時間を回帰推定するTurkScannerを設計・評価し、約150次元の特徴ベクトルから高い精度で作業時間を推定することを示した。
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大知 正直, 城 真範, 森 純一郎, 浅谷 公威, 坂田 一郎
セッションID: 1K3-J-4-03
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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研究への投資戦略策定のために,早い段階で有望な研究や研究分野を特定することは重要である.また,近年の論文出版数の急増及び専門知識の細分化のため,将来の技術動向を自動で予測する技術の開発が必要である.一方で技術の現状を表す指標には様々なものがあり,どの指標による未来予測を示すかは分析の目的に依存する.つまり,様々な指標による技術動向の自動予測を行うための基盤技術の開発が課題である.そこで,本稿では,出版社の論文データの様々な異種ネットワーク情報を用いて,未来の様々な技術指標を自動で予測するための分散表現を抽出する手法を提案する.実験の結果,論文間の参照関係の予測のF値は95.6%で,出版後3年後のh-indexは一定の条件下で64.4%だった. この結果は,論文間の参照関係を十分に写像できていることを示している.一方で,将来のh-indexの予測精度は比較手法と同等であり,さらに研究を深める必要がある.本論文の成果は,論文データ向けの異種ネットワーク分散表現が技術動向の自動予測を行うための基盤となる可能性が示唆している.
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仁科 慧, 新田 克己
セッションID: 1K3-J-4-04
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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論理的な議論の記録を論理構造を保持したまま要約する新手法を提案する. 論理的な議論は,裁判,国会討論,討論番組,法的議論の訓練のための模擬議論など様々な場面で行われ,その要約は他の議論との比較や参照にも用いられている.しかし,このような議論は主論点からサブの論点が多岐に渡って関連しており,論理構造の把握や要約は困難である. そこで,我々は数理議論学の分野の抽象議論フレームワーク(AF)を用いて,議論の論理構造を論証を表すノードと論証間の攻撃関係を表すリンクの表現し,そのAFの構造の部分構造をAFの要約として求める手法をとった.このAF構造の要約手法は,論点の分岐点となる論証の周辺に,論点ごとの局所議論を表す構造があることに注目し,その構造を除去するものである.また,この要約手法から得られた要約に含まれる各論証の論理的妥当性は,要約前の論理的妥当性には相関関係があることを例において,確認した.
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三浦 崇寛, 浅谷 公威, 坂田 一郎
セッションID: 1K3-J-4-05
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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科学技術革新が発生するメカニズムは未だ明らかになっておらず,計量書誌学を用いてその構造を探る研究が行われている.特にComputer Scienceでは研究者に限らず投資家や各国政府もどの組織が分野を牽引していくのかに注目している.しかし既存の組織評価指標は組織が出した論文数や被引用数といった研究者集合としてのコミュニティ評価が中心であり,研究組織が研究者に与える影響に着目した研究プラットフォームに対する評価は予算など副次的なものに留まっている.本論文では,書誌情報を用いて研究組織環境が研究者の学術生産性に与える影響を定量評価する指標とその計算手法を提案する.その結果,組織の研究力は高いが研究者が育たない「頭脳の棺桶」の存在や,未だ研究結果は小さいが今後成長するシードとなりうる組織が明らかになり,学術生産性の高い組織が必ずしも優れた研究を促しているとは限らないことが確認された.本研究は各組織の研究動向を説明する大きな指標となるとともに,今後の研究組織マネジメントを行う上での重要な示唆を含んでいると考えられる.
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東京首都圏におけるWEB調査からの知見
稲葉 陽二
セッションID: 1K4-E-1-01
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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社会関係資本とICTとの関連についてはすでに多くの論考があるが、社会関係資本とAIに関する認識についてはほとんど論考がない。本稿は首都圏在住の20歳~69歳を対象とし他WEB調査(5000票)のデータから社会関係資本とAIに関する認識について考察する。ロジスティック回帰による暫定的な分析では、信頼や規範などの認知的な社会関係資本とAIの認識については有意な肯定的な関係がみられるが、ネットワークを主体とする構造的な社会関係資本との関係はむしろ否定的な関係がみられる。
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Danilo Eidy MIURA, Teruaki HAYASHI, Yukio OHSAWA
セッションID: 1K4-E-1-03
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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The already highlighted importance of the ‘flow’ of data in the Market of Data brings needs of development of ways to better ex- plore the utilization of data. Aware of the existence of rich knowledge stored and shared in text format, this paper aims to propose a form of representation of variable names that can be identified in natural language written knowledge. With the use of possessive relationships between words in Noun Phrases, we supported the representation of variable name relating a variable to a thing or event. A simple experiment was performed to demonstrate the efficacy of the proposed representation supported by Data Jacket Store, where we can find well-form variable names under the name of Variable Labels.
