理学療法のための運動生理
Print ISSN : 0912-7100
3 巻, 3 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 丸山 仁司
    1988 年 3 巻 3 号 p. 145-148
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    理学療法と研究に関連して、理学療法士の研究の必要性と現状、今後の課題について述べた。理学療法士の研究の必要性は専門職の立場より述べた。現状として、理学療法士の教育である学校、日本理学療法士学会の研究発表の動向、他の学会との関係について述べた。今後の課題としては4年生大学教育の必要性、隣接分野との協力の必要性、研究分野の特異性(病態運動生理)、学会発表の考え方と注意事項について述べた。
  • 谷 浩明
    1988 年 3 巻 3 号 p. 149-154
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    我々の研究において必要とされる統計学は、無限母集団から無作為抽出した標本の特性を知ることによって母集団の特性を推測する推測統計学である。現在ではこの統計学の手法である推定や検定は、統計用ソフトウェアの普及によって容易に行うことが可能だが、それゆえ、手法の意味を理解せずに誤って用いる危険性もはらんでいるといえる。特に、平均値の差の検定、相関分析などは用いられる機会が多いにもかかわらず、その結果を記述するのみで解釈が充分になされていないということがよくあるが、これは、各手法の理解というよりも、推測統計学における推定や検定の考え方の理解の度合に起因すると思われる。この推定、検定の考え方は、標本抽出に先立つ実験計画の段階から、どのような推定や検定を、どのくらいの精度で行うのかを考慮しておかなければならないという意味を理解するうえでは非常に重要である。
  • 江原 晧吉
    1988 年 3 巻 3 号 p. 155-160
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    論文を書くということには2つの理由がある。専門家は信頼を獲得しなければいけない、そのため、理学療法士は科学的方法に関する知識を進歩させなければいけない。科学scienseという語はラテン語のscireが起源であり、この意味は知ることである。研究は質問に対する答えを見つけるための科学的な方法である。それは治療の改善と新しい技術を見つけるために、理学療法士にとって重要な方法である。他の理由は研究が専門家としての継続的な成長に必要な批判的な態度を奨励する。
    論文を書くためには下記のことを考慮しなければならない:論題、要約、キーワード、緒言、方法、結果、考察、結論、文献についてである。それから、論文を書き終ったなら、著者はさらに良い論文にするために、8項目のチェックをするべきであろう。
  • ―数学モデルによる解析手法―
    廣瀬 秀行
    1988 年 3 巻 3 号 p. 161-168
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    人間の運動時の関節モーメントを算出する方法について述べたものである。用語の統一から始まって、基礎の力学として作用する力とその釣合式、直線運動と回転運動の違い、慣性モーメントの意味、そしてそれらの運動方程式の導出。これらの運動方程式を算出するために必要な人体のモデル化のための条件。そのために必要な運動学、運動力学、人体計測データの算出方法に関しての概略を述べた。
    この方法によリ、他の方法では得られない人間の関節回りの筋力が推定できる。しかし、算出された値は人体のモデル化によって推定したものであるから、常に実際の人間の運動と比較して行かなければならない。
  • 藤原 孝之
    1988 年 3 巻 3 号 p. 169-174
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
  • 柳澤 健
    1988 年 3 巻 3 号 p. 175-180
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    誘発筋電図(とくにH波)が理学療法の効果判定などに如何に利用され得るかについての解説を加えた。
    1)H波の測定方法
    2)反復誘発筋電図
    3)回復曲線
    4)振幅平均比較
    5)理学療法の効果判定
    などについて総説的に述べた。
  • 今泉 寛
    1988 年 3 巻 3 号 p. 181-184
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
  • ―心疾患のリハビリテーション―
    黒川 幸雄
    1988 年 3 巻 3 号 p. 185-194
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    心疾患のリハビリテーションについて、急性期、回復、維持、予防に分けて解説し、健康増進、予防的リハビリテーションの動向について解説した。急性期では心筋梗塞の修復過程、回復時ではそのプログラムを示した。
  • Paul D. ANDREW
    1988 年 3 巻 3 号 p. 195-200
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    この論文の目的は、単に理学療法士に研究を勧めるのではなく、臨床に有意義な研究をしようとすればどんな現実的な問題と取り組むべきかを指摘することです。この課題を私的な観点より論じます。たぶん一般の理学療法士にとって、金と時間さえあれば臨床研究が充分できると考えられているでしょう。しかし、研究は機械的にでき上がるものではなく、試行錯誤の繰り返しを通して、研究者の忍耐、勉強、反省などを要求させるものです。研究に携わりたい理学療法士の動機は重要な問題になってきます。もしその動機がある説を証明しようというものであれば、有意義な成果はあまり期待することができません。好奇心を基にして、前以て偏りの少ない見解より出発すべきです。私なりの試行錯誤を例に取り上げます。
  • 今井 基次
    1988 年 3 巻 3 号 p. 201-206
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    理学療法士の業務内容は、現在の社会状況から運動療法がこれからも主体となり、その対象者も重度化・高齢化した患者が多くなることは必至である。
    現代の目覚ましいコンピュータ、ロボットの進歩によりこれらの患者には、このような時代はうまく、そしてよく生きてゆける時代なのである。それゆえ、彼らの健康、体力を維持増進することで疾病の回復を計り、早めるための弱い運動強度(彼らには至適な運動強度)による運動療法の有効性を科学的に研究、実践することがこれからの理学療法士の一つの大きな課題である。
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