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Johannes De SMEDT, Junichiro MORI, Masanao OCHI
セッションID: 1K4-E-1-04
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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The ubiquitous nature of networks has led a vast number of works dedicated to the study of capturing their information. Various graph-based techniques exist that report on the characteristics of nodes and edges, e.g., author-citation networks, social interactions, and so on. A significant amount of information can be extracted by summarizing the surrounding network structure of nodes, e.g., by capturing motives, or walk patterns. In this work, we present a new way of capturing the interaction between nodes in a network by making use of the sequence in which they occur. (1) The objective of this paper is to make use of behavioural constraint patterns; a concise but detailed report of node's interactions can be constructed that can be used for various purposes. (2) It is shown how the constraint patterns can be mined form interaction data, and how they can be used for various applications.
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Natthawut KERTKEIDKACHORN, Xin LIU, Ryutaro ICHISE
セッションID: 1K4-E-1-05
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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Knowledge graphs play an important role in many AI applications such as fact checking. Many studies focused on learning representations of a knowledge graph in a low-dimensional continuous vector space. However, most of the recent studies do not learn embedding representations on uncertain knowledge graphs. Uncertain knowledge graphs, e.g., NELL and Knowledge Vault, are valuable because they can automatically populate themselves with new facts. Nevertheless, the automatic process basically induces uncertainty to knowledge. In this study, we introduced knowledge graph embedding on uncertain knowledge graphs by using adapting confidence-margin-based loss function for translation-based models, namely CTransE, to deal with uncertainty on knowledge graphs. The results show that CTransE can robustly learn representations of uncertain knowledge graphs and outperforms the conventional method on knowledge graph completion task.
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石 晶, 李 志豪, 本吉 俊之, 大西 直, 森 裕紀, 尾形 哲也
セッションID: 1L2-J-11-01
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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深層学習を用いてサブタスクを学習することにより,自動運転におけるメインタスクの性能を上昇させることができる.Li et al. 2018の研究では,周囲の認識を担うPerception Module(Semantic Segmentation, Depth情報を抽出)と,運転操作を行うDriving Moduleという2つのモジュールを用いたマルチタスク学習手法を提案し,未知の環境での汎化性能を改善することを示した.しかし,メインタスクに対するサブタスクの理論的な設計は無い.本研究では,Li et al. 2018の研究をもとに自動運転における複数のサブタスクの組み合わせによる運転行動の生成結果を比較する実験を行なった.その結果,Semantic SegmentationのみをPerception Moduleが学習する際に汎化性能が最も高くなった.
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内海 佑斗, 北川 晋吾, 矢野倉 伊織, 岡田 慧, 稲葉 雅幸
セッションID: 1L2-J-11-02
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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自律移動ロボットが建物内や道路上など様々な遮蔽物を含む環境下で活動するにあたって、遮蔽物の先の状況を把握することが重要であり、特に鏡を活用した死角のカバーは有効であると考えられる。しかし鏡はその性質上反射率が 1 に近いためセンシングによる三次元的な位置認識が困難であり、したがって鏡を手がかりとした死角の状況予測のために鏡の位置推定が課題となっている。本研究では畳み込みネットワークを用いた鏡の深度画像予測手法を提案し、さらに鏡面に写る物体を検出された鏡平面に関して対称移動させることで実空間において当該物体の三次元位置を復元することを提案する。本研究の提案手法の有用性を検証するため、廊下の交差点に反射鏡を設置し、ロボットにとって死角に存在する人間を検知する実験を行った。
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横田 泰斗, 鈴木 彼方, 金澤 裕治, 竹林 知善
セッションID: 1L2-J-11-03
発行日: 2019年
公開日: 2019/06/01
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本稿では,物体把持位置検出タスクのみを学習させたモデルの中間層出力を用いて,異なるタスクである物体形状分類を行うための手法を提案する. 製造業のロボットアームの物体把持タスクでは,複数の形状の物体が混在している場合があり,把持位置検出と物体形状分類の複数タスクの実施が求められる. 複数タスクを別々に学習する従来手法のひとつとして,ディープニューラルネットワーク(DNN)の中間層から出力される特徴量を利用する手法がある. しかしながら,把持位置検出モデルから単純に取得した中間層出力では,入力画像中に複数物体が混在するケースにおいて各物体の特徴量が混ざって出力されるため形状分類することができない. この問題を解決するために,逆伝播を用いて特定の物体の中間層出力を絞り込む手法を提案する. 評価実験として,把持位置検出のみを学習させたモデルの中間層出力を用いて,提案手法により物体形状分類を行った. 結果として,提案手法により複数物体が混在するケースでも物体形状分類ができることを示した.
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